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5.発生要因毎の例

ドキュメント内 <88E38A778E478E8F2E696E6462> (ページ 60-63)

 突然の入院による経済的負担の増加。→この要因による未収金発生が殆どである。

【患者A氏の場合】

 長距離トラックのドライバ−をしていたA氏は、ある非番の日かなり強い心窩部痛が出現し、救急車 にて当院に搬送され治療を受けた。急性心筋梗塞と云う事でそのまま入院し、緊急手術を受け、一命を 取り止める事が出来た。その際の医療費98,750円が一括では支払が困難であると云う事で未収金となっ た。 

 A氏の家庭は妻と2人の子供(中学2年生、小学6年生)と自分の両親(父親は認知証)との6人家族で あり、決して楽な生活ではなかった。蓄えも無く、病気になった事により会社も休みがちになり、とう とう会社を解雇され収入の道が途絶えてしまった。現在は奥さんのパ−ト収入で暮らしている。

 →→、毎月5千円ずつの分割支払中であるが入金が遅滞気味である。

     

【患者B氏の場合】

 老夫婦2人、僅かな年金にて市営アパ−トで暮らしていたが、ある日、夫が体に異変を感じ近くの 開業医を受診したところ、精密検査の為当院を紹介された。その結果末期の胃癌である事が判明、た だちに入院、手術したが余命数ヶ月であるとの診断であった。その時の医療費、62,100円については まったく支払う余裕がないとの事で未収金となった。

 →→、その後、生保認定を受け、生活保護費から毎月5千円ずつ分割で支払っている。

 医療費支払に対して当初から否定的である。→反社会的勢力に所属しているか、それに近い構成員 及び、彼らと何らかの交流のある者が殆どである。

【患者X氏の場合】

 構成員と思われる夫の妻(50代)は数年前当院にて胃癌の全摘手術を受け【その時の医療費も未収 金となっている】、不定期に外来受診していたが、自己管理がなされていなかった為、相当衰弱して いたと思われる状態で来院し、外来で受診したが、そのまま入院となり治療を受けた。しかし余病を 併発しスタッフの懸命の治療もむなしく死亡退院となった。その時の医療費も未収金となり、構成員 と思われる夫【過去の自身の医療費も全く支払っていない】と亡くなった妻の医療費の合計約82万円 が未収金となった。百ヶ日経過後、自宅訪問したところ、突然、妻が亡くなったのは病院のせいだと か、医療費は絶対払わないだとかの罵声を浴びせられてしまった。

 →→、その後の督促、自宅訪問は身の危険を感じ、躊躇せざるを得ない状況である。

 死亡退院による支払義務の希薄化。→同居中の2等親或いは3等親の方が亡くなった場合に散見され る。

【患者W氏の場合】

 40代(男性)W氏は、かねてから糖尿病で通院していたが、同居している叔父(独身)が胃癌で入 院、手術をしたが、その後の通院治療費も含め約45万円が未収となった。     

 その後、叔父はまもなく亡くなってしまい、医療費は男性が分割で支払って行く事になった。しか し自分の糖尿病も悪化してしまい(自己管理の不徹底)、眼科外来で手術を受け約30万円が未収となっ

た。現在は両方とも分割支払が遅滞している。

 以上4例を挙げましたが、もちろんこのような患者さんだけではなく、殆どの方は退院後、2週間以内 に完済されております。

 それでも、毎日の生活に困窮しており、突然の出費の医療費にまで手がまわらないという方が相当数 おられます。そう云う方には分割支払や年金月に支払ってもらう等、出来るだけ便宜を図って入金をし て頂いております。また、クレジットカードでの支払もようやく出来るようになり、利便性の向上に寄 与しております。

 また、分割支払の患者には、支払義務の存在を明確に認識して頂く為に誓約書を徴求しており、一定 の効果を得ております。

※未収金の回収にはこれと云った得策・奇策の方法はなく、地道に督促を続ける事が一番ではないかと 思います。それには当該PTの家庭環境や職場環境を把握する事が重要になって来ますが、リストラに 遭って仕事が無くなったり、交通事故で会社を休まざるを得なくなったり、離婚して子供を連れて実家 に帰らざるを得なかったり、生活保護を申請中だったり、年金のみのギリギリ生活だったり、ギャンブ ルで失敗したり、患者さんが死亡したのは病院のせいだから一生払わない、連帯保証のサインは患者が 勝手に書いたものだから支払義務はない等と、ありとあらゆる負のファクターが原因となり、最後に未 収金となって担当者を襲って来るのです。

 回収担当者にとりまして、こう云った事情を熟知すればする程、当該患者に対する関知度が高まって 行き、だんだんストレスが蓄積し『一体何時になったら払ってくれるの? 今でしょ!』等と言ってみた くなります。(予定外の入金があった時はホッとしますが)

 また、督促は電話→手紙→自宅訪問と云う順番を経て行っておりますが、自宅訪問は最終段階の督促 であります。冬期は吹雪の中を、真夏には炎天下を訪問、春や秋には山奥の一軒家を訪ねたりしますが、

ヘビや猿、たぬきと遭遇したりします。幸い、まだ熊君とはお会いしておりませんが。

 このように、担当者にとりまして未収金回収は困難を極めますが【医療サービスの提供→対価支払】

の最終章を担う仕事として、その重要さを認識し日々業務に取り組んでおります。

論文受領 H25.7.10 論文受理 H25.7.24

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