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第140条

第2節 通級指導教室の教室経営

通級指導教室の教室経営については、第2節の内容に加え、参考資料P77・78・81・82及び P84~90の合理的配慮の観点等の当該障害の内容も併せて参考にしてください。

1 教室経営の計画

(1) 教室経営の基本方針

通級指導教室経営計画の立案に当たっては、以下のような視点をもつことが大切である。

① 個に応じた指導の徹底を図ること

・一人一人の状態に即した個別の指導計画を作成し、計画的に指導を行い、障害の状態の 改善・克服を図る。

② 教師の指導力の向上を図ること

・専門的な知識、技能を有するとともに、個々の児童生徒の障害の状態や特性等を的確に に把握し、それに応じた指導が行えるようにする。

・特定の障害種についての専門性を基盤としながら、様々な障害種についての専門性を備 える。

・必要に応じ、学級担任に対する研修会等においての講師を務めるなど、通常の学級に在 籍する障害のある児童生徒の指導について助言・援助を行う。

③ 支援体制の充実を図ること

・学級担任や教科担当教師と通級指導担当教師の綿密な連携協力を進めることはもとよ り、校内委員会等の校内体制の充実を図る。

・保護者に説明し、理解を得られるような相談体制の充実を図る。

(2) 学校経営への位置付け

通級指導教室を経営する上で、以下の事項に留意しながら学校経営の中に位置付けるこ とが必要である。

① 学校教育の具体目標の中に位置付けること

・学校教育目標の具体目標に特別支援教育の充実に関する一項目を位置付け、これを受け て、通級指導教室の目標設定を行う。

② 校務分掌に位置付けること

・学校全体の教育課程の実施が通級指導教室の円滑な経営に大きく関わるため、通級指導 担当教師が企画運営委員会等のメンバーになり、特別支援教育に関する委員会等に参画 し、さらに分掌上では、教務部に所属することが望まれる。

・教育相談や学習支援等に関係する分掌を担当し、学校全体の教育相談の水準の向上を目 指す。

③ 障害のある児童生徒に関する理解啓発を図ること

・児童生徒の障害の状態や行動を理解する方法、望ましい接し方などについて、継続的に 理解啓発を図ることが必要である。

- 56 -2 教室経営と教育課程

(1) 児童生徒の実態の把握

児童生徒の障害の状態は、一人一人異なっている。自立活動では、それぞれの障害によ る学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服することを目標にしているので、必然的 に一人一人の指導内容・方法も異なってくる。そのため、個々の児童生徒について、障害 の状態、発達や経験の程度、興味・関心、生活や学習環境などの的確な把握が求められて いる。ここに実態把握の目的があり、実態把握の内容やその範囲は自立活動の指導を行う 観点から明確に整理する必要がある。

その際、児童生徒が困難なことのみを観点にするのではなく、うまくいっているところ

(長所や得意としていること等)も把握することが大切である。

*実態把握の考え方・方法 →第1編 P4・5参照

(2) 個別の指導計画の作成

個別の指導計画を作成する際は、まず、個々の児童生徒の実態把握に基づき、指導すべ き課題の相互の関連を検討し、長期的及び短期的な観点から指導目標を設定した上で、特 別支援学校学習指導要領第7章自立活動の第2に示す内容の中から必要な項目を選定し、

それらを相互に関連付けて具体的な指導内容を検討していく。

なお、指導目標・指導内容の設定に関しては、第2章「第2節 指導目標・指導内容設定 シートの例」(P66~70)に示されたシートを活用することも考えられる。

個別の指導計画に基づく指導は、計画(Plan)-実践(Do)-評価(Check)-改善(Ac tion)のサイクルで進められなければならない。

作成された個別の指導計画に基づいた実践の過程においては、常に児童生徒の学習状況 を評価し指導の改善を図ることが求められる。さらに、評価を踏まえて見直された計画に より、児童生徒にとってより適切な指導が展開されることになる。すなわち、評価を通し て指導の改善が期待されるのである。

(3) 具体的な指導内容の決定

自立活動の内容は、「人間としての基本的な行動を遂行するために必要な要素」と「障害 による学習上又は生活上の困難を改善・克服するために必要な要素」を検討して、その中 の代表的なものを項目として分類・整理したものである。自立活動の六つの区分は、実際 の指導を行う際の「指導内容のまとまり」を意味しているわけではない。児童生徒に必要 な項目を選定し、それらを相互に関連付けて具体的な指導内容を設定することになる。

また、具体的な指導内容を設定する際に配慮すべき事項について、特別支援学校小学部

・中学部学習指導要領第7章第3の2の(3)では、次のとおり示されている。

(3) 具体的な指導内容を設定する際には、 以下の点を考慮すること。

〈主体的に取り組む内容〉

ア 児童又は生徒が、興味をもって主体的に取り組み、成就感を味わうとともに自己を

肯定的に捉えることができるような指導内容を取り上げること

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-第2節 通級指導教室の教室経営

通級指導教室の教室経営については、第2節の内容に加え、参考資料P77・78・81・82及び P84~90の合理的配慮の観点等の当該障害の内容も併せて参考にしてください。

1 教室経営の計画

(1) 教室経営の基本方針

通級指導教室経営計画の立案に当たっては、以下のような視点をもつことが大切である。

① 個に応じた指導の徹底を図ること

・一人一人の状態に即した個別の指導計画を作成し、計画的に指導を行い、障害の状態の 改善・克服を図る。

② 教師の指導力の向上を図ること

・専門的な知識、技能を有するとともに、個々の児童生徒の障害の状態や特性等を的確に に把握し、それに応じた指導が行えるようにする。

・特定の障害種についての専門性を基盤としながら、様々な障害種についての専門性を備 える。

・必要に応じ、学級担任に対する研修会等においての講師を務めるなど、通常の学級に在 籍する障害のある児童生徒の指導について助言・援助を行う。

③ 支援体制の充実を図ること

・学級担任や教科担当教師と通級指導担当教師の綿密な連携協力を進めることはもとよ り、校内委員会等の校内体制の充実を図る。

・保護者に説明し、理解を得られるような相談体制の充実を図る。

(2) 学校経営への位置付け

通級指導教室を経営する上で、以下の事項に留意しながら学校経営の中に位置付けるこ とが必要である。

① 学校教育の具体目標の中に位置付けること

・学校教育目標の具体目標に特別支援教育の充実に関する一項目を位置付け、これを受け て、通級指導教室の目標設定を行う。

② 校務分掌に位置付けること

・学校全体の教育課程の実施が通級指導教室の円滑な経営に大きく関わるため、通級指導 担当教師が企画運営委員会等のメンバーになり、特別支援教育に関する委員会等に参画 し、さらに分掌上では、教務部に所属することが望まれる。

・教育相談や学習支援等に関係する分掌を担当し、学校全体の教育相談の水準の向上を目 指す。

③ 障害のある児童生徒に関する理解啓発を図ること

・児童生徒の障害の状態や行動を理解する方法、望ましい接し方などについて、継続的に 理解啓発を図ることが必要である。

- 56 -2 教室経営と教育課程

(1) 児童生徒の実態の把握

児童生徒の障害の状態は、一人一人異なっている。自立活動では、それぞれの障害によ る学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服することを目標にしているので、必然的 に一人一人の指導内容・方法も異なってくる。そのため、個々の児童生徒について、障害 の状態、発達や経験の程度、興味・関心、生活や学習環境などの的確な把握が求められて いる。ここに実態把握の目的があり、実態把握の内容やその範囲は自立活動の指導を行う 観点から明確に整理する必要がある。

その際、児童生徒が困難なことのみを観点にするのではなく、うまくいっているところ

(長所や得意としていること等)も把握することが大切である。

*実態把握の考え方・方法 →第1編 P4・5参照

(2) 個別の指導計画の作成

個別の指導計画を作成する際は、まず、個々の児童生徒の実態把握に基づき、指導すべ き課題の相互の関連を検討し、長期的及び短期的な観点から指導目標を設定した上で、特 別支援学校学習指導要領第7章自立活動の第2に示す内容の中から必要な項目を選定し、

それらを相互に関連付けて具体的な指導内容を検討していく。

なお、指導目標・指導内容の設定に関しては、第2章「第2節 指導目標・指導内容設定 シートの例」(P66~70)に示されたシートを活用することも考えられる。

個別の指導計画に基づく指導は、計画(Plan)-実践(Do)-評価(Check)-改善(Ac tion)のサイクルで進められなければならない。

作成された個別の指導計画に基づいた実践の過程においては、常に児童生徒の学習状況 を評価し指導の改善を図ることが求められる。さらに、評価を踏まえて見直された計画に より、児童生徒にとってより適切な指導が展開されることになる。すなわち、評価を通し て指導の改善が期待されるのである。

(3) 具体的な指導内容の決定

自立活動の内容は、「人間としての基本的な行動を遂行するために必要な要素」と「障害 による学習上又は生活上の困難を改善・克服するために必要な要素」を検討して、その中 の代表的なものを項目として分類・整理したものである。自立活動の六つの区分は、実際 の指導を行う際の「指導内容のまとまり」を意味しているわけではない。児童生徒に必要 な項目を選定し、それらを相互に関連付けて具体的な指導内容を設定することになる。

また、具体的な指導内容を設定する際に配慮すべき事項について、特別支援学校小学部

・中学部学習指導要領第7章第3の2の(3)では、次のとおり示されている。

(3) 具体的な指導内容を設定する際には、 以下の点を考慮すること。

〈主体的に取り組む内容〉

ア 児童又は生徒が、興味をもって主体的に取り組み、成就感を味わうとともに自己を

肯定的に捉えることができるような指導内容を取り上げること

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