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防除体制の整備

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2005年 まで段階

第2節  応急対策

2.   防除体制の整備

東北沿岸海域 北陸沿岸海域

山陰沿岸・若狭湾海域

関東沿岸・東海東部沿岸海域

九州南部沿岸海域

沖縄沿岸海域

四国南部沿岸海域 東海西部沿岸海域

東京湾 九州北部沿岸海域

伊勢湾

大阪湾・播磨灘海域 瀬戸内海東部海域 瀬戸内海中部海域

瀬戸内海西部海域 分図

分 図 参 照

「白地図KenMap 」

 図 表 22 排 出 油 防 除 計 画 の 対 象 海 域 及 び 名 称

 

③防災基本計画、防災業務計画及び地域防災計画

災害対策基本法において、防災基本計画(同法第34、第35条)、防災業務計画(同法 第36〜第39条)及び地域防災計画(同法第40、第41条)(以下「防災基本計画等」と いう。)の策定が規定されている。

防災基本計画は、中央防災会議が策定する計画で、災害の種類に応じて、各機関が災 害予防、災害応急対策、災害復旧に関してとるべき措置を規定しているものである。

防災業務計画は、国内の指定行政機関及び指定公共機関が、各機関ごとにそれぞれの 所掌事務として防災に関して執るべき措置をまとめたものである。

地域防災計画は、都道府県防災会議が、当該都道府県の地域に係る防災に関し、地域 の指定地方行政機関、当該都道府県及び市町村、指定公共機関などが処理すべき事務を まとめたものである。

 

2.

  防除体制の整備  

(1)原因者責任の原則 

油排出事故が発生した場合の防除の責任については、国際的にも国内的にも、船長等の原 因者がその第一義的な責任を負うべきであるとの考え方が確立している。

国際的には、OPRC 条約、MARPOL73/78 条約などで、そうした考え方を前提とする 制度の構築がなされている。

①  海防法に基づく原因者の防除行為義務

海防法においては、原因者責任の原則の考え方を前提として、船長等に、以下のような 義務が課せられている。

ア.通報義務(法第38条)[当該船舶の船長]

排出の日時、場所、排出の状況、海洋汚染の防止のために講じた措置を最寄の海上保安 庁に通報すること

イ.応急措置義務(法第39条第1項)[油を排出した船舶の船長、排出の原因となる行為を した者]

排出油の広がり及び引き続く油の排出の防止並びに排出された油の除去のため、オイル フェンスの展張、油処理剤の散布、損壊箇所の修理、船倉に残存する油の移し替え、油 の回収等の措置を講ずること

ウ.防除措置義務(法第39条第2項)[油を排出した船舶の所有者、排出の原因となる行為 をした者の使用者] 

応急措置が不十分な場合、排出油の防除のためのオイルフェンスの展張、油処理剤の散 布、損壊箇所の修理、残存油の移し替え・抜き取り等の措置を講ずること

②  独立行政法人海上災害防止センター(以下「(独)海上災害防止センター」という。)へ の委託契約制度

船舶所有者等から(独)海上災害防止センターへの委託に基づき、(独)海上災害防止 センターが契約防災措置実施者を効果的に活用しながら、迅速・的確な排出油防除措置を 実施する体制も確立されている。

③  海上保安庁等の防除処置に係る費用の原因者への請求

 

ナホトカ号事故を受けた平成10年の海防法の改正により、油濁損害賠償保障法の規定 により費用請求が可能である油タンカーの場合を除き、原因者に対し請求できる明確な規 定がなかったタンカー以外の船舶(領海外の外国船舶を除く。)の事故に関係行政機関が 講じた防除措置に係る費用を徴収することができることとされた(法第41条)。

また、(独)海上災害防止センターについても、海上保安庁長官が指示した措置を講じ た時は、その措置に要した費用を海上保安庁長官の承認を受けて、排出油が積載されてい た船舶の所有者に負担させることができることとされている(法第42条の38)。

(2)海上保安庁及び(独)海上災害防止センターによる防除措置等

油汚染事故の防除責任は、一義的には原因者に課されているが、大量の排出油の防除活 動は、過去の事例からみても、当事者のみでその被害を極小化できるものではなく、国、

地方公共団体をはじめ、石油業界、海運業界、漁業関係者その他の官公民の関係者が、相 互の理解と連携の下、事故に対応することが必要である。 

このため、海上での防除活動、漂着油の除去、回収油の運搬・処分といった防除措置の 一連の対応について、関係機関の役割分担を明らかにして、官公民の関係者が一体となっ

た防除体制を確立し、関係機関の有機的連携を図っている。 

①  海上保安庁による防除措置

油防除の第一義的責任は原因者にあるが、原因者が排出油防除措置を講じていない場 合やその対応のみでは不十分な場合等には、海上保安庁自らが全国の主要部署に配備し ている資機材を活用し、原因者に代わって排出油防除措置を行うとともに、必要に応じ て、(独)海上災害防止センターに対し排出油防除措置の実施を指示することとなる。

海防法では、油等を排出した者による防除措置がなされない、もしくは不十分である 場合に海上保安庁長官が、必要な措置を講じたときには、その措置の費用を船舶所有者 に負担させることができる旨規定している(法第 41 条)。 

 

②  (独)海上災害防止センターによる防除措置等   

(独)海上災害防止センターは、海防法に基づき、海上災害の発生及び拡大の防止(以 下「海上防災」という。)のための措置を実施する業務を行うとともに、海上防災のため の措置に必要な船舶、機械器具及び資材の保有、海上防災のための措置に関する訓練等 の業務並びに海上災害の防止に関する国際協力の推進に資する業務を行うことにより、

人の生命及び身体並びに財産の保護に資することを目的として設立された。

(独)海上災害防止センターは、船舶の海難事故等により油や有害液体物質の排出、

船舶火災等の海上災害が発生した場合、油の防除、消火などを実施する。

排出油等の防除などの業務には、次の2つの形態がある【図23参照】。

・海上保安庁長官の指示による場合(1号業務):海防法第42条の25第1号

大量の原油等の油が海上に流れ出し、緊急に防除を行う必要がある場合に、防除を 行うべき原因者がその措置を講じていない時、海上保安庁長官の指示に基づき防除を 実施し、この措置に要した費用を原因者から徴収する。

・事故船舶の所有者等の委託による場合(2号業務):海防法第42条の25第2号 事故を起こした船舶の所有者等の委託に基づき、海上に流れ出た燃料油や積み荷の 原油等の油又は各種の有害液体物質の防除、そして船舶火災の消火及び延焼の防止等 の海上防災のための措置を実施する。 

 

独立行政法人 海上災害防止センター

海上保安庁 契約防災措置

実施者 事故船舶の船主等

油汚染事故

通報 通報

指導

海上保安庁長官の指示(1号)

連絡(2号)

費用の交付

1号・領海外・ノンタンカー)

費用の承認

1号)

費用請求・支払

1・2号)

措置の契約

(2号)

出動の指示(1・2号)

作業費用 請求・支払

(1・2号)

防除作業の実施

(1・2号)

消火作業の実施(2号)

図23 (独)海上災害防止センター防災措置業務フロー

   

【参考】(独)海上災害防止センターに係る海防法(第 6 章の 2)の規定の経緯  昭和 51 年    海上災害の発生及び拡大の防止のための業務を行うとともに、海上

防災のための措置に必要な船舶、機械器具及び資材の保有、海上防災 のための措置に関する訓練等の業務並びに海上災害の防止に関する 国際協力の推進に資する業務を行うことにより、人の生命及び身体並 びに財産の保護に資することを目的として認可法人として設立する ことが規定された 

平成 7 年  OPRC 条約の趣旨をふまえた国内独自の措置として海上災害防止セン ターの国際協力業務等を追加した。 

平成 10 年  ナホトカ号による重油流出事故の発生時には、領海外の外国船舶か らの大量の油の排出については、海上災害防止センターに対して排出 油防除措置を講ずることを指示できなかった。これを踏まえ、ナホト カ号事故以降、領海外における防除体制を強化するため、海上保安庁 長官は、領海外の外国船舶から大量の油の排出があった場合において も、海上災害防止センターに対し排出油防除措置を講ずることを指示 できることとし、当該措置に必要な費用を国が交付するよう改正し た。 

平成 14 年  特殊法人等整理合理化計画を受け、海上災害防止センターを解散し て、新たに(独)海上災害防止センターを設立し、第 42 条の 13〜第 42 条の 53 を第 42 条の 13〜第 42 条の 39 に整理した。 

   

  また、一定の総トン数以上のタンカーが原油、重油等を貨物として積載し、港湾その 他の国土交通省令で定める海域を航行中である場合には、法令の定めるところによりオ イルフェンス、油処理剤などの排出油防除資材の備え付けが義務付けられており、更に 東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の海域を航行する場合には油回収船等の配備が義務付けられ ているが、(独)海上災害防止センターは、これらの資機材を全国各地に配備し【図表 24】、タンカーの船舶所有者等の利用に供している。(海防法第42条の25第3号)

 

(3)関係機関の連携確保 

 

①  海防法に基づく防除要請等   

海上保安庁長官は、特に必要な場合には関係行政機関の長等に対して、防除措置の実 施を要請することができることとし、当該要請を受けた関係機関の長は、それぞれの所 掌事務又は地方公共団体の事務の範囲内で浮流油、漂着油の回収等の排出油防除措置を 実施することととなった。 

この制度は、ナホトカ号事故、ダイアモンド・グレース号事故を踏まえ、流出油に関 する防除体制強化の一環として、海防法を改正し導入したものである。 

図表

24  (独)海上災害防止センター

油回収船等配備場所・排出油防除資機材備付基地一覧

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