●Fターム (FT)
1.4 技術開発の課題と解決手段
1.4.6 金属・合金皮膜
金属・合金皮膜の課題と解決手段を図 1.4.6 に示す。さらに、具体的課題および解決手 段に対応する出願状況を表 1.4.6‑1 に示す。また、課題と解決手段に対応する出願人状況 を表 1.4.6‑2 に示す。
1 7 29 1 12 10 3 12 3
6 11 16 2 5 1
3 6 6 1 1 6 2
2 1 2 1
4 1 1 1
1 9 2 2 2
1 3 4 2 7 3 1 3 4
3 2 7 2 3
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
図 1.4.6 金属・合金皮膜の課題と解決手段
装 置 の 構 成 ・ 構 造
成 膜 条 件 の 制 御
前 処 理 ・ 後 処 理
成 膜 操 作
皮 膜 の 構 造
皮 膜 の 構 成
皮 膜 原 料 の 選 択
皮 膜 の 材 質 ・ 特 性
基 体 表 面 の 性 状
基 体 材 質 の 選 定
解決手段
基体の特性 皮膜の特性 成膜操作・装置
機械的機能の付与 熱的・化学的 機能の付与 複合機能の付与 意匠性・電磁 気的機能の付与 皮膜の品質向上 密着性の向上 被覆物の品質向上 成膜操作・制 御性の向上 コスト低減・
生産性の向上 課 題 経 済 性 の 向 上 品 質 の 向 上
1991 年 1 月 以 降 出 願 さ れ 2003 年 7 月 ま で に 公 開 さ れ た 特 許 ・ 実 用 新 案
表 1.4.6‑1 金属・合金皮膜の課題と解決手段に対応する出願件数
基 体 形 状
・ 組 成
・ 構 造 の 調 整
基 体 表 面 特 性 の 調 整
・ 改 質
皮 膜 材 質
・ 組 成 の 改 善
皮 膜 特 性 の 設 定
原 料 材 質
・ 組 成 の 選 択
原 料 粒 子 の 粒 径
・ 構 造
基 体 と 皮 膜 と の 組 合
被 膜 部 位
・ 範 囲 の 特 定
複 層 / 皮 膜 の 組 合 せ
繰 返 し / 交 互 積 層
中 間 層 の 材 質
・ 組 成
・ 構 造
下 地 層 の 材 質
・ 組 成
・ 構 造
表 面 層 の 材 質
・ 組 成
・ 構 造
皮 膜 組 織 の 構 造
結 晶 粒 子 の 形 状
分 散 構 造
成 膜 方 法
・ 工 程 の 選 択
成 膜 条 件 の 操 作
基 体 表 面 の 清 浄 化
・ 平 滑 化 等
槽 内︑ 反 応 室 の 前 処 理
膜 質 の 改 善
皮 膜 表 面 の 硬 化
・ 改 質
温 度
・ 圧 力 の 制 御
時 間
・ 流 量 等 の 制 御
装 置 の 構 成
装 置 の 構 造
摺動特性の向上 1 4 1 1 2 1 2
耐摩耗性の向上 1 5 19 5 1 3 2 2 2 1 3 2 3 2 4 3 1 1
硬度・強度の向上 1 1 2 1
欠損性・なじみ性等の機
能付与 1
耐熱性の向上 1 1 1
断熱特性の向上 1 1
熱疲労・溶損性等の特 性向上
耐腐食性の向上 1 5 7 3 1 8 3 2 1 2 1 1 その他の化学的機能の
向上 1
1 2 6 3 1 2 1 1 5 1 1 1
電磁気的機能の付与
1 意匠性の付与
1 1 2 1
耐割れ性・耐剥離性等
の改善 3 1 1 1 1
耐劣化性・耐汚れ性の 防止
皮膜品質の向上 膜厚特性の向上 皮膜表面品質の向上
1 3 2 3 1 2 2 1 1
信頼性の向上 1 1 1 1 1 1
安定性・安全性の向上 1 1 2 1 1 2 1 1 1 1 1 2 取扱性等の向上
被覆物の性能向上 1 1 2 2 1
被覆物の高精度化 適用性の拡大等 成膜精度の向上 成膜操作の信頼性・安 全性の向上
制御性の向上 成膜条件の緩和
成膜効率の向上 1 1 2 1 1 1 1
稼働率の向上 1 1
成膜コストの削減 3 2 1 1
被覆物・装置に対するコ スト削減
成 膜 条 件 の 制 御
装 置 の 構 成
・ 構 造 成
膜 操 作
機械的 機能の 付与
熱的・
化学的 機能の 付与
皮 膜 の 構 成
皮 膜 の 構 造 基
体 表 面 の 性 状
皮 膜 の 材 質
・ 特 性
皮 膜 原 料 の 選 択 基
体 材 質 の 選 定
被覆物 の品質 向上
成膜操 作・制 御性の 向上
コスト 低減・
生産性 の向上 複合機能の付与 意匠
性・電 磁気的 機能の 付与
皮膜の 品質向 上
密着性の向上 解決手段
課題
金属・合金皮膜においては、機械的機能の付与および熱的・化学的機能の付与が主な課 題となっており、金属・セラミックス混合皮膜における課題とほぼ同じ傾向を示している。
これらの課題に対する解決手段も、金属・セラミックス混合皮膜における解決手段とほ ぼ同様な傾向で、皮膜の材質や特性の選択および皮膜の構成によるものが多い。次いで、
皮膜の構造によるものおよび前処理・後処理によるものとなっている。
金属・セラミックス混合皮膜に比較して、金属・合金系皮膜では、機械的機能および熱 的・化学的機能を複合化させた機能の向上という課題の比率がやや高くなっている。複合 化機能を付与する手段としては、皮膜の材質や特性の選択、皮膜の構成および前処理・後 処理によるものがある。
出願件数の多いのは、新日本製鐵、神戸製鋼所および日本ピストンリングの3社である。
この3社においては、いずれも機械的機能の付与が最大の課題となっている。他の課題 に関しては、新日本製鐵および神戸製鋼所ともに少しずつは取上げているのに対して、日 本ピストンリングにおいては、被覆物の品質向上が目立っている。これは、新日本製鐵お よび神戸製鋼所が材料メーカーとして、製造工程で用いられる各種ロールやその他の装置 において機材表面の耐摩耗性、耐食性あるいは耐熱性の向上などが必要であることの表れ で あ る 。 一 方 、 日 本 ピ ス ト ン リ ン グ に お い て は 、 自 動 車 用 変 速 機 の 分 野 で 、 近 年 、 ミ ッ ションの高級化、高性能化に伴って、確実な作動性はもとより操作感にも高級感やスポー ティー感が求められ、このためシンクロナイザーリングの内周面の摩擦特性および耐摩耗 性をさらに向上させることが求められている。この解決を目指して、日産自動車との共同 研究が行われてきたが、その成果がこの出願傾向に反映している。
機械的機能付与に関しては、新日本製鐵は主に皮膜の特性により解決しているのに対し、
神戸製鋼所は基体の特性による手段と成膜操作・条件による解決手段を講じている。日本 ピストンリングは、皮膜材質・特性による解決手段に特化している。
表 1.4.6‑2 金属・合金皮膜の課題と解決手段に対応する出願人(1/4)
解 決 手 段 基 体 の 特 性 皮 膜 の 特 性
課 題
基 体 材 質 の
選 定 基 体 表 面 の 性 状 皮 膜 の 材 質 ・ 特 性 皮 膜 原 料 の 選
択 皮 膜 の 構 成 皮 膜 の 構 造
機械的機能の付与
1 ボ ル ボ
7
神 戸 製 鋼 所 3 モ ン ト リ オ − ル ト ラ ス ト ・ C O オ ブ ・ カ ナ ダ 共 美 産 業 + 青 山 眼 鏡
三 菱 電 機 日 立 造 船
29
日 本 ピ ス ト ン リ ン グ +日 産 自 動 車 5 帝 国 ピ ス ト ン リ ン グ 3
日 本 ピ ス ト ン リ ン グ 3
新 日 本 製 鐵 2 神 戸 製 鋼 所 2 大 同 特 殊 鋼 2 大 豊 工 業 2 ズ ル ツ ァ − ・ メ ト コ
ト ピ − 工 業 ブ リ ヂ ス ト ン UT
リ ケ ン
新 日 本 製 鐵 + 日 鉄 ハ − ド
東 芝 日 立 建 機 本 田 技 研 工 業 ス ズ キ
1
住 友 金 属 鉱 山 12
三 菱 重 工 業 2 ま つ お か ソ ニ − ブ リ ヂ ス ト ン ユ ニ シ ア ジ エ ッ ク ス
レ イ セ オ ン 三 井 造 船 新 日 本 製 鐵 大 豊 工 業 +豊 田 自 動 織 機 製 作 所 東 芝 タ ン ガ ロ イ 日 本 精 工
10
本 田 技 研 工 業 3 大 豊 工 業 2 エ ム ・ ア イ ・ ケ − ダ イ ム ラ − ・ ベ ン ツ
ト − カ ロ 新 日 本 製 鐵 豊 田 中 央 研 究 所
熱的・化学的機能の付与
6
住 友 金 属 工 業 2 神 戸 製 鋼 所 2 三 菱 重 工 業 日 本 軽 金 属
11
日 立 製 作 所 3 MTU
シ チ ズ ン 時 計 フ ル ヤ 金 属 ホ − メ ッ ト ・ リ サ
− チ
三 菱 マ テ リ ア ル 住 友 金 属 工 業 新 日 本 製 鐵 神 戸 製 鋼 所
16
マ ス コ 7 GE2
カ ン メ タ エ ン ジ ニ ア リ ン グ ジ − メ ン ス ホ − メ ッ ト ホ リ カ ワ 松 下 電 器 産 業 石 川 島 播 磨 重 工 業 +富 士 岐 工 産 東 芝 機 械
複合機能の付与
3
新 日 本 製 鐵 神 戸 製 鋼 所 日 立 製 作 所
6
J F E +ト − カ ロ 荏 原 製 作 所 新 日 本 製 鐵 神 戸 製 鋼 所 東 芝 日 立 製 作 所
6
バ ブ コ ッ ク 日 立 三 井 金 属 鉱 業 住 友 金 属 工 業 大 阪 富 士 工 業 +金 属 技 研
日 新 製 鋼 日 本 ピ ス ト ン リ ン グ
1
シ チ ズ ン 時 計
意匠性・電磁気的機能の付与
2
シ チ ズ ン 時 計 電 気 化 学 工 業
1
神 戸 製 鋼 所
品質の向上
皮膜の品質向上
4
UT 三 島 光 産 新 日 本 製 鐵 新 日 本 製 鐵 + 日 鉄 ハ − ド
1
住 友 金 属 工 業 +大 阪 富 士 工 業
1
日 本 科 学 エ ン ジ ニ ア リ ン グ + プ ロ ト ニ ク ス 研 究 所 + フ ジ キ ン
ボ ル ボ :ボ ル ボ ・ コ ン ス ト ラ ク シ ヨ ン ・ イ ク イ ツ プ メ ン ト ・ コ リ ア MTU:エ ム ・ テ − ・ ユ − ・ モ ト − レ ン ・ ウ ン ト ・ ツ ル ビ − ネ ン ・ ウ ニ オ ン G E :ジ ェ ネ ラ ル ・ エ レ ク ト リ ッ ク U T :ユ ナ イ テ ツ ド ・ テ ク ノ ロ ジ − ズ J F E :J F E ホ ー ル デ ィ ン グ ス
表 1.4.6‑2 金属・合金皮膜の課題と解決手段に対応する出願人(2/4)
解 決 手 段
成 膜 操 作 ・ 装 置
課 題
成 膜 操 作 前 処 理 ・ 後 処 理 成 膜 条 件 の 制 御 装 置 の 構 成 ・ 構 造
機械的機能の付与
3
オ リ ン パ ス 新 日 本 製 鐵 神 戸 製 鋼 所
12
ト ヨ タ 自 動 車 2 JFE+ト − カ ロ
プ ラ ク ス エ ア ・ エ ス テ ィ − ・ テ ク ノ ロ ジ − 神 戸 製 鋼 所 + 神 鋼 パ ン テ ッ ク +ト − カ ロ 石 川 島 播 磨 重 工 業 大 阪 府 + 日 本 ア ル ミ ニ ウ ム 工 業
大 豊 工 業 + 豊 田 自 動 織 機
東 芝 東 芝 機 械 日 野 自 動 車 工 業 立 石 電 機
3
プ ラ ク ス エ ア ・ エ ス ・ テ ィ − ・ テ ク ノ ロ ジ −
新 日 本 製 鐵 神 戸 製 鋼 所
熱的・化学的機能の付与
2 東 芝 日 本 軽 金 属
5
ト − カ ロ +東 芝 新 日 本 製 鐵 川 崎 重 工 業
村 田 ボ − リ ン グ 技 研 日 本 軽 金 属
1
イ オ ン 工 学 研 究 所 + 石 川 島 播 磨 重 工 業
複合機能の付与
1
JFE+東 芝 機 械 6
ヨ シ ザ ワ エ ル エ − 2 住 友 金 属 工 業 神 戸 製 鋼 所 島 根 県 日 鉄 ハ − ド
2
第 一 高 周 波 工 業 日 新 電 機
意匠性・電磁気的機能の付与
2
神 戸 製 鋼 所 2 1
三 菱 マ テ リ ア ル
品質の向上
皮膜の品質向上
1
JFE+東 芝 機 械
表 1.4.6‑2 金属・合金皮膜の課題と解決手段に対応する出願人(3/4)
解 決 手 段 基 体 の 特 性 皮 膜 の 特 性
課 題
基 体 材 質 の
選 定 基 体 表 面 の 性 状 皮 膜 の 材 質 ・ 特 性 皮 膜 原 料 の 選
択 皮 膜 の 構 成 皮 膜 の 構 造
密着性の向上
1
神 戸 製 鋼 所
9
JFE
レ − ザ − 応 用 工 学 研 究 所 ロ − ル ス ・ ロ イ ス
新 日 本 製 鐵 神 戸 製 鋼 所 田 中 貴 金 属 工 業 日 本 ウ ェ ル デ ィ ン グ ロ ッ ド +中 越 合 金 鋳 工 日 本 ピ ス ト ン リ ン グ
ス ズ キ
2
井 上 明 久 + シ チ ズ ン 時 計
日 立 ツ − ル + バ ル ツ エ ル ス
品質の向上
被覆物の品質向上
1
新 日 本 製 鐵 3 キ ヤ ノ ン GE
三 菱 マ テ リ ア ル 4 ホ − ヤ 古 河 電 気 工 業 日 本 ピ ス ト ン リ ン グ
日 本 真 空 技 術 2
石 川 島 播 磨 重 工 業 +ス ル ザ − メ テ コ ジ ャ パ ン
東 京 タ ン グ ス テ ン
7
新 日 本 製 鐵 3 グ リ コ 共 立
三 菱 マ テ リ ア ル 東 レ
3
日 野 自 動 車 工 業 + 日 本 ピ ス ト ン リ ン グ 2
東 芝
経済性の向上
コスト低減・生産性の向上
3
ダ イ ム ラ − ・ ク ラ イ ス ラ − 2 新 日 本 製 鐵
2
ク ボ タ
新 日 本 製 鐵 +富 士 岐 工 産
GE:ジ ェ ネ ラ ル ・ エ レ ク ト リ ッ ク グ リ コ :グ リ コ ・ メ タ ル ・ ウ エ ル ケ ・ グ リ コ ・ ベ − ・ フ ア ウ