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造船業について (1) 世界の造船状況

ドキュメント内 RO/RO LPG LNG off-hire (ページ 61-109)

     造船業界は 2008 年のリーマン・ショックまでは海運市況の高騰を受けて順調に新造船の契約を獲得し、各社フル 操業で多数の船舶を建造してきたが、2009年以降は新規受注は激減してきた。新規受注は減少したものの、海運好調 時の契約が残っていたため2011年までは高操業が続いていた。ところが2011〜12年は新規契約も減少し受注残も減 少してきたため、各社は操業をスローダウンするなど工夫をしながら凌いできた。建造量で世界一の中国、二位の韓 国、三位の日本と各国の造船所は厳しい経営を続けてきた。

     しかし、2013年に入ると、海運市況は依然として低迷していたが、これにより新造船価は下がり、船主は「船価は 底値」と見て新たに新造船の発注に動き出したため、受注量は増加に転じた。特に、日本の造船各社は燃費性能の優 位性と円高是正による価格競争力向上等により2013年前半に新規受注が急増し、現状は概ね2017年中の工事量を確 保している。

  ※新造船竣工量は、2014年は世界全体で64,442千総トンで、海運市況の低迷を受けて2011年をピークとして

減少傾向にある。国別で見ると、2014年の建造量は、中国が22,682千総トン(2011年比△16,927千総ト ン)、韓国が22,455千総トン(2011年比△13,395千総トン)、日本が13,421千総トン(2011年比△5,946 千総トン)となっており、各国とも減少している。

    ※手持ち工事量は、2008年がピークで、2012年がボトム。2013年は増加している。

    ※受注量は、2007年がピークで、2012年がボトム。2012年は2007年比△77.6%である。

【世界造船首脳会議、造船過剰能力「対策不十分」、技術革新など促進】(出典:2014.11.19.海事プレス) 

  造船5極(日本、欧州、中国、韓国、米国)の主要造船所の経営者が一堂に会する「JECKU造船首脳会議」が5〜7日にフランス・

パリで開催された。課題となっている造船所の過剰供給能力については、オフショア市場進出などによる形で是正が図られているもの の、「造船業の健全な需給バランスを取り戻すには、これらの対策だけでは不十分」との認識で共有。技術革新を促進させることで老 齢船の市場撤退を促すといった方向性が確認された。

【JECKU議長声明概要】

▼2014年の世界経済は困難な状況で、造船市況も全ての地域で受注残は限定的な増加にとどまった。

▼大宗船マーケットの供給は依然として需要を上回っており、不均衡を生み出している。造船所は過剰供給能力への対策として、造船 の量より質の向上や、オフショア市場のような新しいハイテク事業分野への特化を実施しているが、これら対策では不十分。

▼海運業界が環境対策を推進していることは、造船業界が不効率船の市場退出を支援し、規制を満たす高性能で技術先進性のある船を 提供するための真の機会をもたらす。

▼現在の環境規制の枠組みとは別に、海運・造船業界のパラダイム・シフトとして、船舶の自動化、輸送効率の向上、ビッグデータ、

情報技術の拡張的な採用に焦点を当てた議論が行われた。

  海運に対する認識を革新的に変え得るパラダイム・シフトの導入を模索する際、CESS(造船関係専門委員会)はベストプラクティ スを議論するための効果的なプラットホームを提供できる。

【船舶海洋工学会、ビッグデータの海事利用で討論会】(出典:2014.12.02.海事プレス) 

日本船舶海洋工学会は英国造船学会(RINA)と共同で、「第4回世界船舶海洋工学ファーラム」を11月28日に開催した。海事業界 でも、ビッグデータを活用できるかがテーマとなり、共有可能なデータの選別と共有化などを進めるべきとの考えが打ち出された。ま だ暗中模索な部分もあるが、ビッグデータ利用による様々なメリットが見込める可能性を秘めていることが確認された。

【国別の船舶竣工量の推移】(単位:千総トン)(出典:日本造船工業会/造船関係資料)

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 日本 14,515 16,434 18,176 17,525 18,656 18,972 20,218 19,367 17,426 14,588 13,421 韓国 14,768 17,689 18,717 20,593 26,379 28,849 31,698 35,850 31,583 24,504 22,455 中国 4,679 6,466 7,665 10,553 13,956 21,969 36,437 39,609 39,003 25,903 22,682 欧州諸国 2,712 2,440 3,112 3,956 3,616 2,680 2,955 1,332 1,243 992 1,189 その他 3,497 3,940 4,448 4,693 5,083 4,602 5,125 5,687 6,320 4,493 4,695 世界合計 40,171 46,970 52,118 57,320 67,690 77,073 96,433 101,845 95,575 70,480 64,442

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014

日本 韓国 中国

※以前は日本は造船大国として世界をリードしてきたが、2004年には韓国が日本を抜いて世界1位となり、更に2010年に は中国が韓国を抜いて1位となっている。韓国の造船企業は財閥系企業など圧倒的なスケールを有している。中国の造船 企業は国営企業を中心とした国策として躍進している。

※以前は日本と韓国が世界全体で高いシェアを占めていたので、両国が生産調整し不況を乗り切ってきたが、現在は中国が 竣工量、受注量、手持ち工事量ともにトップなので容易に調整が効かないようである。

【世界主要造船国別手持ち工事量】(単位:千総トン)(出典:日本造船工業会/造船関係資料)

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 日本 49,708 51,871 56,933 63,814 63,641 51,966 42,474 34,270 25,828 26,089 32,875 韓国 54,355 59,282 77,265 126,531 137,596 104,252 89,595 75,872 52,109 60,624 61,080 中国 20,466 25,940 44,778 97,761 123,961 111,148 103,031 84,000 63,475 73,039 80,452 その他 21,684 26,929 29,899 41,626 42,872 33,145 25,916 22,825 18,957 23,112 22,982

世界合計 146,213 164,022 208,875 329,732 368,070 300,511 261,016 216,967 160,368 182,863 197,389

0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年

日本 韓国 中国

     ※日本の2014年の竣工量13,421千総トンの実績からして、手持ち工事量32,875千総トンは約2.4年。

【世界主要造船国別受注量】(単位:千総トン)(出典:日本造船工業会/造船関係資料)

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 日本 28,860 16,502 22,557 20,413 14,733 8,509 11,921 7,689 8,851 13,804 19,325 韓国 24,976 21,609 38,109 67,893 34,643 8,522 27,912 25,125 11,967 35,452 24,649 中国 10,974 10,621 27,352 61,342 29,112 14,947 36,118 19,112 13,761 43,925 32,057 その他 12,390 11,268 11,582 18,192 8,059 1,622 6,449 4,874 3,821 10,019 6,551 世界合計 77,200 60,000 99,600 169,600 88,000 33,600 82,400 56,800 38,400 103,200 82,582

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000

2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年

日本 韓国 中国

【世界造船所売上ランク、中国が拡大、三井造船が5位に】(出典:2015.09.04.海事プレス) 

  2014 年度の世界の造船・海洋事業の売上高(邦貨換算)ランキングでは、前の年から売上規模を増やす造船所が目立った。特に中 国の国営造船所が、再編などの影響で大幅に売上を拡大した。トップ10社は前年と同じで、日本からは三井造船、今治造船、ジャパ ンマリンユナイテッドの3社が10位内に入った。順位には変動があり、三井造船が子会社の三井海洋開発の大幅増収によって船舶部 門の売上が今治造船を上回り、初めて世界5位に浮上した。

【主要造船所の造船・海洋事業売上高】(出典:海事プレス)(韓国は2011年以降は連結ベースで表示)(売上順)

(2012年度、単位:億円) (2013年度、単位:億円) (2014年度、単位:億円)

企業名 国籍 売上高 企業名 国籍 売上高 企業名 国籍 売上高 現代重工業 韓国 16,267 現代重工業 韓国 19,952 現代重工業 韓国 22,007 サムスン重工業 韓国 9,699 大宇造船海洋 韓国 13,474 大宇造船海洋 韓国 16,188 大宇造船海洋 韓国 9,504 サムスン重工業 韓国 12,934 サムスン重工業 韓国 13,055 STX造船海洋 韓国 4,417 フィンカンチェリ イタリア 4,946 フィンカンチェリ イタリア 6,171

今治造船 日本 4,196 今治造船  日本  4,033 三井造船  日本  4,917

ジャパンマリンユナイテッド 日本 3,346 三井造船  日本  3,773 大連船舶重工業  中国  4,029 三井造船 日本 3,212 STX造船海洋 韓国 2,906 今治造船 日本 3,787 大連船舶重工業 中国 2,761 ジャパンマリンユナイテッド  日本  2,844 ジャパンマリンユナイテッド  日本  3,003

常石造船 日本 2,523 大連船舶重工業 中国 2,705 STX造船海洋 韓国 2,993

フィンカンチェリ イタリア 2,447 上海外高橋造船 中国 2,231 上海外高橋造船 中国 2,933 三菱重工業 日本 2,258 ダメン・グループ オランダ 2,206 ダメン・グルーフ オランダ 2,806 上海外高橋造船 中国 1,894 常石造船  日本  2,159 江南造船  中国  2,390 揚子江船業 中国 1,867 新世紀造船 中国 2,050 揚子江船業 中国 2,350 ダメン・グループ オランダ 1,744 揚子江船業 中国 2,024 新世紀造船 中国 2,322 滬東中華造船 中国 1,615 三菱重工業  日本  1,838 常石造船  日本  2,236 大島造船所 日本 1,414 大島造船所  日本  1,309 広州広船国際  中国  1,774 新来島どっく 日本 1,268 江南造船 中国 1,672 武昌船舶重工 中国 1,560 成東造船海洋 韓国 1,252 SPP造船 韓国 1,251 大島造船所 日本 1,242 ティッセン・クルップ ドイツ 1,218 名村造船所  日本  1,093 SPP造船  韓国  1,185

SPP造船 韓国 1,050 韓進重工 韓国 982 名村造船所 日本 1,174

名村造船所 日本 1,036 成東造船海洋 韓国 910 韓進重工 韓国 1,017 江蘇熔盛重工 中国 1,004 新来島どっく  日本  904 澄西船舶  中国  944

※入手可能な最新の公開資料より作成。中国の一部造船所は現地報道より。グループ企業の連結実績を表示。

※売上高は現地通貨を邦貨に換算。

【韓国造船、4社が最終赤字、為替・低船価・海洋混乱が影響】(出典:2015.04.06.海事プレス) 

  韓国造船主要7社の2014年12月期連結決算は、経営再建の特殊要因で黒字化したSTX造船海洋を除く全社で最終損益が悪化した。

このうち現代重工業グループ3社と韓進重工は、赤字決算になった。採算悪化を招いたのが、ドルに対するウォン高と、低船価船の建 造による新造船事業の悪化。これに加えて、海洋構造物の工事でコストが膨れ上がり、大規模な損失が発生した。

【燃料安で省エネ装置の経済性に変化、「エコ」のコストに見直し】(出典:2015.06.15.海事プレス) 

  船舶の燃料油(バンカー)価格の水準が昨年までと大きく変わったことで、燃費削減のために取り付ける機器や装置の経済性にも変 化が生じている。燃料価格高騰時期には、比較的高価な省エネ装置を付加しても燃費節減効果で「数年間で元が取れる試算が成り立っ た」(造船所関係者)が、バンカー価格の下落で当初計算とずれが生じている。以前は新造船発注時にオプション的に省エネ付加物を 追加で搭載する例があったが、コストアップにつながる機器は採用を見合わせる例もあるようだ。バルカー用船料低迷もあり、「エコ シップ」のコストが改めて見つめなおされている。

【上期新造船受注量、日本が2位に浮上、世界シェア26%】(出典:2015.08.10.海事プレス) 

  IHS(旧ロイド)統計速報値によると、2015年1〜6月の新造船受注量で日本が2位に浮上した。日本が2位になるのは2005年以

来約10年ぶり。首位は韓国で、ここ数年首位だった中国は3位に転落した。シェアはそれぞれ37%、26.4%、25.9%。バルカーが低 迷する一方、コンテナ船やタンカーの受注が好調だったことが影響した。また、世界全体の新造船受注量は917隻・3652万総トンで、

前年同期比31%減(総トンベース、以下同)となった。国際船級協会連合(IACS)の新規制の新共通構造規則(H-CSR)適用前の駆 け込み契約があったものの、前年同期を下回った。

【中国造船、1~8月受注量7割減、8月わずか100万重量トン】(出典:2015.09.18.海事プレス) 

  中国船舶工業行業協会(CANSI)によると、今年8月の中国造船業の新造船受注量は前年同月比37%減の105万重量トンだった。

100万重量トン割れとなった4月に次ぐ低水準で、バルカーの商談停滞による中国造船業の受注低迷が浮き彫りになった。単月ベース の受注量は11カ月連続で前年同月を下回っている。1~8月累計は前年同期比68%減の1505万重量トンとなった。

  竣工量は8月が前年同月比85%増の262万重量トン、1~8月累計が前年同期比15%増の2531万重量トンとしており、昨年に比べ 上向いている。手持ち工事量は受注低迷に伴って減少が続いており、昨年に比べて上向いている。手持ち工事量は受注低迷に伴って減 少が続いており、8月末時点で1億3514万重量トンで、7月末時点と比べて156万重量トン減少。1年前と比べると1856万重量トン 減少した。

【世界造船業の利益率ほぼゼロに、昨年0.3%に低下】(出典:2015.09.11.海事プレス) 

  海事プレス試算によると、2014年度の世界主力造船30社の造船・海洋事業の売上高営業利益率は平均0.3%だった。同じ30社の前 年平均に比べて0.9ポイント低下し、ほぼ収支均衡(利益ゼロ)のレベルにまで落ち込んだ。韓国大手が海洋事業の悪化に伴い、大幅 に採算が悪化していることが影響している。その中で、日本の専業造船所は利益率が低下したものの10%超を維持しており、世界的に みても稼ぐ力が突出している傾向が続いている。

(2) 日本の造船業の現状

    2010 年頃からの海運市況の低下を受けて新造船価格も下落してきており、日本の造船各社の業績(採算)は低下

傾向にあった。海運好況期に受注した船舶(高価格船)の引渡しがあった 2012年までは業績はまずまずの状況であ

ドキュメント内 RO/RO LPG LNG off-hire (ページ 61-109)

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