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90

80

70

60

70

60

50

鱒 40

% 30

20

10

o

61.6

n=627 n 6 n 744

A B C

図31.暗所卵保存水の丁丁抑制作用確認実験 結果(A=イオン交換水、B:抑制作用を示す 暗所卵保存水、C:Bの煮沸冷却水を使用した       乾燥卵の鰐化結果)

@76 一

5>周年培養

 ホウネンエビを研究材料として用いたり教材として利用するため には周年培養が必要である。ここでは主に教材として小中学校の現 場で可能な簡易培養法の開発結果について述べることにする。

 ①採卵と卵の保存

 野外において採取した成体を水槽にいれ飼育すると、雌は日齢 10肩葡後から抱卵するのでこれを新しいピー・カーに移して産卵さ せ採卵する。そのまま産卵させると卵は水槽の底に沈殿し糞などと 混ざってしまう。採取した卵は冷蔵庫内(6℃〜8℃〉で容器全体

をアルミ箔で包み光を遮断して保存する水中保存と、室温で乾燥し た後保存する乾燥保存の二つの方法で保存した。水中保存卵は鮮化 させるときはそのまま用いることが出来るが、光感性があるので一 度光に当てると残りの保存血も艀化してしまうことがある。これを 出来るだけ防ぐために、卵を採取した培養液中で保存する。これは 培養液が艀化抑制物質を含むことを前提とした方法であるからこの 中古培養液の郷制効果を確認してから使用する。このようにすれば 室温でも暗所での保存は数カ月であれば可能である。乾燥卵は光感 性がないのでこの点扱い安いが、吸水時に水になじませる工夫が必 要である。水中保存卵は2年以上たっても鰐化するが、乾燥卵は1 年前後でほとんど辮化しなくなる。この欠点をある程度補うために は、乾燥卵の容器を冷凍庫に入れて保存すると、1年後にも比較的 高率で鰐化する(図32、表22)。

一一@77  v一

②餌の検索とその培養

 現在餌として最も良好な藻類はA盈f訂rodesηiひs braUfiiiである。

この藻類の培養は大型水槽に0、◎1%のハイポネクス培地をいれ、

これにこの藻類を接種し、直射日光が当たる場所に置いて行った。

接種後約・・一週間で水の色が緑色となる。培養の適温は20℃〜25℃

で、冬期にはヒーターを入れ保温する。

③卵からの辮化と培養

 購i化には温度と光が必要であるので、水を入れたビーカーに卵を 加え、これを蛍光灯による連続照明下で水温を25℃に保ち艀化さ

せる。

 この難化してきた幼生を室内で培養する場合は餌である藻類をあ らかじめ水槽で培養しておき、これに艀化させた幼生を入れ水温を 25℃〜3Q℃に保って二員培養法で行う。冬季の培養は室内で白熱 電球の連続照明下で水温調節のため電球のワット数を調節して行う。

夏期に屋外で行う場合は、成体は30℃以上の高温では産卵が揮制 され死亡率も高くなるので、光の強さを寒冷紗をつかって調節し、

水温が30℃を越えないようにする。餌を食べ尽くしたら劉に藻を 培養して準備しておいた水槽にホウネンエビを移すと周年培養が可 能である。

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表22.乾燥卵の冷蔵庫保存と室温保存の違い

乾燥卵を12月 室温保存 冷凍庫保存 合計

〜3月まで冷 全卵殻数 1105 643 1748

凍庫保存した 中身があった

@ 卵数 736 544 1280

ものと室温保 艀化数 438 424 862

存したものの

k化率を比較 未七化数 298 120 418

鱒化率 59.5 77.9 67.3

中身があった 曹フ全卵殻数 ノ対する割合

66.6 84.6 73.2

丁丁率x検定結果

xl呂483 x争(0.001) =10.827

x〜>x子

i0.001) p<0.001

一一@79 一

圏艀化三 囲目卵数/全卵殻数

90 80

70

駅 60

8 轟5。

:  40

墨3・

20 10

o

   室温保存         冷凍庫保存

図32.乾燥卵の冷蔵庫保存と室温保

  存の違い(乾燥後10ヵ月)

       IV考 察 1)二化条件

 雌雄を半自然状態、変温(室温)・連続照明下、 変温・暗黒下、

変温・暗黒下、 恒温・明暗周期下、 恒温・連続照明下、 恒温 暗黒下など色々な条件下で産卵させた卵は水分と温度を除きそれぞ

れ異なった艀化条件を持っている。

 水分と温度の条件を除けば艀化を左右している因子は光であり、

光照射によって艀化は促進され、暗黒下では抑制される。このよう に環境因子は光であり、艀化に対して直接的に作用しているのは抑 制物質である。この物質は光によって合成が抑制されるか、光分解 が起こるのか、あるいは合成と分解の両方に働いているのかのいず れかである。連続光条件下で飼育し、産卵された卵は乾燥させなく てもすぐに艀化することからすると光はこの物質の合成を抑制して いるように思える。一方、卵を水中暗条件で保存すると艀化が見ら れず、水中光条件下で保存すると騨化することから光によって分解

されるか可水溶性になると考えてもよく、光は抑制物質の合成抑制 とこの物質の分 解にも働いていると結論出来る。

 植物の種子発芽においても休眠性の種子と光感受性の種了・が知ら れている(藤伊 1975)。植物の場合は休眠として働いている抑 制物質としてアブサイシン高等が知られ、光受容色素としてフィト

クU一ムの関与が知られている。即ち赤色光で発芽が促進され、近 心外光で発芽が抑制されていることが明らかとなっている。さらに 植物の場合は光照射によって光の当たった側に成長の抑制物質の合

成がおこり光屈性の原因となることが明らかにされている

(Hasegawa 1992)o

一 81 一

 アジアカブトエビ(Tri OPS gra na ri US)においてはホウネンエビ

と同様に水温の日較差が応化を抑制するという報告

(Takahasi.1977)と、艀化における光の促進効果は知られている

(Takahasi.1975)。高橋氏は光照射時間については20ワット蛍 光灯で40cmの高さから2時間照明/日を行い5日間で45%の艀 化率を得ている。今回ホウネンエビの場合は同じ2時間照明で16ワ

ットの蛍光灯光を30cmの高さから照射して50%の鰐化率を得て いる。しかし(Takahasi.,1975)には艀化条件や休眠性について は十分検討されていない。また二化に影響する光の波長や強さにつ いて更に贈i化抑制物質については全くふれられていない。

 この抑制物質は長期間水中で放置したり光を長期間照射すると、

水洗すれば除かれるようになり、卵を暗黒中に保存することによっ て浸出することから水溶性であることが分かる。また熱に安定であ り、熱処理することによって抑制が強まることから、卵からは別に 熱に不安定な艀化促進物質の可能性も考えられる。更に水洗いして

も艀化しない卵(難溶性の物質)でも一度乾燥することによって抑 制が解除されることから、乾燥することによっても変質しその効果 が失われるか、難溶性の物質が可溶性になることが考えられる。

2)野外での成体と溶化

 梅雨期に水田で産卵された卵はその後も十分な水と光と温度など 環境条件がそろっているように思われるが鮮化は野外では全く見ら れない。産卵された卵の存在する場所は模式図の水面近くのA〜G であるが、大半は土表面下1 cm以内Cに埋没しているものと考えら れる(図33、表23>。他の土表面の卵は最終的には小さな水たま

@82 一

 りBか浅い土中Cの位置に落ちつくが、土中のCは光が遮断され 二化は抑制される。Bの卵が水中にある10月は水温がすでに15℃

以下であり、刈り取りが行われ,た10月後半からは水の量が少ない ため温度は急速に上昇する日があるが、その高低差が15℃から20

℃もあり、二化可能な温度範囲に有る時間も6時間から10時間以 下である。温度範囲は違うが温室での鰐化実験では同様な水温の高 低差が見られ、この時全く艀化することがなかった。カブトエビに おいて高橋氏も温度変化が示す抑制効果を肯定する結果を得ている。

つまり水温の高低差と低温のため、光の照射を受ける水たまりのB の卵も土中の卵と同様に来春までは艀化が抑制されることになる。

 半自然状態で採卵したものは秋に未乾燥で艀化することがある。

自然状態と半自然状態の主な違いは土の存在が考えられる。半自然 状態の卵は採卵の都合上土が入れてないので、日中光にさらされる

ことになる。一部の太陽光の良く当たる部分に付着している卵は、

光で抑制物質が徐々に分解し、4〜5カ月間で抑制物質の量が閾値 以下となり抑制が解除され、艀化するように成ると考えれば解釈で きる。水田では産卵すると雌は土中2〜3mmの所に産卵するので 光が当たらず搾制が解除されない。また抑制物質は土に吸着してい ることも考えられるので真水中で水洗するようには雨水や加水によ っても洗い流されず長期間残存しており、数カ月後に閾値に達する 卵が出現する時期には、気温が15℃以下となってしまうため艀化 できなくなってしまう。したがって卵は強制休眠卵として越冬し、

田植期の水温の上昇、および代かきによる表層の撹乱によって光、

水分、温度の3条件がそろい…斉に艀化するものと思われる(図

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一一@83 

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