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Fig.7-1-2 測定プロトコル
Fig.7-1-3 実験の様子
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7-2 高分解能化によるせん断波伝播
次に,測定で得られたせん断波伝播図について考察した.
従来法で得られた伝播図と提案手法で得られた伝播図で比較を行った.
まず,負荷によるせん断波伝播の変化について,負荷前と負荷10回ごとに測定した伝播 図の内,従来法で解析したものをFig.7-2-1,提案手法で解析したものをFig.7-2-2に示 す.
Fig.7-2-1 負荷中被験者A従来法でのせん断波伝播図
Fig.7-2-2 負荷中被験者A提案手法でのせん断波伝播図
Fig.7-2-1,Fig.7-2-2より
従来法では確認できなかった筋膜による位相ズレが,提案手法では確認できることがわか る.
負荷前では筋膜部分での位相ズレが起きてないことが確認でき,10回,20回負荷を行っ た後の伝播図では,従来法では位相ズレが確認できないが,提案手法では筋膜の部分で位 相ズレが起き始めていることが確認できる.このことより,運動により筋膜に変化が起き ていることが高分解能化することにより確認できる.
続いて,30回,40回,50回負荷を行ったときは,従来法では,若干の位相ズレが確認で き,提案手法では,位相ズレがより大きくなっていることが確認できる.
また,提案手法では,50回負荷を行ったときに筋膜を介した深浅の筋肉での速度の差を明
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このような負荷による筋繊維での位相ズレは,被験者13名中7名で確認できた.次に,被 験者別の変化の違いについて確認した.
被検者Bでの負荷前と負荷10回ごとに測定した伝播図をFig.7-2-3に示す.
Fig.7-2-3 負荷中被験者B提案手法でのせん断波伝播図
Fig.7-2-2,Fig.7-2-3より,どちらの被験者も,筋膜による位相ズレが確認できていること
がわかる.被検者Aと比べ被検者Bは,運動初期の段階から,筋膜による位相ズレが生じ ており,筋膜を介した深浅の筋肉の伝播速度の差が発生していることがわかる.また,被験 者Bは被験者Aよりも筋膜での位相ズレが大きいことが確認できる.
このように,負荷による変化は被験者毎にことなり,せん断波伝播図を使用することで筋膜 の癒着等を評価することが出来る可能性が示唆された.
次に,休憩によるせん断波伝播の変化について考察した.
まず,被験者Aにおける従来法での伝播図と提案手法での伝播図をFig.7-2-1-4,Fig.7-2-5 に示す.
Fig.7-2-1-4 休憩中被験者A従来法でのせん断波伝播図
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Fig.7-2-5 休憩中被験者A提案手法でのせん断波伝播図
Fig.7-2-1-4,Fig.7-2-5より,提案手法において,休憩後も筋膜による位相ズレが起きてい
ることが確認できる.また,提案手法において負荷50回の時の筋膜を介した深浅の筋肉で の伝播速度の違いが,休憩しているときも引き続き現れていることがわかる.
このことから,1時間の休憩では負荷による筋肉への変化は回復できていないことが推察で きる.
同様に,被験者Bの休憩中の伝播図をFig.7-2-6に示す.
Fig.7-2-6 休憩中被験者B提案手法でのせん断波伝播図
Fig.7-2-6より,
被検者Aと同様に,被験者Bも筋膜休憩中において筋膜での位相ズレが確認できる.
被検者A,B 共通の変化として,休憩中には筋膜を介した筋肉での伝播速度の違いが明瞭
に確認できる.
このように領域別フィルタリングによる高分解能化によって,負荷 休憩による筋繊維の 微細な変化が確認できるようになった.
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7-3 実験結果
本実験で得られた僧帽筋の測定データの例をFig.7-3-1に示す.
Fig.7-3-1 僧帽筋での測定例
また,7-1節で示した実験プロトコルに従って,僧帽筋運動負荷時の経時的変化をまと めたものをFig.7-3-2に示す.
Fig.7-3-2 僧帽筋運動負荷時の経時的変化
Fig.7-3-2から,運動負荷を加えることによって,せん断波の伝播速度が変化しているこ
とを確認した.
次に,得られた結果について考察を行う.
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7-3-1 運動負荷による伝播速度変化量
ここでは,トレーニングによるせん断波の伝播速度変化量,すなわち筋弾性変化のしやす さについて考察を行う.
トレーニングする前の伝播速度𝑉𝑐と、トレーニング中の伝播速度変化の最大値𝑉𝑚𝑎𝑥,伝播 速度変化の最小値𝑉𝑚𝑖𝑛、そしてその差で表される∆Vに着目した。定義をFig.7-3-1-1に示す.
Fig.7-3-1-1 ∆Vの定義
すべての被験者について,𝑉𝑐と∆Vの関係を図示したものをFig.7-3-1-2に示す.
図示するにあたり,横軸に運動前の伝播速度𝑉𝑐をとり,縦軸に変化量∆Vをとった.
つまり,Fig7-3-1-2の右側は運動前の僧帽筋の硬さが硬く,左側は柔らかい.
上側は負荷によって筋弾性変化しやすく,下側は変化しにくい.
と考えられる.
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Fig.7-3-1-2 𝑉𝑐と∆Vの関係
Fig.7-3-1-2より,運動前の伝播速度𝑉𝑐が大きい被験者ほど運動による変化量∆Vが大きい
ことがみて取れる.相関をしらべたところ,相関係数r = 0.63と正の相関がみられた.
つまり,負荷前の僧帽筋が硬い被験者ほど,運動による筋弾性変化が大きい,運動によ って筋肉の硬さが変化しやすいと考えられる.
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7-3-2 Control 伝播速度への依存性
次に,Control時の伝播速度𝑉𝑐への依存性,すなわち,伝播速度変化と𝑉𝑐の関係性について 考察した.
まず,トレーニングする前の伝播速度𝑉𝑐と、トレーニング中の伝播速度𝑉𝑡𝑟1,休息後の伝播 速度𝑉𝑟60に着目した.
∆𝑉𝑡𝑟1,∆𝑉𝑟60として,Fig7-3-2-1で表させるように
∆𝑉𝑡𝑟1= 𝑉𝑡𝑟1− 𝑉𝑐,∆𝑉𝑟60= 𝑉𝑟60− 𝑉𝑐 と定義する.
Fig.7-3-2-1 ∆𝑉𝑡𝑟1,∆𝑉𝑟60の定義
次に,この∆𝑉𝑡𝑟1,∆𝑉𝑟60を縦軸にとり,運動前の伝播速度𝑉𝑐を横軸にとり図示したものを Fig.7-3-2-2に示す.
Fig.7-3-2-2 ∆Vと𝑉𝑐の関係
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Fig.7-3-2-2から見て取れるように,𝑉𝑐が大きい被験者ほど∆Vが負の方向に変化しているこ
とがみて取れる.相関を調べたところ,相関係数r = −0.70 , −0.78と負の相関がみられ た.
同様に,各測定データとの間で相関を取った場合,Fig.7-3-2-3のようになった.
Fig.7-3-2-3 ∆Vと𝑉𝑐の相関関係
Fig.7-3-2-3より,全体を通して負の相関があることが確認できる.
このことから,負荷前の僧帽筋が硬い被験者ほどトレーニングによって,柔らかくなること が推察でき,負荷によるせん断波の伝播速度変化は、負荷前の伝播速度𝑉𝑐と強い相関がある ことが確認できる.
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