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部材の機能分析と作業プロセスの計画

第4章 建築工事における作業プロセスの計画に関する研究

4.2. 作業プロセスの計画

4.2.3. 部材の機能分析と作業プロセスの計画

建築工事における作業の流れを表現するために、行う作業を分析した後、その作業の進み方を表現す る作業プロセスの計画方法が必要である。

A.作業の分析

作業プロセスを作成するためには、まず、行う作業の部材を分析する必要がある。そのためには、作 業を行う対象の部材を把握し(図.4.2.19)、その部材の機能分析(表.4.2.3)を行い、部材間の接合関係 (図.4.2.20)を作成することによって、作業プロセスの計画のための情報として扱う。ここでは、天井 工事である鋼製床下地を事例として機能分析することとした。

大引 根太

支持台

調整ボルト 調整ナット

図.4.2.19 鋼製床下地の部材の名称

表.4.2.3 鋼製床下地の部材の機能分析

根太 床荷重を大引に伝え、力を分散させる。

【大引き割り付けを行い、配置させる。】 一定の間隔で根太を並べるようにする。 大引

床の接合箇所を与える 床を形成するための横長さを与える 床の荷重を大引に伝える 大引

コンクリートにしっかり固定して引き抜けに対抗し、コ ンクリート床板下部にネジ穴を形成する。

【大引き割り付けを行い、配置させる。】

一定の間隔で大引を並べるようにする。 根太

緩衝材

根太の接合箇所を与える 床を形成するための横長さを与える 根太の荷重を緩衝材に伝える

緩衝材 大引からの衝撃を吸収し、緩和させる。

【大引と緩衝材をしっかり固定する。】 大引と緩衝材をしっかり固定する。

大引 調整ナット 調整ボルト

大引の荷重を支持台に伝える 大引の接合箇所を与える 大引からの衝撃を吸収する 調整ナット 緩衝材下部と支持台上部を接合する。

【レベルを調整し、固定する。】

緩衝材下部と支持台上部の接合部位が所定の長さ 調整が出来た後、しっかり固定する。

緩衝材 調整ボルト

支持台

緩衝材と調整ボルトを接合させる 支持台と調整ボルトを接合させる

調整ボルト

緩衝材下部と支持台上部の接合箇所を与え、高さも 調整する

【レベルを調整する。】

緩衝材下部と支持台上部の接合部位が所定の長さ 調整が出来るようにする。

緩衝材 調整ナット

支持台

緩衝材の接合箇所を与える 支持台の接合箇所を与える 緩衝材と支持台の高さを調整する 緩衝材の荷重を支持台に伝える 支持台 床全体の荷重を支える。

【コンクリート床面をよく清掃し、基準墨出しをする。】

床全体の荷重を支えるように十分な配置計画をす る。

調整ボルト 調整ナット

調整ボルトの荷重を支える 調整ボルトの接合箇所を与える 部材

部材が果たす完成時の機能

【部材が果たす作業時の機能】

-VE手法の第1次レベル-制約条件 接合関係 部材の機能定義

-VE手法の第2次レベル-115

・大引の荷重を支持台に伝える

・大引の接合箇所を与える

・大引からの衝撃を吸収する

大引

緩衝材 根太

支持台

Yに固定され、大引を支える Yを固定する Y

を固定する

Yに固定され、床の接合箇所を与える

調整ナット

Yを固定する Yを通して緩衝材を固定する

・緩衝材の接合箇所を与える

・支持台の接合箇所を与える

・緩衝材と支持台の高さを調整する

・緩衝材の荷重を支持台に伝える 調整ボルト

Yを通して支持台と繋げる

Yを通して高さを調整する

Y

を通して高さを調整する

・緩衝材と調整ボルトを接合させる

・支持台と調整ボルトを接合させる

:X

Y

に対して意図する機能 凡例)

Yを固定する

Yを通して固定される

・調整ボルトの荷重を支える

:部材

・調整ボルトの接合箇所を与える

:部材間の接合関係が重ねている所

Yを固定する Yに固定され、根太の接合箇所を与える

Yを通して緩衝材と繋げる

・床の接合箇所を与える

・床を形成するための横長さを与える

・床の荷重を大引に伝える

・根太の接合箇所を与える

・床を形成するための横長さを与える

・根太の荷重を緩衝材に伝える

図.4.2.20 鋼製床下地の部材間の接合関係

B.作業の並行化・協調化

建築作業における作業プロセスの立案時においては、作業内容とその作業の順序関係を検討し、各作 業の手順を明確にしながら作業プロセスを立案していく必要がある。

大沢

3)

は、建物要素の細分化による作業の並行化、作業チームの編成による作業の協調化によって工 期の短縮や投入資源の最適化を図ると示した。

そこで、本研究では作業プロセスの計画の際に、作業の並行化と作業の協調化の検討を行うこととし、

それによって作業の生産性を向上させる。下記の図.4.2.21は、作業プロセスを作成するための作業の 並行化・協調化の検討の流れである。

①作業の並行化の検討

1)同一作業空間(工区・作業場)において、同時に複数の作業が並行して実施できる作業同士を作業 プロセス上に並行化し、それらの順序関係の再検討を行う。

2)作業プロセスの計画の際、図.4.2.1の作業プロセスの作成のフォームに従って、表.4.2.3を基に 作業手順番号の一つの軸上に並行化された「状態」又は「行為」を記述する。

②作業の協調化の検討

1)同一作業空間(工区・作業場)において、同一作業(1つの作業の固まり;例)ランナーの加工とスタ

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ッドの加工、ランナーの計測とスタッドの計測等)に関した作業チームが編成できる作業、又は、次 の作業のためにまとめて作業を行う方が効率的になる作業を協調化し、それらの順序関係の再検討 を行う。

2)作業プロセスの計画の際、図.4.2.1の作業プロセスの作成のフォームに従って、表.4.2.3を基に 作業順序番号の一つの軸上に並行化された「状態」又は「行為」を記述する。

注1.A、B、C 又は a、b、c:作業の内容 (この事例では、行為のみの連鎖の場合である) 2.本事例の“作業1”と“作業2”は、ある作業の全体の一部の各作業である。

3.本事例においてはダミーアローを用いているが、理解のための表現であるので、ネットワーク手法でのダミーアローとは異なる。

(作業情報)

1.A作業、B作業、a作業は並行   して実施可能な作業である。

2.C作業、b作業は並行して    実施可能な作業である。

作業の並行化 (Parallel connection

)

(作業情報)

E作業とF作業、c作業とd作業 は同一作業で作業チームを編 成可能な作業である。

作業の協調化

(Coordination connection

)

作業2 作業1と作業2における作業

の並行化・協調化の検討

作業1と作業2の並行化・協調化 の検討による作業プロセス 作業1

B A

C D

E F

G

a b

c d

e f g h

B

A a

C b

D c d

E F

G

e f g h

B

A a

C b

D

c d

E F

G e

f g h

図.4.2.21 作業の並行化・協調化の検討

C.作業の並行化・協調化の検討の記述様式

作業の並行化・協調化の検討を行う際、それぞれを識別できるように本研究では記述の様式を決める こととした(表.4.2.4)。

表.4.2.4 作業の並行化・協調化の検討の記述様式

記号 名称 内容 記述の位置

区分マーク 作業の並行化・協調化、それ以外の作業をそれぞれ区分 させるための枠である。

「状態」および「行為」の作業を示す。

 “   ”と“   ”を囲む

PN(-n) 作業の並行化

作業の並行化の対象となる作業に付ける表示である。

N:作業順序番号, n:グループ番号

ただし、グループが単独である場合は“n”を省略する。

区分マークの上部の左側に記述する。

CN(-n) 作業の協調化

作業の協調化の対象となる作業に付ける表示である。

N:作業順序番号, n:グループ番号)

ただし、グループが単独である場合は“n”を省略する。

区分マークの上部の右側に記述する。

LN

作業の並行化・協調化に該当しない作業に付ける表示で ある。

N:作業順序番号

区分マークの中部の左側に記述する。

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