第 5 章 NEAT を用いたエージェントによる 実験実験
5.3 草木・岩が存在する地形における実験
での実験と比較し,エージェントの保持するエネルギーの総量の増加の速度が遅くなって いる.また,図
5.8
より,適応度においても5.1
での実験の結果と比較して低い値となっ ている.これらは,5.1
での実験と比較して適応することが困難な環境になっているため だと考えられる.今回用いた環境は5.1
で用いた環境に高低差をつけた環境となるため,自分自身よりも高い位置,もしくは低い位置にある餌も餌として認識する必要がある.ま た,認識するだけでなく,認識した位置に向かう行動を選択しなくてはいけない.また,
隆起した地形が視界を塞ぎ,近くに餌があっても認識出来なくなる場合がある.そのため,
エージェントが認識しにくい窪んだ地形などに資源が集中し,その地形以外の場所の空間 に対する資源の密度が低くなることが考えられる.以上より,今回用いる環境は
5.1
で用 いた環境に比べ,適応しにくい地形であると考えられるため,5.1
における実験と比較し てエージェント群として保持する資源の総量,適応度ともに低い値となっていると考えら れる.しかし,このような困難な環境であっても時間の経過とともにエージェントの保持 するエネルギーの総量が増加していることが分かる.よって,高低差がある環境において,エージェントは自身の減少し続けるエネルギーレベルに対して,視覚情報から餌を取得す ることで恒常性を維持し,交配することで群として成長可能なことを示せた.
図
5.9:
草木・岩が存在する地形として用いる環境(真上からの視点)図
5.10:
草木・岩が存在する地形として用いる環境(斜め上からの視点)図
5.11:
各エージェントの視界[1]1
のエージェントの視点[2]2
のエージェントの視点[3]3
のエージェントの視点[4]4
のエージェントの視点図
5.13: 5.3
での実験におけるエージェント群が保持するエネルギーの総量の時系列な変化図
5.14: 5.3
での実験におけるエージェント群の適応度の時系列な変化とが分かる.これは,
5.2
の環境と比較してさらに適応することが困難な環境になってい るためだと考えられる.今回用いた環境は5.2
で用いた環境に草木や岩などが追加された 環境となるため,5.2
で用いた環境に比べて視界を遮る物体が多くなっている.そのため,エージェントはより資源を認識することが困難になる.また,木と岩には衝突判定がある ためエージェントの障害物となっており,エージェントは木と岩を避けつつ資源を得る行 動を獲得しなければいけない.以上より,今回用いる環境は
5.2
で用いた環境に比べ,適 応しにくい地形であると考えられる.よって,草木・岩が存在する環境において,NEAT
を用いたエージェントは環境における資源の総量を本実験で用いた量に設定した場合,環 境に適応出来ないことを示した.第 6 章 Deep NeuroEvolution を用いた
ドキュメント内
自然選択による恒常性を持つ人工生命の創発
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