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.高速増殖炉サイクルの実証・実用化への円滑な移行のための取組

第3章 .高速増殖炉サイクルの早期実用化

第6節 .高速増殖炉サイクルの実証・実用化への円滑な移行のための取組

「高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究」は、2005 年度末にフェーズⅡが終了した。

今後は、より実用化に近い段階にステップアップしていくこととなるが、研究開発側の調査研 究から実証プロセスへの円滑な移行にあたっての課題については、関係者間での検討や 認識共有が十分には進められていない状況である。

これまでの新型転換炉(ATR)等の開発に当たっては、研究開発側から実用化への円滑 な移行が行われなかった経験に鑑みれば、FBR サイクルについては、円滑な移行に十分 な配慮が必要である。

2015 年頃の実用化戦略調査研究終了後、円滑に実証炉等による実証プロセスに移行す るためには、その相当前から、実用化戦略調査研究と並行して、関係者間で実証プロセス

に向けた検討を進め、その結果を実用化戦略調査研究にも反映していくことが不可欠であ る。

なお、この検討にあたっては、

① 世界の技術開発動向を無視して我が国の技術のみに着目して検討しても、世界のマ ーケットから孤立して、かえって実用化が遠のくこと。

② 他方、世界のマーケットの選択する技術が海外で開発されるのを待ってから検討を始 めたのでは、我が国で開発した技術が水の泡になるとともに、その後の我が国原子力 産業の国際展開等に支障が生じる可能性があること、特に米国・フランス等が急速に FBR サイクルの開発に積極的に乗り出しており、世界の技術の標準が早期に選択され る可能性があることから、こうした議論に我が国が参加していくためには、我が国がこの 動きに乗り遅れることは致命的な問題になりかねないこと。

の両面に、十分に留意することが必要である。

このため関係者(経済産業省、文部科学省、電気事業者、メーカー、日本原子力研究開 発機構)において、例えば以下のような項目を検討し、認識を共有するとともに、その結果を 実用化戦略調査研究に反映し、その評価を行うことが必要である。

<研究会での検討項目例>

¾ 開発スケジュールと実証ステップのあり方

¾ 実証プロセスへの移行に必要な条件

¾ 実証プロセスへの移行に必要な技術的成果

(実用化戦略調査研究に対する、ユーザー側からのリクワイヤメント)

¾ 世界の技術、マーケット動向との関係

¾ サイクル分野(燃料、再処理)における、軽水炉サイクルから高速増殖炉サイクルへ の移行シナリオとリクワイヤメント

(注) なお、実施主体や資金負担等の官民役割分担については、「第4節.移行シナリオにおけ る官民役割分担のあり方」の考え方を踏襲するものとする。

この検討を効果的なものとするために、実用化戦略調査研究の終了を待たずに、早期に

関係者による協議を開始することが必要であり、その内容を詰めるための場として、学識経 験者を加えた研究会を設置すべきである。

また、FBR サイクル技術の実証・実用化のためには、将来のビジョンだけでは絵に描いた 餅にすぎず、足元の予算をしっかりと確保していくことが不可欠である。国は、FBR サイクル 技術の実証・実用化に向けた予算確保について、今後特段の取組が求められる。

第4章.技術・産業・人材の厚みの確保・発展

第1節.大量の代替炉建設までの間の技術・産業・人材の厚みの維持・強化の必要性

原子力発電に関する技術は、国際的にどの国を起源とする技術かが厳格に追求される 点で極めて特異である。このため、自国技術や自国の産業を持たないことで、さまざまな制 約を受けることも少なくない。我が国では、今後とも原子力を基幹電源として位置づけており、

我が国のエネルギー安全保障の観点からは、資源の確保のみならず、我が国独自の原子 力発電技術や産業の維持・発展を図っていくことが重要である。原子力発電技術や産業の 維持・発展は、基本的には実際のプラント建設・運転及びこれに向けた開発プロジェクトの 実施を通じてのみ実現できるものである。

今後 20~30 年にわたり、国内における原子力発電所の新規建設は低迷する見込みであ る(図 3.4.1、図 3.4.2)。また、メーカーの売上高も急激に落ち込んでおり、原子力関係の研 究費や技術者数も減少してきている(図 3.4.3、図 3.4.4)。その一方で、2030 年前後からは、

現在稼働中の原子力発電所の大規模な代替建設需要が発生する見込みであり、それまで の間、原子力分野の技術・産業・人材の厚みを維持・発展できるかどうかという深刻な課題 に現在直面している。

実際、米国においては、1970 年代以降、原子力発電所の新規建設が 20 年以上途切れ ていたために、技術やノウハウ等の維持・継承が難しくなり、技術・産業・人材面での厚みが 大幅に縮小してしまった。

図 3.4.1 建設中の国内商業用原子炉基数の推移

【出典:資源エネルギー庁調べ】

図 3.4.2 中長期的な方向性(商業用炉)

【出典:資源エネルギー庁調べ】

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000

1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100

設備容 量 [万k W ]

既設の軽水炉

(40年間運転 の場合)

新設の 軽水炉

高速増殖炉 既設の軽水炉

の長期運転

1970 1990 2010 2030 2050 2070 2090

年度

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2025 2030 2035

【年度】

設中の国内原子力発電所数(基

本格的な 代替炉建設

新規建設 低迷期

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2025 2030 2035

【年度】

設中の国内原子力発電所数(基

本格的な 代替炉建設

新規建設 低迷期

図 3.4.3 メーカーの研究開発費の推移

【出典:原子力産業会議 2003年度原子力産業実態調査報告より】

図 3.4.4 原子炉の設計・製造等に携わる技術者の推移

【出典:原子力産業会議 2003年度原子力産業実態調査報告より】

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 45000

1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003

研究開発 費 [百万 円]

年度

燃料サイクル 関係

原子炉機材関係 0

5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 45000

1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003

研究開発 費 [百万 円]

年度

燃料サイクル 関係

原子炉機材関係

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000

1999 2000 2001 2002 2003 2004 原子炉機器製造部門

設計部門

研究者数

技術者数

従事者数 [人]

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000

1999 2000 2001 2002 2003 2004 原子炉機器製造部門

設計部門

研究者数

技術者数

従事者数 [人]