第 4 章 支柱が鍔付きディフューザ風車に及ぼす影響
4.2 計算結果及び考察
4.2.2 鍔付きディフューザ風車 100kW 機(翼有り)の流れ場解析結果
4.2.2.1
流入風方向速度
Fig.4.6
に鍔付きディフューザ風車
100kW機(翼有り)周りの流入風方向速度場を示す。
Fig.4.6(a)
から、 支柱後方に減速領域が確認できる。 集風体内壁に近づくにつれて減速が抑制
されるが、回転する翼が障害物となって流入風が堰き止められる効果があるため、翼無し
の場合(
Fig.4.5)に比べて抑制の程度は小さい。しかし、翼端部では大きく加速される(赤
色部分) 。また、
Fig.4.6(b)から支柱後方の翼でも前縁部に加速領域がある。ただし、他の位
置にある翼より加速領域の大きさ、及び加速量は小さい。
(a) x-z
面における瞬間場
(b)ロータ面(
x=0)における瞬間場
Fig.4.6
鍔付きディフューザ風車
100kW機(翼有り)周りの流入風方向速度場
(
1枚の翼が支柱後方にある瞬間場) (数値計算結果)
(
x:流入風方向、
y:横方向、
z:垂直方向)
Wind
y z
x
後方視
y zx
流入風方向速度
(m/s) -8.0 0.0 10.0第
4章 支柱が鍔付きディフューザ風車に及ぼす影響
64 4.2.2.2
翼面圧力分布
ロータ中心を
r=0mとしたときの
r=1.6~
5.6 m(
r:半径方向位置)での翼面圧力分布に ついて、翼が支柱後流内にある場合(θ
=180 deg)を
Fig.4.7(a)~
Fig.4.7(f)に、翼が支柱後流 外にある場合(θ
=60 deg)を
Fig.4.8(a)~
Fig.4.8(f)に示す。また、
Fig.4.7(a)~
Fig.4.7(f)を一 つにまとめた図を
Fig.4.9に、
Fig.4.8(a)~
Fig.4.8(f)を一つにまとめた図を
Fig.4.10に示す。
(a) r=1.6 m
での翼面圧力分布比較
(θ
=180deg:翼が支柱後流内にある場合)
1.6 m
r=1.6 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
(b) r=2.4 m
での翼面圧力分布比較
(θ
=180deg:翼が支柱後流内にある場合)
(c) r=3.2 m
での翼面圧力分布比較
(θ
=180deg:翼が支柱後流内にある場合)
2.4 m
r=2.4 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
3.2 m
r=3.2 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
第
4章 支柱が鍔付きディフューザ風車に及ぼす影響
66
(d) r=4.0 m
での翼面圧力分布比較
(θ
=180deg:翼が支柱後流内にある場合)
(e) r=4.8 m
での翼面圧力分布比較
(θ
=180deg:翼が支柱後流内にある場合)
4.0 m
r=4.0 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
4.8 m
r=4.8 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
(f) r=5.6 m
での翼面圧力分布比較
(θ
=180deg:翼が支柱後流内にある場合)
Fig.4.7
θ
=180deg(翼が支柱後流内にある場合)での翼面圧力分布
(a) r=1.6 m
での翼面圧力分布比較
(θ
=60deg:翼が支柱後流外にある場合)
5.6 m
r=5.6 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
1.6 m
r=1.6 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
第
4章 支柱が鍔付きディフューザ風車に及ぼす影響
68
(b) r=2.4 m
での翼面圧力分布比較
(θ
=60deg:翼が支柱後流外にある場合)
(c) r=3.2 m
での翼面圧力分布比較
(θ
=60deg:翼が支柱後流外にある場合)
2.4 m
r=2.4 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
3.2 m
r=3.2 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
(d) r=4.0 m
での翼面圧力分布比較
(θ
=60deg:翼が支柱後流外にある場合)
(e) r=4.8 m
での翼面圧力分布比較
(θ
=60deg:翼が支柱後流外にある場合)
4.0 m
r=4.0 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
4.8 m
r=4.8 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
第
4章 支柱が鍔付きディフューザ風車に及ぼす影響
70
(f) r=5.6 m
での翼面圧力分布比較
(θ
=60deg:翼が支柱後流外にある場合)
Fig.4.8
θ
=60deg(翼が支柱後流外にある場合)での翼面圧力分布
Fig.4.9 r=1.6
~
5.6 mでの翼面圧力分布比較
(θ
=180deg:翼が支柱後流内にある場合)
1.6 m 2.4 m 4.0 m 4.8 m r=5.6 m
3.2 m
r=1.6 m r=2.4 m r=3.2 m r=4.0 m r=4.8 m r=5.6 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
5.6 mr=5.6 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
Fig.4.10 r=1.6
~
5.6 mでの翼面圧力分布比較
(θ
=60deg:翼が支柱後流外にある場合)
Fig.4.9
及び
Fig.4.10の両矢印で示すとおり、集風体内壁側(翼端側)では、支柱後流の内
と外とで、翼スパン方向に対する負圧の増加量が同等である。一方で、翼根側では、支柱 後流外に比べて後流内では負圧の増加量が鈍い (主に
Fig.4.9の点線で囲んだ部分) 。 すなわ ち、支柱後流内にある翼の負圧分布の傾向が、集風体内壁(翼端)に近づくにつれて支柱 後流外にある翼と同等となる。これは、
Fig.4.6に示した集風体内壁側での流れの加速に起 因する。 集風体内壁側 (翼端側) では翼根側に比べて支柱による空気力損失が小さいため、
風車出力の低下が抑制される。一方、 負圧の増加量が大きく変化するロータ半径位置(例:
Fig.4.9
の点線で囲んだ部分と両矢印との境界)において、翼のせん断荷重が大きくなる。
ここで、
Table 4.3の時間進行法について、 「翼無し」では
2次精度陰解法を使用したが、
「翼有り」では計算の発散を防ぐために
1次精度陰解法を使用した。
Fig.4.10の翼面圧力分 布は基本翼断面である
MEL翼の分布
[46]
と定性的に一致することから、
1次精度陰解法でも 十分な計算精度があると考える。したがって、
4.2.2.1項にて「翼無し」と「翼有り」とを 定性的に比較したが、両者の結果には時間進行法の違いの影響は無いと考える。
4.2.2.3
モーメントの変動
Fig.4.11
に、翼及び翼回転領域内のナセルに発生する原点まわりのモーメントの変動履歴
を示す。原点はロータ中心である。モーメント計算に用いた空気力は圧力及びせん断力か ら求めた。
Fig.4.11は風車約1回転分の履歴であり、翼が
3枚あるので同等な波形が
3回あ る。
r=1.6 m r=2.4 m r=3.2 m r=4.0 m r=4.8 m r=5.6 m
回転位置
(deg)(上方
0 deg。時計回り。 )
1.6 m2.4 m 4.0 m 4.8 m r=5.6 m
3.2 m
第
4章 支柱が鍔付きディフューザ風車に及ぼす影響
72 -500
0 500 1000 1500 2000 2500 3000
0 50 100 150 200 250 300 350 400 450
ある翼一枚の回転角 (deg) ※上方(0deg)から時計回り
モ ー メ ン ト ( N ・ m )
トルク
ピッチングモーメント ヨーイングモーメント
Fig.4.11
翼及び翼回転領域内のナセルに発生するモーメントの時間履歴
(風車約1回転分) (ロータ中心まわり。正のモーメントは図中に示す方向。 )
0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60
50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180 190 200 210 220 230 240 250 260 270 280
ある翼一枚の回転角 (deg) ※上方(0deg)から時計回り
支柱(円柱)の抗力係数Cd
120deg回転した先にある翼 が支柱後方にある状態
翼が支柱後方に ある状態
120deg
Fig.4.12
翼の回転角に対する支柱(円柱)の抗力係数
Cdの変化
Fig.4.11
において、後述するような振幅が大きな変動は支柱後流、つまり流れの運動量欠
損によって発生する。 運動量の欠損は支柱の抗力で決まることから、 ここで
Fig.4.11の計算 結果の妥当性確認のため、支柱の抗力係数
Cdを求める。
Cdの定義断面は、ロータ面からロ ータ直径の約
19.5%風上側で、直径
1.2mである。
支 柱 後 流 内 最小トルク
=2118(N
・
m)支柱後流外 平均トルク
=2763(N
・
m)y z
x
① ②
Fig.4.12