3 非接触ICカード利用ガイドライン
3.2 非接触ICカードの利点
接触ICカードに比べ、非接触ICカードが有する利点は表 3‑2に示す通りである。
表 3-2 非接触ICカードの利点
利 点 内 容
安価な インフラ費用
非接触ICカードのリーダ・ライタには、カード駆動装置が不要であ り、また精緻さを要するカードの位置合わせ機能が不要等により、設 計・製作が容易である。このため、堅牢で安価な端末機器が製作可能 で、保守費用の削減が期待できる。
長い使用期間 非接触ICカードは、化学的な損傷、湿度や摩耗などに強いので、接 触ICカードに比べ、長期に使用可能であり経費節減になる。
不正侵入が 困難
接点端子を露出させていないため、不正侵入によるセキュリティ保護 がしやすい。
カード全面の 活用
非接触ICカードの場合、表面に接続端子がないため、カード全面を デザインに活用できる。これは、複数企業あるいは複数アプリケーシ ョンの多目的カード作成に有用である。
耐環境性 恒常的に振動、塵や埃などのような悪環境下では、精緻な位置合わせ が必要な接触ICカードでの運用は困難である。この様な悪環境下で の運用にも強い非接触ICカードは、操作が容易なため、多様な環境 下でも使用可能であり、適用業務の選択幅が広くなる。
3.2.1 推奨される非接触ICカード
カードの種類、市場の要件、相互の関連から、推奨カードが選択出来る『民間市場の各 分野に於ける推奨されるカード』一覧表(表 3‑4)を策定した。カードの特長と市場の要 件から推奨されるカードの選択が簡単に抽出できるガイドラインとして策定している。
『各種カードの特長』一覧表(表 3‑3)は、非接触型ICカード、接触型ICカード、
磁気カード、各カードが保有している機能的な特長をまとめ、『民間市場の各分野に於け る要件の重要度』一覧表(表 3‑5)は、市場がカードに期待する要件をまとめたものであ る。
掲載資料の全ては、非接触ICカード検討WGで作成したガイドライン案であり、今後 意見を吸収しながら資料に反映する必要がある。
表 3-3 各 カ ー ド の 特 長
◎:より適している / ○:適している
ISO/IEC 10536 ISO/IEC 14443 ISO/IEC 15693 − ISO/IEC 7816 ISO/IEC 7811
非接触ICカード(密 着 型) (近 接 型) (近 傍 型) (マイクロ波型) 接触ICカード 磁気カード カードのタイプ
カードの特長 静電結合方式 電磁誘導方式 〜10cm 〜70cm程度 〜数m
決済機能対応が可能 ◎ ◎ ○ ◎
カードの価格 ◎
高セキュリティ ◎ ◎ ○ ◎
高速処理(処理速度) ◎ ◎ ◎ ○
耐環境性に優れている ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
メンテナンス性が優れている ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
耐静電気に優れている ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○
耐振動に優れている ○ ○ ◎ ◎ ◎
電池不要 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
電磁ノイズ ○ ○ ◎ ◎
メモリ容量 ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎
リードライト機構の単純性 ○ ○ ○ ○ ○ ◎
表 3-4 民間市場の各分野に於ける推奨されるカード ◎:より適している / ○:適している / △:制限はあるが利用可能 / ×:制限あり
非接触ICカード 接触ICカード 磁気カード
ISO/IEC10536 ISO/IEC14443 ISO/IEC15693 ISO/IEC 7816 ISO/IEC7811
推奨カード
市 場 密着型 (近接型) (近傍型)
交通分野
乗車券、定期券(電車、バス、飛行機、船等) × ◎ × × △
有料道路料金課金カード ◎ ○ ○ △ △
金融・流通・サービス分野
キャッシュカード ◎ ○ × ◎ ○
クレジットカード ◎ ○ × ◎ ○
電子財布 ◎ ○ × ◎ ×
プリペイドカード ◎ ○ × ◎ △
ポイントカード ○ ○ × ○ ○
自販機カード ○ ◎ × △ △
駐車場カード △ ◎ ○ △ △
通信分野
公衆電話用カード ○ ◎ × ○ △
移動体通信用カード ○ ○ × ○ ×
ネットワークキーカード ○ ○ × ○ ×
衛星放送用カード ○ ○ × ○ ×
アミューズメント分野
入園チケット(テーマパーク等) × ◎ ○ × △
パチンコカード ○ ○ × △ ×
スキー場のリフトカード × ◎ ○ × ×
フィットネスクラブ会員カード ○ ○ △ ○ △
レース着順判定(ゼッケン) × ◎ ◎ × ×
公営ギャンブルカード ○ ○ × ○ △
ID分野
社員証 ○ ◎ △ ○ △
学生証 ○ ◎ △ ○ △
物流・FA分野
宅配荷物管理カード ○ ○ ○ △ ×
セキュリティ分野
電子キー ○ ○ × ○ △
注) ・推奨カードを決定する場合、上記は目安であり、CPUの有無及びメモリ容量等を考慮する必要あり。
表 3-5 民間市場の各分野に於ける要件の重要度
[要件の重要度 : ◎ > ○ > △ > × ] 要 件 決済機能 カードの 高セキュリティ 高速処理 耐環境性に メンテナンス性が 耐静電気に 耐振動に優 携帯性 電磁ノイズ
市 場 が必要 低価格化 (処理速度) 優れている 優れている 優れている れている
交通分野
乗車券、定期券(電車、バス、飛行機、船等) ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○
有料道路料金課金カード ◎ △ ◎ ○ ○ ◎ ○ ◎ △ ○
金融・流通・サービス分野
キャッシュカード ◎ ◎ ◎ ○ △ ◎ △ × ○ ○
クレジットカード ◎ ◎ ◎ ○ △ ◎ △ × ○ ○
電子財布 ◎ ◎ ◎ ○ △ ◎ △ × ○ ○
プリペイドカード ◎ ◎ ◎ ○ △ ◎ △ × ○ ○
ポイントカード × ○ △ △ △ ○ △ × △ ○
自販機カード ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ○ △ ○ ○
駐車場カード ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ○ △ ○ ○
通信分野
公衆電話用カード ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ △ ○ ○
移動体通信用カード ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ △ ○
ネットワークキーカード ○ △ ◎ ○ ○ ○ ○ △ △ ○
衛星放送用カード ○ △ ○ △ △ ◎ ○ × × ○
アミューズメント分野
入園チケット(テーマパーク等) ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ △ △ ○
パチンコカード ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ × △ ○
スキー場のリフトカード ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ △ × △ ○
フィットネスクラブ会員カード × △ × △ △ △ △ × △ △
レース着順判定(ゼッケン) × △ × ◎ ◎ △ ○ ○ △ △
公営ギャンブルカード ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ × △ ○
ID分野
社員証 △ ○ ○ ○ ○ ○ △ × ○ ○
学生証 △ ○ ○ ○ ○ ○ △ × ○ ○
物流・FA分野
宅配荷物管理カード × ○ △ ○ ◎ ○ ○ ○ △ ○
セキュリティ分野
電子キー × △ ◎ ○ ◎ ○ △ △ ○ ○