CLOSED−LOOP MU: CONTROLLER #2
7.6 高精度の 計算による設計
また, Kmu と同様の仕様で D-K iteration の 解析を行った得られるコントローラ
K
mu0mixの設計も行った. これらのコントローラを用いたときのループ伝達関数 GK に
より, システムが制御される周波数である交差周波数は以下のようになる. なお, この周 波数が大きいほど応答性が速くなるともいえる.
表7.5.2: cross frequency
controller frequency [rad/s]
K
add
140
K
mu1
319
K
mu
243
K
mu0mix
265
図7.16から, 低周波での Kmu のゲインが最も大きいため外乱を加えたときの応答性が 最も良いことが予想される. さらに, 104[rad/s] 以上の高周波において Kmu1 はゲ インが 大きいため,振動的な浮上特性となることが予想される. 実際, Kmu1 はロバスト制御性能 の条件を満たしていない.
また, 低次元化に関して図7.19を参照されたい. この図は Kmu に関して 6 次(破線),
10 次(点線)に低次元化したときのボード 線図を表している. これらの場合では Kmu と の等価性がかなり損なわれてしまうことがわかる. しかし, 不確かさを含めたモデルの次 元は6 次であり,コントローラも 6 次であるのが妥当である. これはD-K iteration の D スケーリング行列により, 設計問題自体が近似的に置き換えられることによる影響ではな いかと考えられる.
10 2 10 3 10 4
10 5 10 6 10 7 10 8
Log Magunitude
Frequency [rad/s]
10 2 10 3
−120
−100
−80
−60
−40
−20 0
Phase [degrees]
Frequency [rad/s]
図 7.17: Frequency response of Kmu
10 −1 10 0 10 1 10 2 10 3
10 −2 10 −1 10 0 10 1 10 2 10 3 10 4
Frequency [rad/s]
Magunitude
図 7.18: Looptransfer function
10 −4 10 −2 10 0 10 2 10 4 10 6 10 4
10 5 10 6 10 7 10 8
Log Magunitude
Frequency [rad/s]
6−dim 10−dim
10 −4 10 −2 10 0 10 2 10 4 10 6
50 100 150 200 250 300 350
Phase [degrees]
Frequency [rad/s]
図 7.19: Controllerreduction
表7.6.1: Design parameters
Symb ol Value Unit
k
x
796 N/m
k
i
12:5 N/A
k
M
0:201 kg
電磁石部に対する重み wi(s)は次式のように見積もる.
w
i
(s)=1:13210 08
2
(s+0:321)(s+900)
(s+31:4)(s+28:9)
(7:13)
さらに, 低周波での外乱抑制のための周波数重みを次式のように見積もる.
W
per f
=W
per f0l W
per f0r
=1:00210 03
2
1:34210 4
s+0:0999
(7:14)
以上により1回目 6次,2回目22次と最終的に24次のコントローラKmuを設計し,平 衡化実現により 11次に低次元化を施した.
K
mu
=02:35210 12
2
(s+6:61210 3
)(s+986)
(s+1:27210 5
)(s+6:40210 3
)
2
(s+3336j430)(s+1:026j0:109)
(s+8416j571)(s+3416j447)(s+2:566j1:02)
2
(s+70:1)(s+36:2)(s+5:18)(s+8:63)
(s+1:71210 3
)(s+0:0999)(s+0:648)
(7.15)
このときのコントローラの周波数応答は図7.20 のようになる. ここで,点線(11)はKmu を, 実線({) が高精度に計算したコントローラ Kmu-1.2mm を表している. 破線 (- -)は ギャップ変動を 61.6mm に想定して高精度に計算したコントローラ Kmu-1.6mm を表し ている.
このKmu-1.6mmに対する浮上実験は,残念ながら浮上すらさせることができなかった.
また,Kmu-1.2mmの場合においては浮上させることは可能であったが, Kmu の場合と比 べて定常時での振動が大きく, よい性能を得られなかった. つまり, かなり高精度の計算 では十分な性能が得られないと考えられる. よって, 本稿での設計では計算における有 効範囲はオプション 'c' までとして考えるものとする.
7.7 D,G-K iteration
D-Kiterationは実数の摂動を含まない 1ブロックに対する設計法であった. そのため,
の上界を計算し,スケーリング行列 Dのフィッティングを行うことで制御問題を解いて
10 −4 10 −2 10 0 10 2 10 4 10 6 10 4
10 6 10 8 10 10
Log Magunitude
Frequency [rad/s]
Kmu
Kmu−1.6mm
Kmu−1.2mm
10 −4 10 −2 10 0 10 2 10 4 10 6
0 100 200 300 400
Phase [degrees]
Frequency [rad/s]
図 7.20: Bo de plots of Kmu
いた. ゆえに, 解析において mixed 解析が行えたとしてもフィッティングはcomplex
に対応するものである.
そこで, 実数の摂動を含むような 1ブロックに対する
1 = fdiag [
x
;
i
;
M
;1
i
;1
per f ]:
x
;
i
;
M
2R;1
i
;1
per f 2Cg
設計法としてD,G-K iteration と呼ばれるものがある[14]. これは の上界が
1
(M) inf
D 2D;G2G min
f :M 3
D M +j(GM0M 3
G)0 2
D0g (7:16)
与えられ, さらに式(7.16)の に対する条件式は以下のような D1 2 D;G1 2G が存在 するときに成り立つ.
"
D
! (F
l
(P(j!);K(j!)))D 01
!
1
0jG
!
!
(I+G 2
! )
0 1
2
#
1 (7:17)
これにより,D-Kiteration と同様にスケーリング行列 D;G を見つけ, Pa を次のように書 き表すことで
P
a
= 2
6
4 D
min (s)
I 3
7
5 P(s)
2
6
4 D
min (s)
01
G
M (s)
I 3
7
5 0
1 2
6
4 G
N (s)
0 3
7
5
(7:18)
ここで周波数に依存するスケーリング行列 D! を実数有理な安定な最小位相の伝達関数
^
D(s) に制限すると問題はつぎのようになり,
min
stabilizing K kF
l (P
a
;K)k
1
(7:19)
H
1最適制御問題となる.
しかしながら, D,G-K iteration は アプ リケーション上に未だ実装されておらず, この 方法を用いたM.S.S. の設計は行っていない.