15-12-1. 動作値/復帰値試験 試験回路を第16-3-1図に示します。
動作・復帰値試験は以下により実施します。
(1)動作値
試験内容(試験条件)
1)電流動作値
● 方法
定格制御電源及び定格入力電圧を印加した状態で、入力電流を0Aから徐々に上げていき、出力接点が閉じたと きの電流を測定します。
● 条件
形式 動作値整定 最大感度角
動作値試験 VDG31D-01A 0.1、0.28、0.8A
(最小、中間、最大) 0°
VDG31D-02A 0.5、1.0、2.8A
(最小、中間、最大)
・上記整定値毎に電流動作値を測定します。
・電圧・電流の位相は感度角整定に固定。(I0進み)
● 管理値
整定値の±5%以内 2)電圧動作値
● 方法
定格制御電源を印加した状態で、入力電流を動作値整定×1000%通電し、電圧を徐々に上げていき、出力接点 が閉じたときの電圧を測定します。
● 条件
形式 動作値整定 最大感度角
動作値試験 VDG31D-01AVDG31D-02A 0.0.1A(最小)5A(最小) 0°、10°、20°、30°
・上記整定値毎に電流動作値を測定します。
・電圧・電流の位相は感度角整定に固定。(I0進み)
● 管理値
10V±5%以内
(2)復帰値(復帰電流値)
試験内容(試験条件)
● 方法
定格制御電源及び定格入力電圧を印加した状態で、動作電流値より徐々に下げていき、出力接点が開いたとき の電流を測定します。
電圧・電流の位相は感度角整定に固定。(I0進み)
● 条件
形式 動作値整定 最大感度角
復帰値試験 VDG31D-01AVDG31D-02A 0.0.5A(最小)1A(最小) 0°
・上記整定値毎に電流動作値を測定します。
・電圧・電流の位相は感度角整定に固定。(I0進み)
● 管理値
動作値×0.95以上
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15-12-2. 時間特性試験
試験回路を第16-3-2図に示します。
時間特性試験は、以下により実施します。
(1)動作時間
試験内容(試験条件)
● 方法
定格制御電源及び定格入力電圧を印加した状態で、入力電流を0Aから動作値整定×300%になる電流を通電さ せ、入力電流通電から出力接点が閉じるまでの時間を測定します。
● 条件
形式 動作値整定 最大感度角
動作時間試験 VDG31D-01AVDG31D-02A 0.0.1A(最小)5A(最小) 0°
・上記最小整定値で動作時間を測定します。
・電圧・電流の位相は感度角整定に固定。(I0進み)
● 管理値 45ms以下
(2)復帰時間
試験内容(試験条件)
● 方法
定格制御電源及び定格入力電圧を印加した状態で、動作値整定×300%入力の動作状態より入力を零にした 時、出力接点が開くまでの時間を測定します。
● 条件
形式 動作値整定 最大感度角
復帰時間試験 VDG31D-01AVDG31D-02A 0.0.1A(最小)5A(最小) 0°
・上記最小整定値で復帰時間を測定します。
・電圧・電流の位相は感度角整定に固定。(I0進み)
● 管理値 45ms以下 15-12-3. 位相特性試験
試験回路を第16-3-1図に示します。
位相特性試験は、以下により実施します。
(1)動作位相角 試験内容(試験条件)
● 方法
定格制御電源及び入力電圧110V、30V各々印加し、入力電流を動作値整定×1000%通電し、電流の位相角 を緩やかに変化させ、出力接点が閉じたときの位相を測定します。
● 条件
形式 動作値整定 最大感度角
動作値試験 VDG31P-01AVDG31P-02A 0.0.1、0.5、1.28、0.0、2.8A(最小、中間、最大)8A(最小、中間、最大) 0°、10°、20°、30°
・上記整定値毎に位相角を測定します。
・電圧・電流の位相は感度角整定に固定。(I0進み)
● 管理値
形式 動作値整定
0° 84.3°、275.7°
基準位相の±5°以内 10° 94.3°、285.7°
20° 104.3°、295.7°
30° 114.3°、305.7°
15-13. 地絡方向継電器(VDG41D、VDG71D)
15-13-1. 動作値/復帰値試験 試験回路を第16-3-1図に示します。
動作・復帰値試験は以下により実施します。
(1)電流動作値 試験内容(試験条件)
● 方法
下記条件にて、定格制御電源及び定格入力電圧を印加した状態で、入力電流を0Aから徐々に上げていき、各零 相電流整定値における電流動作値を測定します。
・入力電流・電圧の位相は最大感度とします。
● 条件<VDG41D>
動作値試験
零相電流整定値 各整定値
零相電圧整定値 最小整定値(10V)
時間整定 即時
入力条件 I lead 60° for V
・上記条件にて電流動作値を測定します。
● 条件<VDG71D>
動作値試験
零相電流整定値 各整定値*1 零相電圧整定値 最小整定値(10V)
時間整定 即時
感度角整定 0°、15°
入力条件 感度角整定に合わせる。(最大感度位相角)
・上記条件にて電流動作値を測定します。
*1 :感度角整定15°設定時は、零相電流整定値:最小整定のみ測定します。
● 管理値
整定値の±5%以内
(2)電圧特性
試験内容(試験条件)
● 方法
下記条件にて、定格制御電源を印加した状態で、入力電圧30V、110V、190V印加時の電流動作値を測定し ます。
● 条件<VDG41D>
動作値試験
零相電流整定値 最小整定値(1mA)
零相電圧整定値 最小整定値(10V)
時間整定 即時
入力条件 I lead 60° for V
・上記条件にて電流動作値を測定します。
● 条件<VDG71D>
動作値試験
零相電流整定値 最小整定値(10mA)
零相電圧整定値 最小整定値(10V)
時間整定 即時
感度角整定 0°
入力条件 感度角整定に合わせる。(最大感度位相角)
・上記条件にて電流動作値を測定します。
● 管理値
入力電圧30Vでの動作値が110V、190V入力時の実測値±5%以内であること。
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(3)電圧動作値 試験内容(試験条件)
● 方法
下記条件にて、定格制御電源を印加した状態で、零相電流整定値×1000%の入力電流を通電させた時の各零 相電圧整定値における電圧動作値を測定します。
● 条件<VDG41D>
動作値試験
零相電流整定値 最小および最大整定値(1mA、6mA)
零相電圧整定値 各整定値
時間整定 即時
入力条件 I lead 60° for V
・上記条件にて電圧動作値を測定します。
● 条件<VDG71D>
動作値試験
零相電流整定値 最小および最大整定値(10mA、100mA)
零相電圧整定値 各整定値
時間整定 即時
感度角整定 0°
入力条件 感度角整定に合わせる。(最大感度位相角)
・上記条件にて電圧動作値を測定します。
● 管理値
整定値の±5%以内
(4)復帰値
試験内容(試験条件)
● 方法
下記条件にて、定格制御電源及び入力電圧30V、110V、190Vを印加した状態で、電流復帰値を測定します。
・入力電流・電圧の位相は最大感度とします。
● 条件<VDG41D>
動作値試験
零相電流整定値 最小整定値(1mA)
零相電圧整定値 最小整定値(10V)
時間整定 即時
入力条件 I lead 60° for V
・上記条件にて電流復帰値を測定します。
● 条件<VDG71D>
動作値試験
零相電流整定値 最小整定値(10mA)
零相電圧整定値 最小整定値(10V)
時間整定 即時
感度角整定 0°
入力条件 感度角整定に合わせる。(最大感度位相角)
・上記条件にて電流復帰値を測定します。
● 管理値
動作値×0.9以上
15-13-2. 時間特性試験
試験回路を第16-3-2図に示します。
時間特性試験は、以下により実施します。
(1)動作時間
試験内容(試験条件)
● 方法
下記条件にて、定格制御電源を印加した状態で、入力電圧・入力電流を同時に急変させ動作時間を測定します。
・入力電圧:0→110V及び190V、入力電流:0→零相電流整定値×300%
● 条件<VDG41D>
動作値試験
零相電流整定値 最小整定値(1mA)
零相電圧整定値 最小整定値(10V)
時間整定 最小・中間・最大整定(即時・1.5s・5s)
入力条件 I lead 60° for V
・上記整定値毎に動作時間を測定します。
● 条件<VDG71D>
動作値試験
零相電流整定値 最小整定値(10mA)
零相電圧整定値 最小整定値(10V)
時間整定 最小・中間・最大整定(即時・1.5s・5s)
感度角整定 0°
入力条件 感度角整定に合わせる。(最大感度位相角)
・上記整定値毎に動作時間を測定します。
● 管理値
動作時間整定値の±5%以下(但し、即時整定は100ms以下で管理)
上記%の値が50msより小さい場合には許容誤差を±50msとします。
(2)復帰時間
試験内容(試験条件)
● 方法
下記条件にて、定格制御電源を印加した状態で、入力電圧・入力電流を同時に急変させ復帰時間を測定します。
・入力電圧:110V及び190V→0V、入力電流:零相電流整定値×300%→0A
● 条件<VDG41D>
動作値試験
零相電流整定値 最小整定値(1mA)
零相電圧整定値 最小整定値(10V)
時間整定 最小整定値(即時)
入力条件 I lead 60° for V
・上記整定値毎に復帰時間を測定します。
● 条件<VDG71D>
動作値試験
零相電流整定値 最小整定値(10mA)
零相電圧整定値 最小整定値(10V)
時間整定 最小整定値(即時)
感度角整定 0°
入力条件 感度角整定に合わせる。(最大感度位相角)
・上記整定値毎に復帰時間を測定します。
● 管理値
200ms~250ms
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15-13-3. 位相特性試験
試験回路を第16-3-1図に示します。
位相特性試験は、以下により実施します。
(1)動作/復帰位相角 試験内容(試験条件)
● 方法
下記条件にて、定格制御電源を印加した状態で、電圧に対する電流の位相を緩やかに変化させ動作及び復帰位 相角を測定します。
● 条件<VDG41D>
入力電圧は30V、110V、190V各々を印加。
入力電流は零相電流整定×1000%通電にて測定。
動作値試験 零相電流整定値 最小整定値(1mA)
零相電圧整定値 最小整定値(10V)
時間整定 即時
・上記整定にて動作及び復帰位相角を測定します。
● 条件<VDG71D>
動作値試験
零相電流整定値 最小整定値(10mA)
零相電圧整定値 最小整定値(10V)
時間整定 即時
感度角整定 各整定値
・上記整定値にて動作及び復帰位相角を測定します。
● 管理値
<VDG41D管理値>
基準位相角 管理値
144.3°、335.7° 動作位相角:基準位相角の±5°以内 復帰位相角:動作位相角に対し±3°以内
<VDG71D管理値>
最大感度角 基準位相角 管理値
0° 84.3°、275.7° 動作位相角: 基準位相角の
±5°以内 復帰位相角: 動作位相角に対し
±3°以内 5° 89.3°、280.7°
10° 94.3°、285.7°
15° 99.3°、290.7°