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ドキュメント内 1.4 中性粒子生成 (ページ 46-52)

3.2.2 A㎜ の蓄積結果

 金微粒子凝集物レーザーアブレーションにて生成した金クラスター負イオンを,

サイズごと(n=2,7)にリングに蓄積し,中性粒子観測を行った.n:2蓄積の結果 を3.2.2.1節に示し,n:7の蓄積結果を3.2.2.2節に記す.

3.2.2.1 A吋の蓄積結果

 質量選別後のAu2一から生成する中性粒子を時間の関数として測定した.このと きに得られる中性粒子収量を2局ごとに積分し,25msまでの蓄積時間に対して 片対数プロットした図をFig.3−16に示す.この図から中性粒子収量の速い短寿命 成分と,長寿命成分があることが分かる.赤線は,短寿命成分を2っ(長寿命を含 めると3つ)の指数関数を足し合わせた近似曲線で,それぞれの寿命はτ1=O.21ms,

τ2=1.22msであった.一方で,すでに報告されている他の金属ダイマー負イオン

(Ag,,Cuゴ)の短寿命成分はブ1関数で良く近似できる[24].これらの負イオンはCs スパッタイオン源で生成されており,イオン源の違いによって短寿命成分に差異 が現れる可能性が考えられるが,詳細については分かっていない.今後,追加実 験を行う必要がある.

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 104

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3.2.2.2 A㎜7一の蓄積結果

 Au。一のみを質量選別し,リングを用いて蓄積した.中性粒子収量を時間に対し てプロットした図をFig.3−17に示す.(i)に全ての信号の片対数プロット,(i)

に短寿命成分のみの両対数プロットを示した.Au2 同様に,短寿命成分と長寿命 成分を確認した.Au,とは対象的に,蓄積時間1msまでの領域では一関数で近似 することができた.このことは,イオン生成時点で幅広い内部エネルギー分布を 持ったAu。一が生成していることを示しているが,イオン源でのイオン生成量が非 常に少なく∫/Mが悪いために,蓄積時間1mS以降の領域は再度検討する必要が

ある.

 (i)105

 104

8103

9   一

   も白   ⑨

2102

一⊆

 101

ω

Φ

Φ

(i)

1/f

051015.2025

     Storage time(ms)

0.1       1       10     StOragetime(mS)

Fig.3−17Auデ蓄積の時間スペクトル.(i)片対数プロット(i)短寿命成分のみの両 対数プロット.

4 結論

 本研究では,静電型イオン蓄積リングを用い,レーザー脱着イオン源で生成し たメチレンブルー正イオン(MB+)及び,金クラスター負イオン(Au )を対象に,MB+

では蓄積及びレーザー合流実験を行い,Au は蓄積実験を行った.MB+では,結 果として時間スペクトル,励起スペクトル,中性粒子収量の励起光強度依存性を 得た.中性粒子収量の時間スペクトルでは,イオン源で生成する高温成分がもた らす短寿命成分が,2つの指数関数の足し合わせで近似できた.このことは,イ オン生成後3.2ms経過した時点で生き残っている高温MB+集団の内部エネルギー 分布が一様ではなく,何らかの構造を持っていることが示唆された.一方で,光 吸収後の中性粒子収量の減衰は,どちらのイオン化法でも,ブ1関数で良く近似で きた.このことは,レーザー照射によって観測できる領域の内部エネルギー分布 が一様であることを示している.イオン源で生成する全イオン量に対して高温成 分の分率を求めたところ,MALDIに比べてLDIで生成したMB+の方が5倍程度 多いことが分かった.このことから,LDIで生成したMB+の方が平均の内部エネ ルギーが高いといえる.励起光強度依存性の測定から,蓄積時間17msにおいて MALDIとLDIで生成するMB+の相対的な内部エネルギー差を求めた.この時点 でLDIに比べてMALDIで生成したMB+の方がO.8eV程度低い内部エネルギーを 持つことが分かった.励起スペクトルではMADLIとLDIに有意な差は見られな かったが,水中の吸収スペクトルと比較すると,水中では極大吸収波長が40mn ほどレッドシフトしていることが分かった.

 Au 実験では,冷却ガスなしで効率よくクラスターを生成させるために,いく つかの試料を対象に比較検討を行った.金固体,クエン酸保護金コロイド溶液,

ポリマー保護金コロイド溶液,金微粒子凝集物を対象としたとき,クエン酸保護 金コロイド溶液中に析出した金微粒子凝集物が最も効率よく金クラスター負イオ ンを成長させた.この結果から,リング実験には,金微粒子凝集物を用いた.質 量選別されたn=2,7を静電リングヘの蓄積し,中性粒子観測を行った.実験より 得られた中性粒子の時間スペクトルから,どちらも中性粒子収量に短寿命成分が 観測された.Au,では短寿命成分は指数関数の足し合わせで近似,Cu,やAg2一とは 異なる傾向であった.一方で,Au7一は蓄積時間1ms程度までの中性粒子収量の減 衰がブ1関数で近似できた.ことから,この短寿命成分は,イオン生成時に幅広い 内部エネルギー分布を持ち,従って幅広い速度定数分布を持つ遅延解離による信 号であると考えられる.しかしながら,両者の短寿命成分の違いについての詳細 は分かっていない.今後,8/Mを改善した追加実験が行われることを期待する.

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