第4章 排水施設
第2節 開発区域内の排水施設 第1款 計画の基本
令第 26 条第 1 号 発区域内の排水施設は、国土交通省令で定めるところにより、開発区域の 規模、地形、予定建築物等の用途、降水量等から想定される汚水及び雨水を有効に排出する ことができるように、管渠の勾配及び断面積が定められていること。
規則第 22 条第 1 項 令第 26 条第 1 号の排水施設の管渠きよの勾こう配及び断面積は、5 年に 一回の確率で想定される降雨強度値以上の降雨強度値を用いて算定した計画雨水量並びに 生活又は事業に起因し、又は付随する廃水量及び地下水量から算定した計画汚水量を有効に 排出することができるように定めなければならない。
令第 26 条第 1 号及び規則第 22 条は、雨水及び汚水について算定した計画下水量を基に、開発区域 内の排水施設の管渠の勾配及び断面を定める旨の規定である。
第2款 計画雨水量
計画雨水量は、開発区域の規模、地形等を勘案して、降雨強度、流出係数を定めて算定する。
第1 算定方法 …… 計画雨水量は次式により算定する。
A I C
Q
360 1
Q
:計画雨水量(㎥/s)C
:流出係数I
:降雨強度(㎜/h)A
:排水面積(ha)b t
a
n
I
t
:降雨継続時間(分)a
、b
、n
:定数注)排水施設は流域単位で考えるものであり、地形の状況により、開発区域外の土地の部分も排水 面積に含めて算定すべき場合があることに留意すべきである。
第2 流出係数
放流先河川等の流下能力を検討する際の流出係数
富士山系のような特殊な地形を除いて、一般に次の値を標準とする。
なお、流出係数は流域の開発によって大きく変化することが多いので、計画値として採用する値 は流域の開発計画等を十分織り込んでおくことが必要である。
密集市街地 0. 9
一般市街地 0. 8 注)富士山系では農林、土木部では
畑・原 野 0. 6 0. 25~0. 3 の採用例がある。
水 田 0. 7
山 地 0. 7 「建設省河川砂防技術基準(案)」 第3 降雨強度
開発区域内の排水施設の管渠の勾配及び断面積を設計するために用いる降雨強度は、規則第 22 条に規定されているとおり、5 年に 1 回の確率で想定される降雨強度以上の値を用いることとされ ている。具体的には、
① 到達時間(=継続時間)から計算により求めた 5 年確率降雨強度
② 調整池の容量設計に用いる降雨継続時間を30分とした場合の 50年確率降雨強度のいずれか とする。ただし、公共施設の管理者が別途定めた場合は、この限りではない。
注 1)一般的には、降雨継続時間を 5~10 分程度として管渠等の排水施設を設計するが、本県では、
計算の簡略化に鑑みて、その差が 1 割程度である調整池設計の計算に用いる 30 分降雨継続時 間・50 年確率降雨強度を用いても差し支えないこととしている。
注 2)到達時間:開発区域の流末に流入する流域の最遠点から、当該流末までに流入する時間をい い、これを継続時間として次表から決定する。
① 5 年確率降雨強度 (㎜/hr )
降雨継続時間 静 岡 県 東 部
5 分 7 10 15 20 30
128 117 105 92 83 71
r’
810. 1
t
0. 6
+3. 7194
② 調整池の容量計算に用いる降雨強度 (㎜/hr ) 地 域 静 岡 県 東 部
降雨継続時間(30 分)
50 年確率短時間降雨強度
104
第3款 計画汚水量
汚水については、生活又は事業に起因し、又は附随する廃水量、即ち、計画人口 1 人 1 日最大給水 量から算出される計画 1 日最大汚水量に、工場等の排水量及び浸入が予測される地下水量を加え、時 間最大汚水量を求める。
第4款 計画排水量
排水施設の排水量の設計及び算定は次のとおりとする。
第1 設計流速
1 排水施設の設計流速は、排水施設の摩耗や土砂堆積が生じないよう配慮することとし、次表を 標準とする。
区 分 汚 水 雨 水 標 準 1. 0~1. 8m/s
やむを得ない場合 0. 6~3. 0m/s 0. 8~3. 0m/s
※ 雨水排水路は原則として開渠とすること。
注)設計流速が遅いと土砂等が堆積し、早いと排水路が摩耗して耐用年数が短くなり、好ましく ないことから、0. 8~3. 0m/s の範囲となるよう下水道の設計指針等で定めている。また、流 速が早いと到達時間が短くなり、治水上の問題も生じてくるので、段差工を施行するなど工夫
すること。ただし、雨水排水路の流速は、開発者が自ら維持管理に責任を持って、下流に悪影 響を及ぼさない場合においては、4. 5m/s 程度まではやむを得ないものとする。
2 排水中の沈殿物が次第に管渠内に堆積するのを防止するため、下流ほど流速を暫増させるよう 設計すること。なお、勾配は、下流ほど流量が増加して管渠断面が大きくなり、流速を大きく取 ることができるので、下流ほど緩くすること。
3 地表勾配が急峻である場合等で落差工を設ける場合には、その落差は 1 箇所当り 1. 5m以内と し、階段工の場合は 0. 6m以内とし、水叩厚、水叩長を十分取ること。
第2 排水量の算定
1 排水施設の断面積は、汚水にあっては計画時間最大汚水量を、雨水にあっては計画雨水量を有 効に排出できるものであること。
2 排水施設の流量は、マニングの式を用いて算出すること。
◆ マニング式
2 1 3 2
1
I R n
V
V
:流速(m/s)
n
:粗度係数I
:勾配V A
Q
R
:径深(m)=A
/P
A
:流水の断面積P
:流水の周辺長
Q
:流量(㎥/s)3 粗度係数
流下能力の算定に当っては、次の値を標準とする。
暫定素掘河道 護岸のある一般河道 三面張水路
河川トンネル
コンクリート人工水路 現場打コンクリート管渠 コンクリート二次製品
塩化ビニル管、強化プラスチック複合管
0. 035 0. 030 0. 025 0. 023 0. 020 0. 015 0. 013 0. 010
第5款 排水施設の構造等
令第 26 条第 3 号 雨水( 処理された汚水及びその他の汚水でこれと同程度以上に清浄であるも のを含む。) 以外の下水は、原則として、暗渠によつて排出することができるように定めら れていること。
規則第 26 条 令第 29 条の規定により定める技術的細目のうち、排水施設に関するものは、次 に掲げるものとする。
⑴ 排水施設は、堅固で耐久力を有する構造であること。
⑵ 排水施設は、陶器、コンクリート、れんがその他の耐水性の材料で造り、かつ、漏水を
最少限度のものとする措置が講ぜられていること。ただし、崖崩れ又は土砂の流出の防止 上支障がない場合においては、専ら雨水その他の地表水を排除すべき排水施設は、多孔管 その他雨水を地下に浸透させる機能を有するものとすることができる。
⑶ 公共の用に供する排水施設は、道路その他排水施設の維持管理上支障がない場所に設置 されていること。
⑷ 管渠の勾配及び断面積が、その排除すべき下水又は地下水を支障なく流下させることが できるもの( 公共の用に供する排水施設のうち暗渠である構造の部分にあつては、その内 径又は内法幅が、20 センチメートル以上のもの) であること。
⑸ 専ら下水を排除すべき排水施設のうち暗渠である構造の部分の次に掲げる箇所には、ま す又はマンホールが設けられていること。
イ 管渠の始まる箇所
ロ 下水の流路の方向、勾配又は横断面が著しく変化する箇所( 管渠の清掃上支障がない 箇所を除く。)
ハ 管渠の内径又は内法幅の 120 倍を超えない範囲内の長さごとの管渠の部分のその清掃 上適当な場所
⑹ ます又はマンホールには、ふた( 汚水を排除すべきます又はマンホールにあつては、密 閉することができるふたに限る。) が設けられていること。
⑺ ます又はマンホールの底には、専ら雨水その他の地表水を排除すべきますにあつては深 さが 15 センチメートル以上の泥溜めが、その他のます又はマンホールにあつてはその接 続する管渠の内径又は内法幅に応じ相当の幅のインバートが設けられていること。
第1 令第 26 条第 3 号
① 本号は、雨水以外の下水は原則として暗渠により排出する旨規定している。ただし、処理され た汚水(合併浄化槽の排水を含む。)及び工場排水等で衛生上問題のないものは、暗渠による排 出を義務付けられていない。
② 雨水排水施設は原則として開渠とし、土砂等の堆積による通水断面の縮小を考慮して、2 割程 度の余裕を見込んで断面を決定すること。
ただし、自己の業務用等で溢水しても区域内だけで処理でき、周辺に悪影響が及ばないと判断 される場合はこの限りではない。
第2 規則第 26 条第 1 号
本号は、排水施設が、外圧、地盤の不等沈下等により機能を損なうことがないよう、堅固で耐 久力を有しなければならない旨規定している。
第3 規則第 26 条第 2 号
本号は、排水施設の材料は、耐久性のあるコンクリート、れんが、陶器等で造られたものを使用 し、漏水を最小限とするため、継目をカラー、ソケット等の構造とする等の措置を講ずべき旨を規 定している。
ただし書の規定は、平成 16 年の特定都市河川浸水被害対策法の施行に伴い設けられたものであ り、特定都市河川流域の内外を問わず、崖崩れ又は土砂の流出の防止上支障がない場合においては、
専ら雨水その他の地表水を排除すべき排水施設に限り、地すべり等により関連する排水施設や擁壁 等の機能が損なわれないよう十分留意した上で、多孔管等の浸透機能を付加することを可能とした ものである。
第4 規則第 26 条第 3 号
開発行為等により設置された公共の用に供する排水施設は、原則として工事完了公告の日の翌日 に市町の管理に引き継がれるものであることから、その維持管理に支障のないよう、道路等の公共 の用に供する空地に設置することにより維持管理の安全を期そうとするものである。
第5 規則第 26 条第 4 号
公共の用に供する排水施設のうち「暗渠」である構造のものの内径又は内のり幅は、主として清 掃上及び排水能力の観点から、20 ㎝以上としなければならないと規定している。
なお、雨水管渠の最小管径は、25 ㎝以上とすることが望ましい。