第 5 章 NEAT を用いたエージェントによる 実験実験
5.2 高低差がある地形における実験
高低差がある地形の環境として用いる環境を図
5.5
,図5.6
に示す.フィールドは5.1
で 用いたフィールドに高低差を付けたものを用いる.5.1
と同じく初期状態として1000
個の 餌と400
体のエージェントがフィールドにランダムに配置される.エージェントが前進す る場合,坂の角度の緩急はエージェントが進む距離には影響は無い.この環境において実験を行い,環境に存在するエネルギー量のうちエージェントが保持 するエネルギーの総量を求め,評価を行った.
5.2.1
結果実験の結果を図
5.7
,5.8
に示す.図5.7
はエージェントが群として保持するエネルギー の総量の時系列の変化を表している.初期状態から約6000
ステップ目までエージェント の群として保持するエネルギーの総量が約200
から90
ほどまで大幅に減少していること が分かる.また,その後3
回ほど約80
まで大幅に減少しつつも増加を続け,約130
まで 上昇し安定していることが分かる.また,図5.8
はエージェント群の適応度の時系列の変 化を表している.エージェント群として徐々に適応度が上昇していることが分かる.しか し,エージェントが群として保持する資源の総量,適応度ともに5.1
での実験の結果と比 較し低い値となっている.5.2.2
考察図
5.7
から,初期にエージェントの保持するエネルギーの総量が約90
程度まで大幅に下 がっている.これは5.1
での実験の初期と比較し,30
ほど低い値となっている.また,5.1
図
5.5:
高低差がある地形として用いる環境(真上からの視点)図
5.7: 5.2
での実験におけるエージェント群が保持するエネルギーの総量の時系列な変化図
5.8: 5.2
での実験におけるエージェント群の適応度の時系列な変化での実験と比較し,エージェントの保持するエネルギーの総量の増加の速度が遅くなって いる.また,図
5.8
より,適応度においても5.1
での実験の結果と比較して低い値となっ ている.これらは,5.1
での実験と比較して適応することが困難な環境になっているため だと考えられる.今回用いた環境は5.1
で用いた環境に高低差をつけた環境となるため,自分自身よりも高い位置,もしくは低い位置にある餌も餌として認識する必要がある.ま た,認識するだけでなく,認識した位置に向かう行動を選択しなくてはいけない.また,
隆起した地形が視界を塞ぎ,近くに餌があっても認識出来なくなる場合がある.そのため,
エージェントが認識しにくい窪んだ地形などに資源が集中し,その地形以外の場所の空間 に対する資源の密度が低くなることが考えられる.以上より,今回用いる環境は
5.1
で用 いた環境に比べ,適応しにくい地形であると考えられるため,5.1
における実験と比較し てエージェント群として保持する資源の総量,適応度ともに低い値となっていると考えら れる.しかし,このような困難な環境であっても時間の経過とともにエージェントの保持 するエネルギーの総量が増加していることが分かる.よって,高低差がある環境において,エージェントは自身の減少し続けるエネルギーレベルに対して,視覚情報から餌を取得す ることで恒常性を維持し,交配することで群として成長可能なことを示せた.
ドキュメント内
自然選択による恒常性を持つ人工生命の創発
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