の燃料費は、 飛行機の半分の3千円程度となり ます。
オイルは、 飛行機の場合、 大体4〜5飛行時 間で1L消費しますから、 1飛行時間では300 円程度となります。 モーターグライダーでは、
1飛行時間あたり100円程度です。
④ オーバーホール費用
飛行機、 エンジン、 プロペラともに、 長時間 の飛行によるオーバーホールが必要となります。
飛行機の場合は、 大体1,000飛行時間、 3,000飛 行時間等です。 年間200飛行時間では5年毎の 実施となります。 その費用は、 機体の型式、 程 度、 屋外駐機、 格納庫駐機、 日頃の保守等によっ て大きく変動します。 構造の健全性の確認が大 きな目的ですので、 腐食点検、 修理及び防錆処 理等、 手間のかかる作業が多く、 どうしても作 業工数と費用が大きくなります。 また、 場合に よっては、 別途、 機体の塗装剥離、 再塗装等の 費用が必要になることもあります。 特に、 FRP 製のモーターグライダーは、 機体表面のゲルコー トの劣化があるため、 何年かに一度は、 古いゲ ルコートを磨き取って、 再コートする作業が必 要になります。 そのような変動要素の多い費用 ですが、 再塗装無しとしても、 1飛行時間あた り、 少なくとも千円から千五百円程度は見てお いたほうが良いでしょう。
エンジンは、 2000飛行時間程度ごとにオーバー ホールが必要となります。 これも使用や環境に
よるところがありますが、 1飛行時間あたり千 円程度は見ておいたほうが良いでしょう。 プロ ペラは、 固定ピッチ、 可変ピッチによって大き く変化しますが、 安価な固定ピッチでは1飛行 時間あたり2百円程度、 可変ピッチでは、 その 倍の4百円程度の規模になります。 金額は大き いのですが、 実施の間隔が千時間以上ですから、
1時間あたり3千円とすれば、 千飛行時間で3 百万円になります。 長い間飛ぶことを考えるな ら、 時間あたりの費用として備蓄しておく考え もあるでしょう。
または、 後のことはその時になってから考え ることとして、 現在の運航費を低減させる考え もあるでしょう。 実際、 機体やエンジンのオー バーホールのような大きな区切りで機体を手放 し、 また別な機体を探すと言ったことも良く行 われているようです。
以上のように、 小型機の運航費用には、 様々 な変動要素があるのですが、 160馬力4人乗り クラスの小型飛行機、 及び、 100馬力2人乗り のモーターグライダーを例として、 その運航コ ストを添付の表で試算してみました。
興味のある方は、 添付の表の内容をパソコン の Excel 等で作成し、 それぞれの飛行環境に応 じたコスト要素や、 希望する機体、 メンバー数 等々を記入し、 表計算でコストがわかるように しておきますと、 費用のレベルが把握できるこ とと思います。
そのような訳で、 小型機のコストは、 自動車 の10倍規模となってしまうのですが、 物は考え ようです。 単に飛ぶにしても、 どこかへ行くに しても、 自分独りで、 と言うことは少ないでしょ う。 何人かの、 気の合った、 信頼できる仲間と 共同で機体を所有し、 共に楽しむといった取組 みであれば、 十分に手の届く世界であろうかと 思います。
おわりに
独特の味わいのHK-36Rモーターグライダー
軽飛行機 固定脚 4人乗り160馬力クラス 年間必要経費の試算
機体性能の例 巡航速度:110kt 航続距離:550nm 必要滑走路長:500m 上昇率:700fpm 実用上昇限度:13000Ft
費 目 1年間の
必要経費 内 容 等
固 定 発 生 費 用
耐空検査費 600千円 年次点検、 100時間点検等耐空検査受験作業
無線検査費 200千円 VHF, ATC トランスポンダー
駐機費用 1,080千円 毎月9万円 (屋外) の場合
SB, TCD, サーキュラー等の点検 100千円 TCD 等の予期せぬ点検費用
飛行規程、 マニュアル等書類維持 30千円 改訂原本の購入及び飛行規程訂版費用等 部品故障、 その他予定外発生費用 80千円 その都度、 内容により変動
保険 800千円 対人、 対物、 乗員、 搭乗者、 機体等
飛行時間に関係ない固定費用 (年額) 2,890千円
飛 行 に 伴 う 発 生 費 用
50時間点検 0.8千円/H 8万円/50H (100時間点検と交互に実施) 100時間点検 1.5千円/H 15万円 (@100H)
部品、 消耗費等 1千円/H タイヤ、 プレーキパッド等の消耗部品代
燃料費 (航空ガソリン) 8千円/H 時間当り35L@¥240/Lとして
燃料税 1千円/H 1Lあたり26円
滑油費 0.3千円/H 4飛行時間で約1L消費
機体1000時間点検等 1.2千円/H 1回120万円 エンジンオーバーホール 0.9千円/H 1回170万円 プロペラオーバーホール 0.2千円/H 1回40万円
飛行時間あたりの費用 14.9千円/H
飛行機 固定脚 4人乗り160馬力クラス 費用分担プランの例
メンバー数及び年間飛行時間 費用 (千円) 費用分担プランの例
年間総額 時間当り 固定月額会費 飛行時間あたり料金
5人で年間計100時間飛行 4,380 43.8 5万円 1万5千円
7人で年間計150時間飛行 5,125 34.2 4万円 1万2千円
10人で年間計200時間飛行 5,870 29.4 3万円 1万2千円
注1. 表の値は試算です。 費用は機体の仕様、 程度、 運航、 整備、 保管環境等により大きく変化します。
注2. 表の値には、 機体の購入、 更新、 登録費用等は含んでいません。
注3. 費用分担プランの飛行時間当り料金は、 機長 (飛行時間を自分の経歴時間とする者) が、 着陸料、 空港使用料等も含 めて負担するのが一般的です。 着陸料は1回数百円から最大4千円程度です。
4人の同乗で均等割りの場合は、 1人、 1時間あたり4千円程度の負担となります。
注4. 使用事業等の整備士に作業を依頼する場合は、 時間当たり6千円程度の費用が必要となります。
注5. 部品等は全て輸入になります。 自分で個人輸入することも可能ですが、 購入仕様、 品質証明等を法に従って正しく扱 うことが必要です。
モーターグライダー 100馬力クラス 2人乗り 費用分担プランの例
メンバー数及び年間飛行時間 費用 (千円) 費用分担プランの例
年間総額 時間当り 固定月額会費 飛行時間あたり料金
5人で年間計100時間飛行 2,180 21.8 2万7千円 6千円
7人で年間計150時間飛行 2,465 16.4 2万円 5千4百円
10人で年間計200時間飛行 2,750 13.8 1万5千円 4千8百円 注1. 表の値は試算です。 費用は機体の仕様、 程度、 運航、 整備、 保管環境等により大きく変化します。
注2. 表の値には、 機体の購入、 更新、 登録費用等は含んでいません。
注3. 費用分担プランの飛行時間当り料金は、 機長 (飛行時間を自分の経歴時間とする者) が負担するのが一般的です。 着 陸料は滑空場での運用ではごく安くて済みますが、 飛行場を利用する場合は、 飛行機と同様に、 1回数百円から最大 4千円程度です。
注4. 定時点検等は、 有資格整備士の確認が必要です。 耐空検査は、 民間の耐空検査員に依頼します。
注5. 部品等の品質証明等は、 飛行機と同様に必要です。
注6. 燃料は、 自動車用のハイオクガソリンです。 代用として航空ガソリンを使用することも可能です。
モーターグライダー 100馬力クラス 2人乗り 年間必要経費の試算
機体性能の例 巡航速度:105kt 航続距離:500nm 必要滑走路長:300m 上昇率:900fpm 実用上昇限度:16000Ft
費 目 1年間の
必要経費 内 容 等
固 定 発 生 費 用
耐空検査費 150千円 年次点検、 100時間点検等耐空検査受験作業
無線検査費 200千円 VHF, ATC トランスポンダー
駐機費用 360千円 毎月3万円の場合
SB, TCD, サーキュラー等の点検 30千円 TCD 等の予期せぬ点検費用
飛行規程、 マニュアル等書類維持 20千円 改訂原本の購入及び飛行規程訂版費用等 部品故障、 その他予定外発生費用 50千円 その都度、 内容により変動
保険 800千円 対人、 対物、 乗員、 搭乗者、 機体等
飛行時間に関係ない固定費用 (年額) 1,610千円
飛 行 に 伴 う 発 生 費 用
50時間点検 0.2千円/H 8万円/50H (100時間点検と交互に実施) 100時間点検 0.3千円/H 15万円 (@100H)
部品、 消耗費等 0.2千円/H タイヤ、 プレーキパッド等の消耗部品代
燃料費 2.9千円/H 時間当り18L@¥160/Lとして
燃料税 1千円/H 燃料費に含む
滑油費 0.1千円/H 約1L/6飛行時間
機体3000時間点検等 0.1千円/H 1回30万円 エンジンオーバーホール 0.7千円/H 1回140万円 プロペラオーバーホール 0.2千円/H 1回50万円
飛行時間あたりの費用 5.7千円/H
World Safety Report 編集委員 佐藤 裕
燃料の搭載量をミスして飛行中に使い果たし てしまい、 エンジンが停止し不時着してしまい ました、 と言ったリポートは結構多く ASRS に寄せられて続けています。
ごく稀にですが、 注意深く飛行前の点検を行 い、 長時間ランナップをしたにもかかわらず、
燃料の中に異物が入り込んでいたため離陸後、
エンジンが停止してしまい、 びっくりさせられ ましたと言うリポートも寄せられてきます。
この小型航空機のパイロットが送ってくれた リポートを読むと、 飛行する前に翼を良くゆすっ ても、 燃料の中には抜き取れない水の残ってし まう可能性があり、 このようなトラブルを防ぐ ことは難しいのかな、 と思ってしまいます:
ASRS 編集部
・この高翼機には長距離飛行用の燃料タンクが 装備してあります。
2ヶ月近く飛行していなかったし、 野外に係 留しておいたので、 かなり注意深く隅々まで 飛行前の点検を行いました。
飛行機のロックンロール。
主翼の両燃料タンクには3/4ほど燃料が入っ ていましたが、 念のためサンプから2度も燃 料を抜き取ったんです。ガスコレーターからは完全に燃料を抜き取り、
水は入っていないか、 異物は混入していない か確認しました。
地上で40分間ほどエンジン回転数を1,200〜
1,700RPM で運転しました、 そして運転状態 にも異常はありません。
離陸直後ディパーチャー・コントロールから、
トランスポンダーが作動していないと言う送 信を受けた私は、 空港に戻りたいんですが、
と送信を……。
アプローチ中、 右横風が強かったので、 かな り機体を大きくスリップさせました。
ハンガーに向かおうとタクシーしている最中、
エンジンは停止してしまい、 再始動もままな りません。
仕方なく、 機体をハンガーの近くまで手で押 して行きました。
燃料タンク、 燃料パイプ、 ガスコレーター、 そ してキャブレターの燃料ボウルを点検すると全 ての部分に水が入っているじゃありませんか!
1月号に続き、 今回もコールバック・アーカ イブス、 1998年3月号を翻訳してみました。
1998年とは、 長野で冬季オリンピックが開催 され、 小型航空機の事故が多く発生した年でし
た。
今回も各話題ごとに訳文と原文を併記します。
時間があるようでしたら、 訳文と英文を読み 比べてください。