第 6 章 中国における都市近郊及び中山間地域住民の農村観光振興に対する意識の比較分
6.1 アンケート調査対象地域の概要
6.1.4 都市近郊地域と中山間地域の特徴と位置
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(3)調査内容
調査内容は、農村資源および観光開発を含む質問事項として、①農村資源の種類、②農 村地域の変貌とその背景と理由、③農村地域に関する理解と地域活性化のための政策、④ 観光資源に対する関心・魅力の把握、⑤農村資源を活用した観光開発と農村経済への影響、
⑥中山間地域における観光開発の可能性、の6項目を設定した。表 6-2 に調査対象地域 の基本データを示してある。
(4)調査対象地域の基本データ
都市近郊と中山間地域の調査対象地域の基本データは、以下のとおりである。
1)性別の調査結果でみると、都市近郊の回答者の割合は男性 64%、女性 36%であり、
中山間地域の回答者の割合は男性 88%、女性 12%であった。両地域とも男性の割合が、
女性より高い。
2)年齢別の調査結果からみると、都市近郊の割合で最も多いのが 19~29 歳の回答者
40%であり、その次は 30~49 歳35%に集中している。一方、中山間地域の割合は 30~
69歳82%に集中しており、19~29歳の回答者は6%しか占めなかった。
3)家族構成からみると、都市近郊は3人家族が40%で、独身が28%、2世帯同居14%、
3世帯同居10%の順となっている。一方、中山間地域は都市近郊と違い、2人家族26%、
3世帯同居24%、2世帯同居21%、3人家族19%の順である。
4)職業からみると、都市近郊では退職者 21%、会社員 19%、学生19%、職人 13%、
企業管理者 12%の順である。中山間地域の回答者の中で最も多いのが農業 74%である。
これは都市近郊の職業が、多様だからである。
5)教育レベルからみると、都市近郊は大学及び大学以上が49%、大学専門が31%、中
等高校及び高校が19%を占めていた。中山間地域の回答者は教育レベルが低く、中等高校 及び高校が25%、中学及び以下が26%を占めている。
表6-3 は1985~2005 年における中国農村住民の家庭労働力の教育レベルの比較を示
す。教育レベルの大学及び大学以上の農村住民の家族労働力が年々増加している傾向にあ り、農村住民の大学専門、高校、中学校の家族労働力の教育レベルも年々増加している。
一方、小学校のみの卒業及び字が読めない農村住民の家族労働力は減少している。これは 調査対象地域の中山間地域の農村住民の教育レベルと一致している。中山間地域のアンケ ート調査の回答者のなかで無回答者の47.9%は、字が読めない小学生レベルの住民が多い ものと思われる。中国の農村では地域によって、このような問題が少なくない。
6)家族の年収からみると、中山間地域では5千元未満19%、5千~1万元未満51%、
1万元~2万元未満14%、2万元~3万元未満9%、3万元以上3%を占めていた。都市近
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郊では5千~1万元未満9%、1万元~2万元未満22%、2万元~3万元未満20%、3万元
以上25%を占めている。
表6-2 調査対象地域の基本データ
基本データ 都市近郊 中山間地域
対象地区と 回答者戸数
甘井子区の柳樹村・劉家村・岔鞍村・
棠梨村の4地区97戸 湯土溝村の8地区の140戸 調査対象地域の基本データ
性別 男性64%、女性36% 男性88%、女性12%
年齢
18歳未満0%、19~29歳40%、30~
39歳18%、40~49歳17%、50~59
歳8%、60~69歳11%、70歳以上6%
18歳未満1%、19~29歳6%、30~
39歳13%、40~49歳23%、50~59
歳34%、60~69歳12%、70歳以上
8%
家族構成 3人家族40%、独身28%、2世帯同居
14%、3世帯同居10%
2 人家族 26%、3 世帯同居24%、2
世帯同居21%、3人家族19%
職業 退職者21%、会社員19%、職人13% 農業74%
教育レベル 大 学 及 び 大 学 以 上 49% 、 大 学 専 門
31%、中等高校及び高校19%
中等高校及び高校 25%、中学及び以 下26%
家族の年収
5千~1万元未満9%、1万元~2万元
未満22%、2万元~3万元未満20%、
3万元以上25%
5 千元未満 19%、5 千~1 万元未満
51%、1 万元~2 万元未満 14%、2
万元~3万元未満9%、3万元以上3%
出所:筆者のアンケート調査による作成
表6-3 1985~2005年に中国農村住民家庭労働力の教育レベルの比較(%)
年度 大学及び大学以上 大学専門 高校 中学 小学 字が読めない
1985 0.1 0.3 7.0 27.7 37.1 27.9
1990 0.1 0.5 7.0 32.8 38.9 20.7
1995 0.2 1.0 8.6 40.1 36.6 13.5
2000 0.5 1.8 9.3 48.1 32.2 8.1
2002 0.6 2.1 9.8 49.3 30.6 7.6
2003 0.6 2.1 9.7 50.2 29.9 7.4
2004 0.8 2.1 10.1 50.4 29.2 7.5
2005 1.1 2.4 10.3 52.2 27.2 6.9
出典:農村社会経済調査統計局(2006)「2006中国農村住民調査年鑑」中国統計出版社p.15.
86 134
398 686
1578
2253
3255
4140
0 1000 2000 3000 4000 5000
1978年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2007年
元 出典:1978~2005年「中国統計年鑑2007年」(中国統計出版社2007年版、p.345)、2007年 のデータは「中華人民共和国2007年国民経済と社会発展統計広報」による筆者作成。
図6-3 1978~2007年に農民一人当たりの収入の推移
図6-3のように1978~2007年における農村住民の一人当たりの収入は1978年が134
元であったが、2007年には4,140元に増加しており、この30年間で増加率は約30倍に なっている40。農民の収入増加に伴い、農村住民の可処分所得も増加している。農村住民 の一人当たりの宅地面積も増えており、1985 年の14.7m2から2006年には30.7 m2へと 増加している。