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第 6 章 反転磁界による DMI の測定法 30

6.3 面直、面内反転磁界の考察

-1 -0.5 0 0.5 1

0 1 2 3 4 5 6

40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240

<mz> <HDMI >

t(ns)

<mz>

<HDMI>

(a) HEXT = 1100 Oe

-1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 1 2 3 4 5 6

0 100 200 300 400 500 600

<mz> <HDMI >

t(ns)

<mz>

<HDMI>

(b) HEXT = 1300 Oe

図 6.7: D= 1.0 erg/cm2での平均磁化とDMI磁界の時間変化

-200 -100 0 100 200 300 400 500

0 1 2 3 4 5 6

HDMI (Oe)

t(ns)

<HxDMI>

<HyDMI>

<HzDMI>

図 6.8: D= 1.0 erg/cm2でのDMI磁界の各成分での時間変化

図6.7に、円盤直径60 nm、外部磁界1100,1300 Oeでの磁化のDMI磁界の時間変化を示す。

図中の赤線は平均磁化の磁間変化(左軸に対応)、緑線はDMI磁界の時間変化(右軸に対応)を 表す。外部磁界で反転しない場合(HEXT = 1100 Oe(図6.7(a)))に現れるDMI磁界は約220 Oe であった。一方、外部磁界で反転する場合(HEXT = 1300 Oe(図6.7(b)))に現れるDMI磁界は、

磁化反転前は約220 Oeであるが、磁化反転中にDMI磁界が約550 Oeと大きくなり、磁化反転

後は約150 Oeとなった。図6.3.2に、DMI磁界の各成分の時間変化を示す。図より、基本的に

はDMI磁界はz成分のみに働き、x, y成分については磁化反転中に作用することがわかった。

面直反転磁界がDMIにより変化しない理由として、DMI磁界の面直成分が外部磁界の大きさ によらずに一定であることが考えられる。

6.3.3 外部磁界による面内磁化の変化

ここでは面内反転磁界のDMI定数依存性について考察する。面内反転磁界の場合、初期磁化 を面直上向きの飽和状態としているため、初期磁界状態ではx方向の磁化成分は0となる。+x 軸方向に外部磁界を加えることにより、面内方向に磁化が飽和される。ここで、外部磁界の大 きさにより磁化が変化する様子を表すグラフである初磁化曲線を利用する。円盤直径が40,60 nmでの初磁化曲線を図6.9に示す。図中のmx = 0.95は反転基準hmxi>0.95を表す。

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2

0 500 1000 1500 2000 2500 3000

<mx>

Hx(Oe)

D=0.0 erg/cm2 D=1.0 erg/cm2 mx=0.95

(a) 円盤直径40 nm

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2

0 500 1000 1500 2000

<mx>

Hx(Oe)

D=0.0 erg/cm2 D=1.0 erg/cm2 mx=0.95

(b) 円盤直径60 nm

図 6.9: 面内磁化の初磁化曲線

図より、DMIにより初磁化曲線の形状が変化することがわかった。D = 0.0 erg/cm2では、

磁界により面内磁化は単調に増加した。これに対して、D= 1.0 erg/cm2では、d= 40,60 nm でそれぞれ1700,1100 Oeにて面内磁化が急激に増加した後、飽和状態となった。このように、

外部磁界による面内磁化の変化量がDMI定数により変化するため、DMIにより面内反転磁界 が変化することがわかった。

6.3.4 面直、面内反転磁界の差

6.1では面直反転磁界、6.2では面内反転磁界の円盤直径およびDMIの依存性について調査 した。円盤直径の影響は両方の反転磁界で確認できたが、DMIの影響は面内反転磁界のみで確 認できた。図6.10に、DMI定数と円盤直径による面直、面内反転磁界の変化を示す。

図6.10において、面直反転磁界と面内反転磁界が交差する円盤直径が少なくとも1つ存在する ことがわかった。面内及び面直反転磁界へのDMIと直径の影響が異なることから、この2つの磁 界の差とDMI定数の関係を調べた。2つの反転磁界の差を∆Hswと表記し、∆Hsw =Hxsw−Hzsw とした。図6.11に、円盤直径による∆Hswの変化の結果を示す。

図6.11で、∆Hsw = 0 Oeとなる円盤直径は、図6.10で面直反転磁界と面内反転磁界が交差 する円盤直径と同義である。そのため、図6.12に∆Hsw = 0 Oeとなる円盤直径を表す。図より DMIの増加と共により∆Hsw = 0 Oeとなる円盤直径が増加することがわかった。「∆Hsw = 0 Oe となる円盤直径」がDMIによって変化するため、この直径を求めることによりDMIを測定す ることが可能であることがわかった。

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5

0 20 40 60 80 100

Hsw (kOe)

d(nm)

Hzsw Hxsw

(a) D= 0.0 erg/cm2

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5

0 20 40 60 80 100

Hsw (kOe)

d(nm)

Hzsw Hxsw

(b) D= 0.2 erg/cm2

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5

0 20 40 60 80 100

Hsw (kOe)

d(nm)

Hzsw Hxsw

(c) D= 0.4 erg/cm2

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5

0 20 40 60 80 100

Hsw (kOe)

d(nm)

Hzsw Hxsw

(d) D= 0.6 erg/cm2

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5

0 20 40 60 80 100

Hsw (kOe)

d(nm)

Hzsw Hxsw

(e) D= 0.8 erg/cm2

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5

0 20 40 60 80 100

Hsw (kOe)

d(nm)

Hzsw Hxsw

(f) D= 1.0 erg/cm2

図 6.10: 円盤直径による面直、面内反転磁界の比較

-0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 20 40 60 80 100

Hsw (kOe)

d(nm) D=0.0 erg/cm2

0.2 erg/cm2 0.4 erg/cm2 0.6 erg/cm2 0.8 erg/cm2 1.0 erg/cm2

図6.11: 各DMI定数での円盤直径による∆Hsw の変化

0 10 20 30 40 50

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

d(nm)

D(erg/cm2)

図 6.12: DMI定数による∆Hsw = 0 Oeとなる 円盤直径

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