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第7章 .原子力と国民・地域社会との共生

第2節 .立地振興策について

(5)行政体制の強化

立地地域との対応を担う行政部門の体制の強化が重要であり、経験の蓄積ときめの細か い取組ができる体制を実現するとともに、人事、予算の面でも適切な整備を図ることが重要 である。これまで資源エネルギー庁電力・ガス事業部の 3 課(原子力政策課、核燃料サイク ル産業課、電力基盤整備課)で行ってきた立地地域への対応を集約し、一元的に経験を蓄 積しつつ、きめ細かい取組を実施していくため、本年 4 月より、核燃料サイクル産業課を「原 子力立地・核燃料サイクル産業課」に拡大改組した。

こうした体制の下で、一層積極的な取組を進めるとともに、今後も必要に応じ、体制の整 備や予算の確保を検討していくことが必要である。また、取組を進めるに当たっては、地方 経済産業局等の幅広い活動との連携も必要である。

(6)官民役割分担に応じた関係事業者との連携

地域の理解を得るために、民間事業者は全戸個別訪問を行う等広範な活動を実施して いる。国は、政策上の必要性や安全性の説明といった国の役割に関する地域での理解促 進活動を行うに当たっては、こうした民間事業者の活動と十分に連携して効果的なものとす ることが重要である。

立地地域との共生を一層進めていくためには、この電源三法交付金制度等の活用により、

高経年化炉と立地地域の共生、核燃料サイクルの推進に向けた取組が効率的・効果的に 進められるよう措置を講ずることが適当である。また、原子力発電所の円滑な運転を確保す るための制度上の見直しを講ずることが必要である。こうした観点から、2006 年度より以下の 施策を講じたところである。

1.高経年化炉と立地地域との共生のための交付金制度

原子炉の高経年化といった原子力発電を巡る状況の変化を踏まえ、高経年化炉と立地 地域との共生の実現を促進し、立地地域の自主的・自立的な発展の実現に資する支援を強 化する必要がある。このため、2006 年度より原子力発電施設立地地域共生交付金を新設す るとともに、これまでの長期発展対策交付金相当部分の高経年化加算額の増額を行った。

(1)原子力発電施設立地地域共生交付金

高経年化炉と立地地域との共生を実現し、原子力発電所の長期的な運転の円滑化を図 るため、高経年化炉の所在する道県に対して、原子力発電施設立地地域共生交付金を交 付する。

○交付対象自治体:

運転開始後 30 年を経過している高経年化炉の所在する発電所が立地する道県

○交付金額:

総額 25 億円

○交付対象事業:

地域の持続的な産業の発展に資する事業として、各道県が作成し、地域全般における コンセンサスが得られている中長期的な地域振興計画に規定されたもの。

(2)長期発展対策交付金の高経年化加算額の増額

○交付対象自治体:

運転開始後 30 年を経過している高経年化炉の所在する発電所が立地する市町村

○交付金額:

運転開始後 30 年を経過している高経年化炉に係る現行の加算額を 2 倍に拡充

○交付対象事業:

公共用施設の整備や地域活性化事業等

2.核燃料サイクル推進のための交付金制度

核燃料サイクル施設の立地やプルサーマルの実施を促進し、核燃料サイクル政策を推 進するため、核燃料サイクル施設の立地やプルサーマルの実施がなされた都道府県又は これらが見込まれる都道府県に対して核燃料サイクル交付金を交付する。

○交付対象自治体:

・2006 年度までにプルサーマルの実施受け入れに同意した道県

・2010 年度までに中間貯蔵施設や MOX 燃料加工施設といった核燃料サイクル施設の 設置に同意した都道府県

○交付金額(限度額):

「初期段階」 (事前了解又は同意~運転開始) 総額 10 億円

「運転段階」 (運転開始後 5 年間) 総額 50 億円

○交付対象事業:

地域の持続的な産業の発展に資する事業として、各道県が作成し、地域全般における コンセンサスが得られている中長期的な地域振興計画に規定されたもの。

3.原子力発電所の円滑な運転を確保するための措置の検討

電力移出県等交付金相当部分、長期発展対策交付金相当部分のうち、発電電力量を基 礎として算定される部分については、現行の制度では、原子力発電所の運転が停止されて いる場合でも、これが安全性確保のために行われているときには、立地地域を不利に扱う べきではないとの考え方から、運転が行われていたものとみなして交付金額を算定すること としている。(みなし交付金制度)

このみなし交付金制度については、一部の委員から現状を支持する意見があったが、こ の制度の目的、納税者である電力消費者の立場に鑑み、国が安全を確認した以後は適用 すべきではないとの意見が大多数を占めたことから、2006 年度以降のトラブルによる停止等 について、原子力安全・保安院が起動前検査等によって安全を確認した後、地元との調整 を行うための一定期間を経過しても引き続き運転が再開できない場合は、みなし交付金制 度の対象としないこととすることが適当である。