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電気的特性の評価

ドキュメント内 卒 業 研 究 報 告 (ページ 43-47)

第5章  酸化亜鉛透明導電膜の評価および考察

5.1  はじめに

5.2.1  電気的特性の評価

  第3章で説明したHall効果の測定によって酸化亜鉛透明導電膜の電気的特性を測定した。

それぞれ実用性のある形である1cm角の正方形の試料を用いて測定を行った(表5.1)。ま

た、本論文には掲載ていないが、正方形でない試料も測定した結果、測定値の変動が激し く正しい測定結果が得られないことを確認した。Hall 効果の測定を行う場合、可能な限り 正方形の試料を用いなければならない。

成膜された酸化亜鉛透明導電膜について補足しておくが、基板の

± 300

mmの位置には 蒸着材料を入れある坩堝が真下にそれぞれ存在している。

5.2.1.1 抵抗率とキャリア密度

抵抗率とキャリア密度を同じグラフ上に示した(図5.1)。RPDではは坩堝の真上に当た る基板上の部分で一番キャリア密度が高くなると予想される。測定結果でもその傾向は現 れているのが分かる。Gaのドーピングにより発生する自由電子が多いほど、多くの電子が 移動が可能だという考え方から、キャリア密度が高いほど抵抗率は低くなると考える。マ イナス位置ではその傾向が少し見えているがプラス位置では違った傾向が見られ、プラス 位置ではキャリア密度が高くなるにつれて抵抗率も高くなっている。抵抗率は、キャリア 密度以外にも、他の原因に依存しているように思われる。

2.6 2.7 2.8 2.9 3 3.1

-500 mm

-400 mm

-300 mm

-200 mm

-100 mm

0 mm

100 mm

200 mm

300 mm

400 mm

500 mm 位置

抵抗率

7.500E+20 8.000E+20 8.500E+20 9.000E+20 9.500E+20 1.000E+21 1.050E+21

キャ リ ア 密度

抵抗率(E-4ohm-cm) キャリア密度 (/cm2)

図5.1 : 各位置での抵抗率とキャリア密度

5.2.1.2 キャリア密度と移動度

  酸化亜鉛透明導電膜は n 型の半導体で、電子がキャリアとなっている。キャリア密度が ある程度高ければ一度に流れることの出来る電子が多いということになる。この電子の流 れやすさをあらわすのが移動度である。一般にキャリア密度が高ければ移動度は小さくな り、キャリア密度が低ければ移動度は大きくなる。これは、キャリアである電子の密度が 高いために、電子が移動する過程で他の電子との負電荷の反発力により速度が落ち移動度 が低下するためだと考えられている。

8.000E+20 8.500E+20 9.000E+20 9.500E+20 1.000E+21 1.050E+21

-500 mm

-400 mm

-300 mm

-200 mm

-100 mm

0 mm

100 mm

200 mm

300 mm

400 mm

500 mm 位置

キャリア密度

21 22 23 24 25 26 27 28

移動度

キャリア密度 (/cm2) 移動度 (cm2/V-s)

図5.2 : 各位置でのキャリア密度と移動度

5.2.1.3 膜厚と抵抗率

  キャリア密度によって抵抗率が変化するはずであるが、膜厚と抵抗率を表した図(5.3)

を見ると膜厚が厚いところでは抵抗率は低く、膜厚が薄いところでは抵抗率が高くなって いる。これは一般的に起こる現象である。しかし、膜厚に関しては測定誤差がないと考え たとしても %以内の差に収まっている。この値は膜厚じたいは均一であると考えるこ とが充分可能である。

± 10

ここで、膜厚が均一であるとして、(5.2.1.1)節で述べた、抵抗率はキャリア密度以外の 原因に依存する可能性があるということについてもう一度考察する。膜厚が均一であるの なら膜厚に依存して抵抗率が変動しているとは考えられないことになる。図(5.1)を見る と左右で値が違っているが、この違いは膜厚に依存しているものではないと考えられる。

左右の値の違いをうむ原因で考えられるのは、成膜装置にあると考えることもできる。

大面積に成膜するためプラズマガンと坩堝を左右2つ用いていることによる違いの可能性 があるということである。左右でプラズマガンからのプラズマの種類が違う可能性が1つ。

実際に成膜装置を見ているわけではないのであくまで憶測であるが、反応ガスとして成膜 室に導入している の導入口の位置によるという可能性がもう1つ。他にも原因があるか もしれない。今後は左右のプラズマガンや坩堝などを入れ替えて成膜を行い左右の違いが 入れ替わるのか、またの導入口の位置によるものなのかの検証を行うことが必要だと考え られる。

O

2

140 150 160 170 180 190 200 210 220

-500 mm

-400 mm

-300 mm

-200 mm

-100 mm

0 mm 100 mm

200 mm

300 mm

400 mm

500 mm 位置

膜厚

2.5 2.7 2.9 3.1 3.3 3.5

抵抗率

膜厚(nm)

抵抗率(E-4ohm-cm)

図5.3 : 各位置での膜厚と抵抗率

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