1 重点 プロジェクトの考 え方
持続可能な水産業・漁村の構築を実現するためには、「漁業生産」、「収益」、「資本蓄積」、
「再投資」といった経済サイクルが円滑に回転していく必要がありますが、水産業を取り巻く社 会・経済情勢が変化する中、それぞれの段階において以下の課題を抱えています。
◇「漁業生産」;資源の減少や魚種の変遷による有用魚種の減少
◇「収 益」;魚価低迷や燃油などの価格高騰に伴う経費増大による収益性の低下
◇「資本蓄積」;収益の低下に伴う債務の増加や漁船及び設備の老朽化
◇「再 投 資」;資本の減少により再投資が進まず、代船や設備更新が困難
こ の た め 、 資 源 回 復 や 収 入 の 安 定 に 係 る 対 策 な ど に 取 り 組 ん で い る と こ ろ で は あ り ま す が、この経済サイクルを強力に推進するためには、これまでの取組を強化するのみではなく、
一貫した総合的な課題解決のためのアプローチが重要となっています。
具体的には、「漁業生産」及び「収益」段階にあっては、資源水準が高い魚種や回遊性魚 種などのより積極的な資源の利活用を促進するとともに、これらを収益に繋げるため、産直取 引や加工・業務向け製品の拡大など、変化する流通形態やマーケットニーズに対応できる産 地体制の構築を図る必要があります。
また、「収益」及び「資本蓄積」段階では、漁船の小型化などの収益性の改善実証を進める とともに、これらを広く普及し、厳しい状況下でも収益が確保できる高収益型漁業への転換を 進めていく必要があります。
これらの取組を確実に実施することにより本県漁業の成長産業化への構造改革を実現す ると ともに、「再投資」段階では、漁業者の積極的な再投資や新規 参入及び承継を進めるた め、高収益型漁業への転換や参入リスクの軽減を支援する仕組みづくりにより、将来の地域 を担う漁業経営体が安心して漁業に着業できる環境を整備することが重要です。
さらに、 こ のような 取組 を一 貫し たシス テム パッ ケー ジ として 進め るこ とが重要 であり、 その ためには、漁業者も勿論のこと、水産関係団体などの関係者が危機感を持って連携・協力し ていくことが必要不可欠です。
このような観点から、以下の4つの視 点による重点プロジェクトを展開し、持続可能な本県 水産業・漁村の構築を実現します。
<視点Ⅰ>「資源の利活用の促進」
資源利用のあり方に係る関係者協議や資源水準が高い魚種の活用を促す施策の強化
〔余剰資源の利用方法(販売先の確保など)も含めた取組が必要〕
<視点Ⅱ>「高収益型漁業の構築・普及」
漁業の抜本的な再生に向けた高収益漁業の構築・普及に係る施策の強化
〔特に、取組が遅れている沿岸漁業の強化が必要〕
<視点Ⅲ>「新規参入・承継の促進」
経営体の減少に歯止めをかけるため、事業承継や新規参入を促進する施策の強化
〔漁業資産のマネジメントによる事業承継の仕組みが必要〕
<視点Ⅳ>「関係者の連携・協力」
視点Ⅰ~Ⅲの強化には、系統団体及び水産関連産業全ての連携・協力が必要不可欠
〔漁協系統団体の原動力の確保が必要〕
<収 益>
・燃油資材高騰
・魚価低迷
・収益悪化
<資本蓄積>
・債務の増加
・漁船の老朽化
・設備の老朽化
<漁業生産>
・資源の減少
・有用魚種の変遷
<再 投 資>
・代船問題
・設備更新問題
資 源 の 利 活 用 の 促 進
視点Ⅰ
高 収 益 型 漁 業 の 構 築
・ 普 及
視点Ⅱ
新規参入・承継の促進
視 点 Ⅲ
関係者の連携・協力
視 点 Ⅳ
第2章 重点プロジェクト
1 重点 プロジェクトの考 え方
持続可能な水産業・漁村の構築を実現するためには、「漁業生産」、「収益」、「資本蓄積」、
「再投資」といった経済サイクルが円滑に回転していく必要がありますが、水産業を取り巻く社 会・経済情勢が変化する中、それぞれの段階において以下の課題を抱えています。
◇「漁業生産」;資源の減少や魚種の変遷による有用魚種の減少
◇「収 益」;魚価低迷や燃油などの価格高騰に伴う経費増大による収益性の低下
◇「資本蓄積」;収益の低下に伴う債務の増加や漁船及び設備の老朽化
◇「再 投 資」;資本の減少により再投資が進まず、代船や設備更新が困難
こ の た め 、 資 源 回 復 や 収 入 の 安 定 に 係 る 対 策 な ど に 取 り 組 ん で い る と こ ろ で は あ り ま す が、この経済サイクルを強力に推進するためには、これまでの取組を強化するのみではなく、
一貫した総合的な課題解決のためのアプローチが重要となっています。
具体的には、「漁業生産」及び「収益」段階にあっては、資源水準が高い魚種や回遊性魚 種などのより積極的な資源の利活用を促進するとともに、これらを収益に繋げるため、産直取 引や加工・業務向け製品の拡大など、変化する流通形態やマーケットニーズに対応できる産 地体制の構築を図る必要があります。
また、「収益」及び「資本蓄積」段階では、漁船の小型化などの収益性の改善実証を進める とともに、これらを広く普及し、厳しい状況下でも収益が確保できる高収益型漁業への転換を 進めていく必要があります。
これらの取組を確実に実施することにより本県漁業の成長産業化への構造改革を実現す ると ともに、「再投資」段階では、漁業者の積極的な再投資や新規 参入及び承継を進めるた め、高収益型漁業への転換や参入リスクの軽減を支援する仕組みづくりにより、将来の地域 を担う漁業経営体が安心して漁業に着業できる環境を整備することが重要です。
さらに、 こ のような 取組 を一 貫し たシス テム パッ ケー ジ として 進め るこ とが重要 であり、 その ためには、漁業者も勿論のこと、水産関係団体などの関係者が危機感を持って連携・協力し ていくことが必要不可欠です。
このような観点から、以下の4つの視 点による重点プロジェクトを展開し、持続可能な本県 水産業・漁村の構築を実現します。
<視点Ⅰ>「資源の利活用の促進」
資源利用のあり方に係る関係者協議や資源水準が高い魚種の活用を促す施策の強化
〔余剰資源の利用方法(販売先の確保など)も含めた取組が必要〕
<視点Ⅱ>「高収益型漁業の構築・普及」
漁業の抜本的な再生に向けた高収益漁業の構築・普及に係る施策の強化
〔特に、取組が遅れている沿岸漁業の強化が必要〕
重点PJ-1 未来へつなぐ漁業担い手プロジェクト
戦略の内容 重点PJ-1 未来へつなぐ漁業担い手プロジェクト 高収益漁業への転換や承継の促進による将来を担う漁業経営体の確保
本県 では、 漁 船の小 型化 や操 業形 態の変 更による高収 益漁業モ デルの実 証が取り組 ま れ 、 かつ お 一 本 釣 漁 業 や 中 型 ま き 網 漁 業 の 一 部 で は 収 益 性 の 向 上 が確 認 さ れ て い ま す 。 しかし、燃油価格の高止まりなどの影響による蓄積資本の減少により、高収益漁業への転 換が進まない状況にあり、結果として、漁業経営体の減少が加速しています。
また、漁業経営体の減少が著しい沿岸漁業では、その取組自体が遅れていることから、早 急に着手するとともに、漁業種類の組み合わせによる高収益化・新技術の導入など、本県漁 業の再生に向けたあらゆるチャレンジを推進する必要があります。
このため、 意欲あ る漁業 経営体 の高収益 漁業への転 換など漁業収益 性の向上 を総合的 に支援し、本県漁業の将来を担う漁業経営体を支援する施策の構築が必要不可欠です。
さらに、漁村地域の活性化にあたっては、新規就業者の育成と定着促進や地域漁業の若 い 世 代 への 承 継を進 め る こ と が重 要 で あ り、 経 営 指 導、 漁 業 技術 の 習得 な ど の 支援 も 必要 です。
そこで、担い手を一貫した体制で専門的に支援することを目的として設立された公益社団 法 人 宮 崎 県 漁 村 活 性 化 推 進機 構 の機 能 が十 分 に発 揮 で き る よう、 水 産 関係 団 体 等と の 連 携を図り、高収益型漁業への転換や承継の促進による将来を担う漁業経営体の確保に取り 組みます。
〔取組内容〕
(1) 漁業構造改革の推進
○ 燃油 価格 の高騰 にも耐 えう る高 収益 型漁 業モ デル の構築 ・普 及な ど、 漁船漁業 ・ 養殖業の収益性の向上を推進します。
○ 関 係 機 関 と 一 体 と な って 適 切 な 経 営 指 導 や 迅 速 な 融資 体 制 を構 築し 、 収益 性 の 高い漁業・養殖業への転換及び経営の安定化を促進します。
(2) 新規参入の促進
○ 漁協自営漁業や漁業モデルの導入による経営開始等、新規参入を積極的に推進 します。
○ 新規就業希望者のニーズに対応した就業情報や研修メニューにより新規就業と定 着を支援します。
(3) 将来を担う漁業経営体を支援する組織の創設と漁業支援の円滑化
○ 専 門 組織 で あ る (公 社 )宮 崎県 漁村 活性 化推 進機 構を創 設し、 漁業 経営 体づ くり を強力に推進します。
○ 意欲の高い漁業者への漁業承継を円滑にする仕組みづくりを検討します。
2 重点プロジェクトの構成
重点プロジェクトは、
漁業の抜本的な再生に向けた「高収益型漁業構築・普及」及び経営体の減少に歯止めを かける「新規参入・承継の促進」を図るために、
①漁業構造改革の促進と参入環境の整備による「未来へつなぐ漁業担い手プロジェクト」
販売先の確保なども含めた「資源の利活用の促進」を図るために、
②生産と販売の施策連携による「魅力ある水産業の構築プロジェクト」
の2つの重点プロジェクトを展開します。
また、このプロジェクトは、個別単独で展開するのではなく、一貫したシステムとして実施す る と と もに 、 漁業 者 はも と より、 関 係 機 関と 団 体 が認 識 を共 有し て 取り 組み 、 経 済 循環 サ イ ク ルが螺 旋を描 くように向上 させて いくこと で持続 可能な水産業・漁村の構築を強力 に推進し ます。
<重点プロジェクト-①> 「未来へつなぐ漁業担い手プロジェクト」
これまで、個別の団体がそれぞれの役割として担ってきた漁業経営体や就業者の確 保・育成に関する取組を、専門的かつワンストップにてスピーディに推進できる体制を構 築し、高収益漁業への転換を強力に推進するとともに、参入リスクの軽減を支援する仕 組みづくり等により、次代の本県漁業を担う漁業経営体の育成・確保を図ります。
<重点プロジェクト-②> 「魅力ある水産業の構築プロジェクト」
こ れ ま で の 水 産 基 盤 整 備 な ど の 生 産 振 興 施 策 や 付 加 価 値 向 上 な ど の 販 売 促 進 施 策、或いは漁業制度などが、それ ぞれ個別の施策として取り組まれるのではなく、一環 したシステムパッケージとして有機的な連関を持ちながら実施され、本県漁業が持つ潜 在力を最大限に発揮するとともに産業としての魅力を取り戻します。