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適用事例

ドキュメント内 性能パラメタ推定法に関する研究 (ページ 44-49)

3.5.1 コスト定義関数d-Splineを用いた近似例

図9に性能パラメタのとり得る値をコスト定義関数d-Splineで近似した特徴的な2つ の例を示す.横軸は性能推定の対象とする性能パラメタのとり得る値であり,ここでは,

1から16までの16個の値をとる.縦軸は各性能パラメタの値を設定して数値計算ライブ ラリを実行した時の実行時間である.図中,●は性能パラメタのとり得る値から選択した 標本点□sにおける数値計算ライブラリの実測データであり,○は標本点以外の実測デー

タである.●を用いてコスト定義関数としてd-Splineを生成した結果を実線で示す.こ こで,点 + はd-Splineを構成する図4 のfj に相当する.ここで,3.2節で説明した ように,点 + は,性能パラメタのとり得る値の数 (これらの例では16)より多いこと に注意しておく.この図は標本点選択の過程で○も含めたすべての性能パラメタのとり得 る値のなかから最適値を選択した段階での状態を示している.図からわかるように,実 測データを結ぶ線は単純ではない.図9(1)は複数の山や谷を持つケースであり,また図 9(2)は途中に急激な落差があるケースである.このような形状は多項式で近似すること は難しい.コスト定義関数としてd-Splineを用いた場合,標本点間をうまくトレースし ていることがわかる.

3.5.2 標本点追加型性能パラメタ推定法の適用例

図9(1)の近似例1を用いて,今回提案した標本点追加型性能パラメタ推定法の適用例 について説明する.図10は,図9(1)の近似例1の例題について,標本点逐次追加型性能 パラメタ推定法を適用したときの各反復ステップの推定状況を示している.

まず,図10(1)で対象とする計算環境と性能パラメタについて説明する.対象とする計

算機環境はPCクラスタ,対象とする数値計算ライブラリはHouseholder法の三重対角 化ルーチンである.また,性能チューニング項目はアンローリング段数であり,ここで は,1段から16段までの16通りを比較した.図10(1)の横軸は,性能パラメタのとり得 る値で,ここでは,1段から16段までのアンローリング段数に対応して,1から16まで の値をとる.縦軸は,それぞれの性能パラメタのとり得る値を設定したときの数値計算ラ イブラリの実行時間である.このデータは4章で用いる評価データのひとつである.図

10(2)以降を用いて,各反復ステップごとの動作について説明する.

1. 図10(2)のステップでは,まず,図8の手順1を実行している様子を示す.性能

パラメタのとり得る値から初期値の標本点として,等間隔に4点(1,6,11,16) を選択する.次に,それぞれについて,数値計算ライブラリを実行し実測値を得て (手順3).その実測値を用いてd-Splineを計算する(手順4).さらに,d-Spline上 の最小値を求め,それに対応する性能パラメタのとり得る値(ここでは#7)を最適

値と選択する(手順5).

2. 図10(3)のステップでは,前ステップで選択された最適値(ここでは#7)はまだ標

本点として選択されていないので,手順7,手順8により,選択基準1にしたがっ て標本点として追加する.この標本点に対して,数値計算ライブラリを実行し,実 測値を得る(手順15).この実測値を加えた5点の実測値を用いて,d-Splineを再 計算する(手順16).このd-Splineの再計算は,3.2.2項で説明したように,新た な1点を追加する形式で計算することができる.d-Spline上の最小値を求め,それ に対応する性能パラメタのとり得る値として,#5を最適値と選択する(手順17).

#5は最適値として,前回推定した最適値#7と異なるので,終了せずに再度手順 を繰り返す(手順18→手順6).

3. 図10(4)のステップでは,前ステップと同様の手順を実施し,選択基準1にした

がって#5を標本点に加え,数値計算ライブラリの実測,d-Splineの再計算を行な い,新たに#6を最適値と選択する.

4. 図10(5)のステップでは,前ステップで選択された最適値(#6)はすでに標本点と

して使用されているので,手順9から手順11により,選択基準2にしたがって新 しい標本点を決める.ここでは,変化が著しいmaxj|fj−12fj+fj+1|となるfj に対応するxj である#8が選択され新しい標本点として追加する.この標本点に 対して,同様に,数値計算ライブラリを実行し,d-Splineの再計算を行ない,#9 を最適値として選択する.

5. 図10(6)のステップでは,前ステップで選択された最適値(#9)を新たな標本点

として追加する.この標本点に対して,同様に,数値計算ライブラリを実行し,

d-Splineを再計算を行ない,#6を最適値と選択する.この図10(6)が先ほどの図

9である.

6. 図10(7)のステップでも,同様の手順を実施する.ここでは,連続して,#6を最

適値と選択している.もし,終了判定基準の連続一致回数が2回であれば,ここ で,推定処理は終了し,#6が性能パラメタの推定値となる.終了判定基準の連続 一致回数が3回以上であれば,再度手順を繰り返す.

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10 標本点逐次追加型性能パラメタ推定法の適用例

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7. 図10(8)のステップ以降では,すべて,最適値は,連続して#6が選択される.し たがって,終了判定条件で指定された回数だけ連続一致した段階で,推定処理は終 了する.

8. 図10(14)は,すべての性能パラメタをとり得る値が標本点として選択された状態

を示している.

ドキュメント内 性能パラメタ推定法に関する研究 (ページ 44-49)