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コンパクトタイプの鍔付きディフューザ風車と集風体無しの風車の翼端渦の比較 コンパクトタイプの鍔付きディフューザ風車と集風体無しの風車の翼端渦を比較する。

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第 3 章 鍔付きディフューザ風車の低騒音化メカニズム

の固有値のうち 2 番目に大きな固有値λ 2 が負であれば、それより小さな残る 1 つの固有値は負となるため、その領域が渦と同定さ

3.2.2.2 コンパクトタイプの鍔付きディフューザ風車と集風体無しの風車の翼端渦の比較 コンパクトタイプの鍔付きディフューザ風車と集風体無しの風車の翼端渦を比較する。

Fig.3.12

に、

x=0.2m (= 0.08D)

における

r-

θ断面上の渦度

x

成分コンター図を示す。

Fig.3.12

から、鍔付きディフューザ風車の方が集風体無しの風車より強い翼端渦(赤色)が発生し ていることが分かる。これは、集風体により集められて加速された流入風がディフューザ 内壁近くで特に強められるためである。この現象は、

Fig.3.13

でも観察される。同図は風洞 実験にて計測された

x = 0.0588 D

における風速分布である

[45]

Fig.3.13

には、精度確認のた

め計算結果もプロットしてある。同図から、翼端(

r/D=0.5

)付近での流れの加速の傾向が 実験結果と定性的に合っている。

Fig.3.14(a)

に、コンパクトタイプの鍔付きディフューザ風車と集風体無しの風車における

翼端渦の渦度周方向(θ方向)成分の比較を示す。

Fig.3.14(b)

に、ロータ面(

y-z

断面)と平 行な面上における翼端渦の位置を示す。

Fig.3.14(a)

から、集風体無しの風車に比べて鍔付き ディフューザ風車の方が強い翼端渦が発生するが、同じ距離流下する間に鍔付きディフュ ーザ風車の翼端渦は集風体無しの風車の翼端渦に比べて大きく弱まる。同図から、

x=0.75m

付近では鍔付きディフューザ風車の翼端渦は集風体無しの風車より弱くなり、それより下 流位置では渦として同定不可能になる。 一方、

x=0.75m

付近において集風体無しの風車の翼 端渦は同定可能な大きさである。

なお、安倍らの実験

[42]

によると、集風体無しの風車における翼端渦の渦度θ成分は、ロ

ータ位置からロータ直径の約

50%

の下流位置において約

30%

減衰する。一方、

Fig.3.14(a)

は、ロータ直径

2.5m

40%

である下流位置

1m

において約

85%

減衰しており、実験結果と

比較して渦の崩壊が早い。これは、本計算では、ロータ面から離れるにつれてセルが粗く

なっており、数値粘性の影響が出ているためと考える。しかしながら、集風体の有無によ

り渦崩壊の様相に差異が出ることやその傾向については定性的に一致しており、本計算結

果を解析することにより有用な知見が得られると考える。

3

章 鍔付きディフューザ風車の低騒音化メカニズム

52 (a)

コンパクトタイプの

鍔付きディフューザ風車

(b)

集風体無しの風車

Fig.3.12 x = 0.2 m = 0.08D

における

r-θ

断面での渦度

x

成分の比較(数値計算結果)

0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 u /U

r/D

風洞実験結果 計算結果

Fig.3.13

コンパクトタイプの鍔付きディフューザ風車における、

x = 0.0588 D

の風速

x

成分(

u

)の分布(風洞実験結果

[45]

及び計算結果)

50 30 10 -10 -30 -50 vorticity[1/s]

50 30 10 -10 -30 -50 vorticity[1/s]

(a) (b)

に示した位置での渦度

θ

成分

(b) y-z

断面における翼端渦の軌跡

Fig.3.14

コンパクトタイプの鍔付きディフューザ風車と集風体無しの風車との

渦度

θ

成分の比較(数値計算結果)

(x

:流入風方向、

y:ロータ面横方向、z:ロータ面垂直方向)

3.3 まとめ

鍔付きディフューザ風車の低騒音化メカニズムを解明するため、移動境界法を用いた 3 次元 LES により翼端渦の挙動を解析した。その結果、翼端渦が翼端とディフューザ内壁と の間に誘導渦を発生させ、誘導渦との干渉により翼端渦が弱められることが分かった。以 下に詳細をまとめる。

(1)ロングタイプ及びコンパクトタイプの翼端渦に着目した流れ場

・翼端渦の他に、 翼端とディフューザ内壁との間に誘導渦 (翼端渦と逆向き) が発生する。

これらの渦は、過去の風洞実験

[43]

にて確認された渦と定性的に一致する。

・誘導渦は、ディフューザ内壁の境界層から翼端渦により誘起されると考えられる。これ により、 ディフューザ内壁の流れの剥離が抑制され、 集風加速効果が高まると考えられる。

・ロングタイプの周速比 4.5 での計算結果では、翼端渦と誘導渦は螺旋構造を形成して弱 め合い、集風体内部で消える。風洞実験によると、

x = 0.208[m] = 0.548D

において消えてい る。

・コンパクトタイプでは、誘導渦が部分的に巻き上がって、翼端渦に絡んで弱め合う。し かし、ロングタイプに比べてディフューザ長が短く、渦が消えるための十分な長さがない ため、これらの渦は集風体内部では消えない。集風体出口から出た後にディフューザ内壁 からの剥離渦と干渉することにより消える。

350 300 250 200 150 100 50 0

0 0.25 0.5 0.75 1 x [m]

渦 度

θ

成 分

[1/s]

コンパクトタイプの鍔付きディフューザ風車 集風体無しの風車

下流側 翼端位置

コンパクトタイプの鍔付きディフューザ風車 集風体無しの風車

x [m]

3

章 鍔付きディフューザ風車の低騒音化メカニズム

54

(2) コンパクトタイプと集風体無しの風車の翼端渦の比較

・鍔付きディフューザ風車の方が集風体無しの風車より強い翼端渦が発生する。これは、

鍔付きディフューザ風車では、集風体により集められて加速された流入風がディフューザ 内壁近くで特に強められるためである。

・鍔付きディフューザ風車の強い翼端渦は、流下と共に誘導渦との干渉により急速に弱ま

る。一方、集風体無しの風車の翼端渦は鍔付きディフューザ風車より弱まりにくい。

本章では、ダウンウィンドロータを有する鍔付きディフューザ風車について、支柱を有

するモデルを対象として流れ場解析を行い、支柱が流れ場や翼に加わる力及びモーメント

に及ぼす影響を考察する。

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