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随伴出現物

ドキュメント内 出現物主語の「是…的」構文の叙述の焦点 (ページ 30-42)

1.陳(2002)定義に対する考察

陳(2002)はこの種の出現物を「形成的成事」と名づけ、下記の ように定義している:

动作行为过程中会形成或出现某种不是动词所直接支配的预期的或意外的 结果。

(動詞が直接支配できない予想とおりにまたは予想外に、動作行為の中に 出現した結果。)

第 3 節の成果や評価獲得による出現物と区別するためには、「動 作主がその出現物の獲得を目的としない」というポイントを定義で 明記する必要があると考えられる。

「動作主がその出現物の獲得を目的としない動作行為の後に出現 し、動詞が直接支配できない結果としての物事」を随伴出現物とい

11 広い意味では魚の干し身も魚だが、生き物としての性質を失った点で、新 たな生産物として扱い、もとの生き物としての魚が存在しなくなると考えられ る。

う。

陳(2002)はこの随伴出現物をさらに 3 つのカテゴリーに分けた。

要約すると、

1.動作主に現れる出現物;2.受け手側に現れる出現物;3.動 作行為の過程に自然に、必然的に、希望通りに出現する事物と予想 外に現れる事物。

3つ目のカテゴリーの特徴として、「希望通りに出現する」とい う点は第 3 節の獲得による出現物と似通ったところがあるように 見える。陳(2002)において、希望通りに出現する随伴出現物の用 例として下記のようなものが挙げられていた。

5-1 这孩子还真工作出点儿成绩来了。

この子は意外と仕事で成果を挙げた。

その事象構造を図式化すると、次のようになる。

平相 流相 異相 出現物の出現 ★

動作主の変化過程 ………経験者……→

動作主の行為 始点 終点 時間軸 受け手の変化過程 ( )

これらの出現物は行為の成果としての意味役割があると考えら れる。第 3 節の獲得による出現物と違ったのは平述文に「出」類の マークが必須だというところである。が、「是……的」構文に言い 換えられる場合は第 3 節の獲得による出現物の場合とほとんど同 じような特徴が見られる。下記のリトマス形式の検証で、「是……

的」構文は出来事の由来を焦点化していることが分かる。

5-2?这些成绩是这孩子工作的,不是我工作的。

5-3 这些成绩是这孩子脚踏实地工作出来的,不是投机取巧而来的。

これらの成果はこの子が地道な努力を積み重ねてできたのだ。

偶然でできたのではない。

そして、マークが必須であるところも「是……的」構文は出来

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事の由来を焦点化していることを裏付けている。広い焦点であると 考えられる。

一方、疑問箇所を随伴出現物の出現する側において質問を発する 場合、以下の構文を使用することができるのとできない場合がる。

出現物 是……谁……+動詞……的 5-4 ?这些成绩是谁工作出来的?

事象構造や「是……的,不是……的」のリトマス形式検証を行っ てきた限り、第 3 節の獲得による出現物の「是……的」構文と似た 性質を持っていると分かる。5-4の不成立を分析するにも、「一 時的に付加される獲得義」を利用することができる。獲得による出 現物に関わる動詞は出現物を直接に後続させることによって、一時 的に「獲得義」が付加されるが、5-4の出現物「成績」と動詞の

「工作」が離れたため、「工作」の獲得義が失われ、「成績」は「出 現物」として成立できなくなる。よって、出現物に関する質問5-

4が不成立と判断される。5-4はまた第 3 節の獲得による出現物 の「是……的」構文と一致した検証結果を見せている。「出来」と いうマークが必須であるところも相似している。

上記の分析を通じ、希望通りに出現する「出現物」は第3節の獲 得による出現物の範疇に入れた方が適切だと思われる。

では、随伴出現物の分類を再確認すると、下記のような3種類が あるとする。

1.動作主側に現れる出現物(随伴出現物①);2.受け手側に現 れる出現物(随伴出現物②);3.動作行為の過程に自然に、必然 的にまたは予想外に現れる事物(随伴出現物③)。

この分類に基づいて、考察を展開する。

2.動作主側に現れる随伴出現物①

動作行為によって、動作主の身に現れた新たな事物というのがこ の種の出現物の特徴である。下記のようなもの(アンダーラインで 示す)が挙げられる。

5-5他跑出汗来了。

彼は走って、汗をかいた。

5-6他想家想出病了。

彼はホームシックのあまり、病気になった。

2.1 事象構造の観点から

5-5、5-6が表す出来事を下記のように図式化する。

平相 流相 異相 随伴出現物の出現 動作者の変化過程

動作者の行為 始点 終点 時間軸

受け手の変化過程 ( )

動作者が行為を行われることによって、自分自身にもなんらかの 変化が起こる。その結果として、動作者の身に随伴出現物①が出現 する。行為の中に受け手が存在する可能性もあるが、随伴出現物① は受け手側にではなく、動作者側に出現することを注目すべきであ る。この特徴は第 3 節の獲得による出現物と相似している。ただし、

3の出現物と関わる動作者は動作行為が終わるまでに変化しない が、5.1の随伴出現物と関わる動作者は行為する間に徐々に変化 が起こる。そして、繰り返しになるが、3の成果や評価獲得による 出現物と関わる動作者はその出現物(よい順位)の獲得を目的とす るが、随伴出現物①に関わる動作者はその出現物の獲得を目的とし ない。

2.2 「是……的」構文の叙述の焦点

本章の第1、2節の種類のように、受け手側に出現する出現物を 主語とする「是……的」構文の叙述の焦点は動作主であるのに対し、

第3、4節のような動作者側、変化主体側に宿る出現物を主語とす る「是……的」構文の叙述の焦点は動作.行為自身――「出来事の

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由来や原因」である。前節の分析から見られる現象は、随伴出現物

①の「是……的」構文の分析にもヒントを与えてくれると考えられ る。随伴出現物は動作者側に出現するものであり、第3の獲得によ る出現物と相似する点から、随伴出現物主語の「是……的」構文の 叙述の焦点は「出来事の由来や原因」であり、広い焦点だとの予想 を立て、この予想を検証していくことにする。

5-7 这汗是他一路跑出来的。

5-8 这病是他想家想出来的。

下記のリトマス形式で検証してみる。

是……的,不是……的 5-9 *这汗是他跑的,不是我跑的。

上記の文を検証した結果、「是……的」構文が叙述の焦点化して いるのは動作主ではなく、出来事の由来であることが分かる。広い 焦点を表していると考えられる。「汗」、「病気」などが一度体に付 いたら、その人の体から離れて論じることはないと考えられる。よ って、「汗」「病気」を言及した場合、汗をかいた人、病気な人は既 知情報として把握されているはずである。5-9、5-11のよう に関連の人を未知情報として焦点化するのは不自然である。12

さらに、疑問箇所を随伴出現物①の出現する側において質問を発 する場合、以下の構文を使用することができない。

随伴出現物① 是……谁……+動詞……的 5-13 *这汗是谁跑的?

5-14*这病是谁想的?

随伴出現物①の出現する側を焦点化しようとする場合、下記のよう な形で質疑しなければならない:

5-15 跑出汗的是谁?

走って汗をかいたのは誰?

5-16 想家想出病的是谁?

ホームシックで病気になったのは誰?

12 2の「认干妈」「交朋友」の分析例を想起していただきたい。

動詞と出現物を表す名詞を切り離すことが難しいことも第3節 の獲得による出現物の構文性質と相似している。そして、随伴出現 物①が出現するのはだれ(どこ)と質問を発する時、5-13、5

-14ではなく、5-15、5-16のように表現しなければなら ない理由をさらに探らなければならない。周知のように、「跑」「想」

は「汗」「病気」を直接支配することができない。「跑」は自動詞で あるのは言うまでもない。5-13のような表現形式なら、まるで

「汗」は「跑」の動作対象になっているように見える。品詞と違反 することである。一方、「想」が直接支配できるのは「办法」「家」

「亲人」など抽象的な心理活動範疇の概念である。5-14のよう な表現では、「病気」が「想」の動作対象になっているので、同じ く品詞の性質と違反することになる。「汗」「病気」と「跑」「想」

の接点はマーク「出」「出来」にある。

陳(2002)がまとめた表に「标志是否必有」という欄(マークは 必須か)があり、随伴の出現物は「+出类」と必須となっている。

これは平述文の場合であるが、「是……的」構文においても「+出 类」のマーク「出来」が必須となるということである。本稿はこの 主張に賛同する。

5-7 这汗是他一路跑出来的。

5-8 这病是他想家想出来的。

「出来」という「方向性」マークが必須であることからは過程の 命題であることをさらに裏付けている。

まず、「出汗」(「汗が出る」)段階の事象部分を取り上げる。「出」

は過程述語であるので、二つの項---汗、他---にはものと場所の意 味役割(THING と PLACE)が対応している。

GO(THING,PLACE) 出来(汗,他)

出来(病,他)

しかし注目すべきことに、意味役割の実現の仕方は「他跑出汗来 了」のように PLACE と THING の出現順が逆になっている。本稿の第 3節の3に、行為の成果や評価獲得による出現物が主語となる「是

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