人に使われたとき
a クイズ
関門橋之介君は興味本位でツーショットダイヤルに電話をかけてみました。音声が流れてきたのですぐ電話を切り ました。
ところがしばらくたってから、電話をかけた段階で契約が成立しているので、この前の利用料分5万円を払えと言う 電話がツーショット運営会社からかかってきました。
電話をすぐに切ったことを伝えると、テープの後のほうで電話をかけた段階で料金がかかることをはっきり言っており、
最後まで契約条件を聞かなかった方に過失があるので、契約は有効に成立しているとのことでした。この場合、関門 君は利用料を支払わなくてはいけないか。
① 契約書という書面ではなく、電話を使っているので契約は成立していない。
② 自分からかけているし、テープも最後まで聞いていないので、関門君に過失があり払わなければいけない。
③ 承諾の返事を受け取っていないので契約は成立していない。
a 答
③です。①は書面ではなくても、面と向かって伝えたり、電話で伝えても契約は立派に成立します。しかし、ツーショッ トダイヤルや番組に電話をかけただけで契約が成立することはありません。従って払う必要はない。
なぜでしょうか「契約」は一方がツーショットダイヤルの利用を「申込み」し、相手側が分かりましたと申し込みに対す る「承諾」をしてはじめて成立します。「申込み」あるいは「承諾」の一方だけでは成立しません。同様の理由からアダ ルトサイトにアクセスしただけで契約が成立することもありません。
ただし、ダイヤルQ2サービスは電話をかけた時点から電話料の中に情報利用料が織り込まれていきます。
また、プロバイダーが料金徴収サービスを代行しているサイトにアクセスすると、同様に料金がかかることがあるの で注意が必要です。
a クイズ
①関門君は後から払うからと言うので友人に携帯電話を使わせてあげました。そのうち関門君はこの友人と大ゲン カとなり絶交してしまいました。携帯電話会社から請求が来た時、関門君は電話会社に対して友人が使った分は友 人に請求しろ言えますか。
a 答
電話加入契約の場合、たとえ人に使わせた場合であっても、加入契約者である関門君に支払い義務があります。
電話会社は関門君の大ケンカとは関係がありません。後から二人で決着をつけて下さい。
a クイズ
関門君は有料アダルトサイト運営業者から、「あなたの携帯で誰かが有料アダルトサイトを使っているので、所有 者には管理責任があるので支払い義務があり利用料を支払え」というメールが届きました。確かに自分の携帯が一 時見当たらなかったことがあります。関門君は支払う義務がありますか。
a 答
電話加入契約の場合と違って、たとえ第三者が自分の携帯電話を使って有料アダルトサイトを利用したとしても、
支払い義務は生じません。
<参考> 総務省総合通信基盤局 情報通信の報道資料 2003年11月25日
ツーショットダイアル ・・・ かけただけで払わなければいけないか
携帯を第三者に使われた場合はどうか
電話をかけただけ、アクセスしただけ ・・・ 契約は成立しない
メールで請求されたら ・・・ <キーワード> 不用意にメールで答えない(つまり、放っておく)
携帯電話で請求されたら ・・・ 心当たりがないなら、「払わん!」とキッパリ言う
使ったかよく分からない場合は ・・・ 利用明細(利用時間、利用者氏名)示させ、自分ではないと言う
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SEKIKO いいねっと!ニュース レビュー
SEKIKO good-net NEWS REVIEW 第89号
2005.9.8
「無能力者」の保護
未成年者の出来ることと出来ないこと
a クイズ
社会でなぜ未成年者は保護されるのですか。
① 未成年者に自由な契約を許すと子供じみた契約が増えて世の中が混乱するから
② 学校にいる未成年者は学校に保護されるが、そうでない未成年者は誰も保護してくれないから
③ まだ未熟で自分の行為の結果を理解できる能力に欠け、自由競争の犠牲となるから
a 答
③デス。自分の行為の結果を理解する能力(「意思能力」)がない者を民法上は「無能力者」と言います。「無能力 者」と言われて腹を立ててはいけません。自分の行為の結果を完全に理解できる人に比べて、そうではないというくら いに理解してください。
a 「無能力者」が単独でやった法律行為 ・・・ 本人保護
①「無効」(はじめからなかった)と主張できる
たとえば、この土地買いますという売買契約をしても、初めからなかったものとすることが出来る。
②「取り消す」ことが出来る
結果を理解する能力がないのにした行為は「無効」だから、「取り消す」ことができます。
「無能力者」がした申込みや承諾の意思表示がすべて「取り消される」のですから、「無効」と同じ 効果が得られます。
例えば、売買契約に合意した後で、やっぱりやめると言える。
そして、民法はこの「無能力者」の中に「未成年者」を含めています。
a クイズ
未成年者の中には、法律行為を一人で行なう能力がある者も含まれていると思うのですが、なぜ「未成年者」を一 律「無能力者」としたのですか。
a 答
「未成年者」を一律に法律上の「無能力者」としておけば、相手方に無能力であることが分かりやすくなり、大損す ることを避けられる。と同時に、「未成年者」は保護者の保護を受けられるからです。
ついでながら、未成年者の行なった意思表示は、自分に不利益にならないものはすべて有効です。それ以外の行 為は、保護者(法定代理人)の同意がないのですべて取り消せます。
「 未成年者が法律行為をなすにはその法定代理人の同意を得ることを要す。ただし、単に権利を得又は 儀務を 免れるべき行為はこの限りにあらず。(民法第4条第1項)
2 前項の規定に反する行為は取り消すことを得。 (民法第4条第2項) 」
a クイズ
関工生の関門橋之介君は未成年ですが、インターネットの買い物サイトで「成人です」をクリックして、成年になりす ましてパソコンの購入契約をしました。ところが、後でもっと安いサイトが見つかったので、「実は僕は未成年ですから 売買契約を取り消します」と申し出ました。これってありですか?
a 答
取り消せない。年齢を偽ってやった行為は取り消せません。民法の未成年者の保護の趣旨に反しています。
<参考> 我妻栄 「民法1 総則・物権法」 一粒社 内田隆 「民法1 総則・物権法」 東京大学出版会
なにーっ! 未成年は「無能力者」 ・・・ これは「民法」上のはなし
未成年者の契約(意思表示)は保護者の同意が必要 ・・・ 同意を得ない契約は取り消せる
「無能力者」か確かめないと大損 ・・・無能力者なら「法定代理人」(保護者)の同意があるか確かめる
「未成年者」は保護される ・・・ ネット上の契約も民法で保護される。 ただし、ウソはダメ!
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SEKIKO いいねっと!ニュース レビュー
SEKIKO good-net NEWS REVIEW 第90号
2005.9.8
私的使用目的 ・・・ 私的録音・録画の補償金制度 CD−Rはなぜ「音楽用」と「データ用」があるのか?
a クイズ
関工生の関門橋之介君はいつも行く大型電器店で、外観は同じなのに値段が違うCD−Rディスクがあることに気 づきました。一方は「データ用」、もう一方は「音楽用」と書かれています。よく見ると「音楽用」の方が値段が少し高く なっています。なぜでしょう。
① 「データ用」の方が売れ行きが悪いのでいつも安売りにかかるから
② 「音楽用」を買った人は電器店からレコード会社に連絡することになっていてその手数料が入っているから
③ 「音楽用」には私的使用目的の録音・録画に対する著作権者への補償金が上乗せされているから
a 答
③です。CD-Rディスク自体は両者とも違いはありません。私的録音の補償金は100円につき3円です。
他人の著作物は原則として、複製できません。例外として、自分で楽しむ(私的使用)目的であれば、許諾なしに複 製できるとされています。これは、複製が手書きのころに出来た法律で、私的使用目的の複製が著作者の利益を不 当に侵害しなかったころの話です。
現在の複製は技術進歩のおかげで、手書きどころか原本と全く同一のものを瞬時に複製できます。
a クイズ
同じ録音媒体のカセットテープは用途別に分かれていないのはなぜですか。
a 答
カセットテープはアナログデータを録画するので、録画するごとに音質や画質が落ちます。カセットテープの時代で は、見る人はやっぱり音質のいい市販のレコードを買ってくれるだろうと言うことで、私的録音・録画による著作者の 利益は不当に侵害されないとみなされていました。
a デジタル機器の登場 ・・・ 原本と同じ物が複製可能 → 利益を不当に侵害
そこでデジタル方式の録音・録画は、私的使用の場合でもその都度複製料を払うべきとなりました。しかし現実に は不可能なので、CD-Rを買うときに「音楽用」にだけ一律に私的録音・録画の補償金の名目で価格に上乗せするこ とになりました。(平成4年著作権法改正)
「私的録音・録画の補償金制度」と言いますが、あまり知られていません。この制度には多少の問題点もあります。
それは、「音楽用」CD−Rは補償金を支払う必要のない音源を録音するかもしれないけれど、補償金を払わされ ているということです。これを取り返す方法は用意されていますが、手間と費用を考えるとあまりお勧めできません。
「データ用」CD−Rの価格には補償金は含まれていません。ちなみに集められた補償金は著作者に分配されます。
どんな配分率か興味のあるところです。
私的録音・録画の補償金制度では、CD−R等の記録媒体だけでなく、CD−Rレコーダーのようなデジタル機器に ついても価格に私的録音・録画の補償金が上乗せされています。補償の対象の代表的なものは次のものです。
・ CD−RレコーダーとそのCD−Rディスク
・ MDレコーダーとそのMDディスク
・ DVD−RAMレコーダーとそのDVD−RAMディスク
<参考> 加戸守行 「著作権法逐条交誼」 (社)著作権情報センター