第 3 章 非 Newton 流体表現を取り込んだ VOF 法による高濃度土砂流の解析手法
3.3 非 Newton 流体モデルの概要
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𝐹
𝑖,𝑘𝑛+1= 𝐹
𝑖,𝑘𝑛− [
𝑅𝑋𝑖+1/2,𝑘∆𝑥−𝑅𝑋𝑖−1/2,𝑘𝑖
+
𝑅𝑍𝑖+1/2,𝑘∆𝑧−𝑅𝑍𝑖−1/2,𝑘𝑘
]
(3.18)R𝑋
𝑖,𝑘= 𝑠𝑖𝑔𝑛(𝑢
𝑖,𝑘𝑛+1) ∙ 𝑚𝑖𝑛{𝐹
𝐴𝐷|𝑢
𝑖,𝑘𝑛+1∆𝑡| + 𝐶𝐹𝑋, 𝐹
𝐷∆𝑥
𝐷}
(3.19)R𝑍
𝑖,𝑘= 𝑠𝑖𝑔𝑛(𝑤
𝑖,𝑘𝑛+1) ∙ 𝑚𝑖𝑛{𝐹
𝐴𝐷|𝑤
𝑖,𝑘𝑛+1∆𝑡| + 𝐶𝐹𝑍, 𝐹
𝐷∆𝑧
𝐷}
(3.20)CFX = 𝑚𝑎𝑥 {(1 − 𝐹
𝐴𝐷)|(𝑢
𝑖,𝑘𝑛+1∆𝑡)| − (1 − 𝐹
𝐷)∆𝑥
𝐷,0}
(3.21)CFZ = 𝑚𝑎𝑥 {(1 − 𝐹
𝐴𝐷)|(𝑤
𝑖,𝑘𝑛+1∆𝑡)| − (1 − 𝐹
𝐷)∆𝑧
𝐷,0}
(3.22)47
・Newton流体 τ = μ (∂u
∂z+∂w
∂x) (3.23)
・非Newton流体 τ = τ0+η(∂u
∂z+∂w
∂x)n (3.24)
・完全流体 τ = 0 (3.25)
(
・ダイラタント流体 τ0= 0,n > 1
・擬塑性流体 τ0= 0,n < 1
・Bingham流体 τ0> 0,n = 1)
τ0はBingham流体の降伏応力,ηはBingham流体においては降伏後の粘性係数となる.図
3.5にそれぞれの流体の相関図とせん断応力は式(3.23),式(3.24)および式(3.25)となる.粘性,
圧縮性が全くない完全流体はx軸上に存在している.
次に図3.6に,渦岡らによる液状化泥のせん断応力に関する実験結果を示す.横軸がひず み速度,縦軸がせん断応力である.図を見ると,相対密度Drによるバラつきが多少あるも のの,ひずみ速度に応じたせん断応力の分布が,切片を有してほぼ一定勾配となるBingham 流体としての特徴を有していることが見て取れる.図3.6の土質試験の対象である液状化泥 は,本研究で対象としている高濃度土砂流と近しい特徴を持つものと考えられるため,本 研究においても,高濃度土砂流の解析手法としてBingham流体モデルを取り入れることを検 討する.Bingham流体モデルのせん断応力とひずみ速度の関係は式(3.26)であり,降伏値τ0
と降伏後の粘性係数ηを用いて表現される.Bingham流体はせん断応力が降伏値に達するま では速度勾配(ひずみ速度)を持たず,固体としてふるまい,降伏値を超えた後は流動する という特徴がある.
図3.6 液状化泥のせん断応力に関する試験結果 (渦岡の実験結果より抜粋)
ひずみ速度(s-1) せ
ん断 応 力(τ)
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τ = τ0+ ( =∂ ∂x+∂w∂z) (3.26)
3.3.2 Papanastasiou式によるBingham流体近似
渦岡,小田らによって導入された等価粘性係数は,低ひずみ速度において高粘性となり,
理論上はひずみ速度ゼロの状態における無限大の粘性係数を表現している点でBingham流 体的特徴を有しているといえる.しかし,等価粘性係数表現では,低ひずみ速度であるほ ど高粘性を示すように,連続的に粘性係数が変化する形状となっており,本来のBingham流 体において降伏後の粘性係数が一定となるバイリニア形状のせん断応力分布を示すもので あることを鑑みると,よりBingham流体に近い近似を行う必要があるものと考えられる.そ こで本研究では,永井らに倣い,Papanastasiouの式を用いた近似式によってBingham流体の 粘性係数を表現することとした.Papanastasiouの式を式(3.27)に示す.
τ = [ 𝑝+| |(1 − −m| |)] (3.27)
図3.7 Papanastasiou式によるBingham流体のせん断力近似
ここで,ηp文字は塑性粘性度,mは応力成長指数(stress growth exponent)で時間の次元を有し,
これを大きくすることで近似精度を上げることができる.図3.7に,応力成長指数を100とし た場合,1000とした場合の,近似曲線を示す.m=1000の方がよりBingham流体のせん断応 力分布を良好に近似していることが分かる.次に式(3.26)および(3.27)から次式(3.28)を導く ことができる.
= 𝑝+| |(1 − −m| |) (3.28)
は見かけの粘性度とし,この を各ステップ時間,各セルに求め,VOF schemeの陽的に仮 流速を算定する式中の粘性係数として与えることで計算に反映させる.
ひずみ速度(s-1) せ
ん 断 応 力(τ)
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