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領域別フィルタによる分解能評価

前章で領域分割フィルタを用いた分割の結果について記述した.

本章では,領域別フィルタを用いた高分解能C-SWE法の分解能の評価を行ったので報告す る.

6-1 シミュレーションによる分解能評価

領域別フィルタを用いた高分解能C-SWE法での分解能を評価するためにシミュレーシ ョンを行った.

汎用の超音波映像装置をモデルとして,1ピクセルの大きさを0.13[mm],ROIを縦185 ピクセル,横170ピクセルとした.ROI内には速度の異なる上下2層の物体を仮定し,2層 間の速度遷移領域の幅から分解能を求める.分解能は,伝播速度の異なる二層の物体を測定 したと仮定して,z 方向の速度変化をとったときに,推定した速度の誤差が 10%に収まる 範囲を分解能として定義した.

推定した速度の誤差が 10%以内に収まる幅を分解能 R として定義した.分解能の定義を Fig.6-1-1に示す.

Fig.6-1-1 分解能の定義

仮定した物体(Fig.6-1-2)は,上の層の伝播速度を2.0[m/s],下の層の伝播速度を3.0[m/s]

とした.

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Fig.6-1-2 仮定した物体

この物体に対して,従来法シミュレーションにて出力した速度図と伝播図をFig.6-1-3に 示す.

Fig.6-1-3 従来法での速度図と伝播図

また,仮定した物体の中心のラインで取得した速度変化を表すグラフをFig.6-1-4に示 す.

Fig.6-1-4 従来法での速度変化

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Fig.6-1-4より,従来法での分解能Rは3.68[mm]と算出された.

次に,提案手法である領域別フィルタを用いた高分解能C-SWEによるシミュレーション 結果を示す.速度図と伝播図をFig.6-1-5に,同じラインでの速度変化をFig.6-1-6に示 す.

Fig.6-1-5 提案手法での速度図と伝播図

Fig.6-1-6 提案手法での速度変化

Fig.6-1-6より,提案手法での分解能Rは2.11[mm]と算出された.

このことから,シミュレーションにおいて

従来法の分解能:3.68[mm],提案手法の分解能:2.11[mm]となり,提案手法では分解能 を従来法の約1.7倍程度に向上できることが確認できた.

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6-2 二層ファントム測定による分解能評価

次に,弾性の異なる二層ファントムを作成し,それを用いて実際に分解能を評価した.

ファントムは,上の層の伝播速度が約3.0[m/s],下の層の伝播速度が約3.4[m/s]のファント ムを作成した.

この二層ファントムについて,従来法で解析を行った時の分解能と提案手法で解析を行っ た時の分解能を算出し比較を行った.解析には 5 測定分のデータを使用し,その平均値と 標準偏差を算出した.例として1例紹介する.

測定した,二層ファントムのBモードをFig.6-2-1に示す.

Fig.6-2-1 二層ファントムBモード

従来法で二層ファントムを測定したときのせん断波伝播図,速度図をFig.6-2-2に示す.

Fig.6-2-2 二層ファントム従来法結果

また,提案手法で解析したときのせん断波伝播図,速度図をFig.6-2-3に示す.

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二層ファントムでは,Bモード上で二層の境界が筋膜のように明瞭に現れていないため,領 域分割には位相図を用いた.

Fig.6-2-3 二層ファントム提案手法結果

次に,Fig.6-2-2,Fig.6-2-3で示した速度図の黄点線ライン上(中央のライン)での速度変 化をFig.6-2-4,Fig.6-2-5に示す.

Fig.6-2-4 従来法での速度変化

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Fig.6-2-5 提案手法での速度変化

Fig.6-2-4,Fig.6-2-5より分解能をそれぞれ算出すると,

従来法3.81[mm] ,高分解能C-SWE2.50[mm]となった.

5測定分の平均値と標準編差を算出すると,

従来法:4.21±0.47[mm]

高分解能C-SWE:2.74±0.19[mm]

となり,高分解能C-SWEでは分解能を従来法の約1.5倍程度に向上できることが確認でき た.

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6-3 分解能評価まとめ

本章では,シミュレーションによる分解能評価と,二層ファントムを用いた分解能評価を 行った.

二つの方法で,算出した分解能をFig.6-3-1に示す.二層ファントムを測定して算出した 実測値は5測定の平均値を表示している.

Fig.6-3-1 シミュレーションと実測値による分解能

Fig.6-3-1より,シミュレーション,実測値それぞれにおいて提案手法では分解能が向上し

ていることが確認できる.

今回のシミュレーションではノイズを加えていないため,分解能は実測値の方が低く現れ ていると考えられる.

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