第3章 建築工事における作業に関する研究
3.3. 鋼製天井下地・壁下地作業における適用
3.3.2. 鋼製天井下地作業におけるマクロ的な接合の優先順位
鋼製天井下地作業を行うために、先に、必要とされる部材を記述し、作業の順序関係を決める必要が ある。本研究では AHP 手法を用いて部材間の接合の優先順位を決めることとする。まず、接合関係の優 先順位を評価する前に、理屈的に接合できない部材間を抽出し(図.3.3.4)、優先順位の評価の対象外と する。そして、AHP 手法を用いて評価項目と評価対象との得点付けによる重要度を求め(表.3.3.2~
表.3.3.6、図.3.3.5)、最終的に優先順位を決める(表.3.3.7)。
吊りボルト コンクリート天井スラ
ブ(インサート接合) ハンガー 野縁受
建築作業名:鋼製壁下地作業 作業に必要とする部材
クリップ 野縁 天井ボード 天井クロス
図.3.3.3 鋼製天井下地作業のための部材
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鋼製天井下地作業の 部材間の接合作業の 生産性を高めるための
優先順位
作業の無理
作業の無駄
作業のむら
作業の利便
レベル1 レベル2 レベル3
ハンガー
+ 野縁受
クリップ
+ 野縁 野縁受
+ クリップ
野縁
+ 天井ボード 吊りボルト
+ ハンガー コンクリート天井スラブ
(インサート接合)
+ 吊りボルト
部材間の接合の判断
(O)
(O)
(O)
(O)
(X)
天井ボード (X)
+ 天井クロス
(O)
図.3.3.4 鋼製天井下地作業の部材間の接合の優先順位を選定するための部材間の接合の判断
表.3.3.2 「鋼製天井下地作業の部材間の接合作業の生産性を高める」に対するレベル 2 の重要度 作業の無理 作業の無駄 作業のむら 作業の利便 重要度
作業の無理 1 5 2 3 0.09
作業の無駄 1/5 1 1/3 1/2 0.48
作業のむら 1/2 3 1 2 0.16
作業の利便 1/3 2 1/2 1 0.27
CI=0.01
表.3.3.3 鋼製天井下地作業の部材間の「無理」に対する重要度
コンクリート天井スラブ (インサート接合)+
吊りボルト
吊りボルト
+ ハンガー
ハンガー
+ 野縁受
野縁受
+ クリップ
クリップ
+ 野縁
重要度 コンクリート天井スラブ
(インサート接合)+
吊りボルト 1 1 1/4 1/2 1/2 0.31
吊りボルト
+
ハンガー 1 1 1/4 1/2 1/2 0.31
ハンガー
+
野縁受 4 4 1 2 2 0.08
野縁受
+
クリップ 2 2 1/2 1 1 0.15
クリップ
+
野縁 2 2 1/2 1 1 0.15
CI=0.00
表.3.3.4 鋼製天井下地作業の部材間の「無駄」に対する重要度
コンクリート天井スラブ (インサート接合)+
吊りボルト
吊りボルト
+ ハンガー
ハンガー
+ 野縁受
野縁受
+ クリップ
クリップ
+ 野縁
重要度 コンクリート天井スラブ
(インサート接合)+
吊りボルト 1 2 1/5 1/2 1/3 0.26
吊りボルト
+
ハンガー 1/2 1 1/7 1/4 1/5 0.46
ハンガー
+
野縁受 5 7 1 3 2 0.05
野縁受
+
クリップ 2 4 1/3 1 1/2 0.14
クリップ
+
野縁 3 5 1/2 2 1 0.09
CI=0.01
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表.3.3.5 鋼製天井下地作業の部材間の「むら」に対する重要度
コンクリート天井スラブ (インサート接合)+
吊りボルト
吊りボルト
+ ハンガー
ハンガー
+ 野縁受
野縁受
+ クリップ
クリップ
+ 野縁
重要度 コンクリート天井スラブ
(インサート接合)+
吊りボルト 1 1 1/7 1/3 1/4 0.36
吊りボルト
+
ハンガー 1 1 1/7 1/3 1/4 0.36
ハンガー
+
野縁受 7 7 1 3 2 0.05
野縁受
+
クリップ 3 3 1/3 1 1/2 0.14
クリップ
+
野縁 4 4 1/2 2 1 0.09
CI=0.01
表.3.3.6 鋼製天井下地作業の部材間の「利便」に対する重要度
コンクリート天井スラブ (インサート接合)+
吊りボルト
吊りボルト
+ ハンガー
ハンガー
+ 野縁受
野縁受
+ クリップ
クリップ
+ 野縁
重要度 コンクリート天井スラブ
(インサート接合)+
吊りボルト 1 3 1/6 1/2 1/3 0.23
吊りボルト
+
ハンガー 1/3 1 1/8 1/4 1/6 0.51
ハンガー
+
野縁受 6 8 1 3 2 0.05
野縁受
+
クリップ 2 4 1/3 1 1/2 0.13
クリップ
+
野縁 3 6 1/2 2 1 0.08
CI=0.01
鋼製壁下地作業の 部材間の接合作業の 生産性を高めるための
優先順位
作業の無理 の重要度
作業の無駄 の重要度
作業のむら の重要度
作業の利便 の重要度
レベル1 レベル2
部材間の接合
0.31 作業の無理
の重要度
作業の無駄 の重要度
作業のむら の重要度
作業の利便 の重要度
0.26 0.36 0.23
0.31 0.46 0.36 0.51
0.08 0.05 0.05 0.05
0.15 0.14 0.14 0.13 0.09
0.48
0.16
ハンガー
+ 野縁受 野縁受
+ クリップ 吊りボルト
+ ハンガー コンクリート天井スラブ
(インサート接合)
+ 吊りボルト
クリップ
+ 野縁
0.15 0.09 0.09 0.08 レベル3
図.3.3.5 鋼製天井下地作業の部材間の接合の優先順位を選定するための評価項目に対する接合方法 の重要度
表.3.3.7 に示すように、評価項目と部材の重要度によって「吊りボルトとハンガー」が優先順位 1 位 と2位と選び、「コンクリート床板(インサート接合)と吊りボルト」が優先順位 3 位となる。これを 基にして優先順位通り接合を行った作業プロセスを作成すると下記の図.3.3.6 となる。
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表.3.3.7 評価項目と部材の重要度による優先順位
レベル2の評価項目(重要度) 部材間の接合 順位
コンクリート天井スラブ(インサート接合)+
吊りボルト(0.31) 0.09*0.31 0.03 吊りボルト+ハンガー(0.31) 0.09*0.31 0.03 ハンガー+野縁受(0.08) 0.09*0.08 0.01 野縁受+クリップ(0.15) 0.09*0.15 0.01 クリップ+野縁(0.15) 0.09*0.15 0.01 コンクリート天井スラブ(インサート接合)+
吊りボルト(0.26) 048*0.26 0.12 3 吊りボルト+ハンガー(0.46) 0.48*0.46 0.22 1
ハンガー+野縁受(0.05) 0.48*0.05 0.02 野縁受+クリップ(0.14) 0.48*0.14 0.07 4
クリップ+野縁(0.09) 0.48*0.09 0.04 9 コンクリート天井スラブ(インサート接合)+
吊りボルト(0.36) 0.16*0.36 0.06 7 吊りボルト+ハンガー(0.36) 0.16*0.36 0.06 7
ハンガー+野縁受(0.05) 0.16*0.05 0.01 野縁受+クリップ(0.14) 0.16*0.14 0.02 クリップ+野縁(0.09) 0.16*0.09 0.01 コンクリート天井スラブ(インサート接合)+
吊りボルト(0.23) 0.27*0.23 0.06 7 吊りボルト+ハンガー(0.51) 0.27*0.51 0.14 2
ハンガー+野縁受(0.05) 0.27*0.05 0.01 野縁受+クリップ(0.13) 0.27*0.13 0.04 9
クリップ+野縁(0.08) 0.27*0.08 0.02 レベル2とレベル3による
重要度
作業の無理
(0.09)
作業の無駄
(0.48)
作業のむら
(0.16)
作業の利便
(0.27)
コンクリート 天井スラブ
(インサート接合)
吊りボルト ハンガー 野縁受 クリップ 野縁 天井ボード 天井クロス
建築作業名:鋼製天井下地作業に 必要とする部材
吊りボルトとハンガー を接合する
吊りボルト
+ハンガー
コンクリート 天井スラブと吊りボルトを
接合する
野縁受とクリップを 接合する
野縁受
+クリップ
コンクリート天井ス ラブ+吊りボルト+
ハンガー
ハンガーと 野縁受を接合する
コンクリート天井スラブ+吊りボ ルト+ハンガー+野縁受
野縁受と野縁を 接合する
コンクリート天井スラブ+吊りボル ト+ハンガー+野縁受+野縁
野縁と天井ボードを 接合する
コンクリート天井スラブ+吊りボルト+
ハンガー+野縁受+野縁
天井ボードと天井 クロスを接合する
鋼製天井下地の完成
図.3.3.6 鋼製天井下地作業の接合順序図