• 検索結果がありません。

第9章 香港市場へのアプローチ

② 輸入業者の選択

本ハンドブック第6・7・8章に従って、輸入業者を決定し、上記の流れに沿って輸 入申告手続を行う。輸入申告手続は原則的には輸入業者(商社)が行うが、日本サイド のメーカーも手続の概要と書式を把握しておく必要がある。

第10章 各種の支援制度及び融資制度

本章は平成20年度時点において日本の乾麺製造事業者等が輸出に取り組む際に活 用可能な国等による支援制度及び融資制度についてまとめたものである。

1 国等による支援制度

(1)農林水産省による支援制度

農林水産物・食品の輸出に取り組もうとする民間団体等による輸出拡大プロジェクト を支援する補助事業として、輸出促進対策事業がある。このうち、香港への乾麺の輸出 プロモーションの実施に係わるものとして次の2つの事業がある。これらの補助事業に おいては、個人や単独の民間企業は、事業実施主体となることはできないが、輸出・販 売環境を改善するための有効な手段であるので、①事業実施主体の一員として参画する、

②事業者からの呼びかけに応じて参画する、③輸出促進についての意見要望を伝えるな ど積極的に活用することが望ましい。

①「農林水産物等輸出促進支援事業のうちの農林水産物等輸出促進対策」

この事業の目的は、貿易実務経験や専門的知見を有する者(輸出プロモーター)の活 用、海外における農林水産物・食品の広告宣伝等への総合的支援により、明確な目標を 設定した農林漁業者等の戦略的な輸出への取組を促進することである。

この補助事業では、海外市場調査や販売促進活動など、幅広い事業内容が補助対象メ ニューとなっている。なお、本事業による支援は、事業内容のうちの「輸出プロモータ ーの活用」については定額補助(上限500万円)、それ以外の事業内容については補助 率1/2である。

②「農林水産物等海外販路創出・拡大事業

この事業の目的、海外における展示・商談の場の提供、海外高級百貨店等におけるア ンテナショップの設置により、農林漁業者等の販路の創出・拡大を支援することである。

海外展示・商談会への出展や「活きた輸出情報ネットワーク構築事業」による輸出オ リエンテーションの会(国内展示・商談会)の開催等の事業を行っており、事業者がこ れらに参加することで、輸出プランの具体化に活用することができる。

これら事業の概要については、農林水産省のホームページより入手可能である。

http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/pdf/h20gaisan_kettei.pdf http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/pdf/0802pamphlet.pdf

(2)経済産業省による支援制度

経済産業省による支援制度は海外ビジネスを検討する中小企業に対し各種海外情報 の提供や必要な相談に応ずるものである。

① 中小企業情報提供事業

実務経験が豊富なアドバイザーによる個別相談プログラムである。海外ビジネスを検 討する際にさまざまな段階で発生するであろう実務面での疑問点について、各専門分野 における実務経験豊富なアドバイザーが個別に相談に応える。

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/g_book/gb076.html

② 中小企業商品海外調査事業

海外における有望な市場や産業の調査支援プログラムでる。自社製品を海外に輸出す るにあたり、地域やマーケットを絞り、調査を行うことで成功の可能性を高める。調査 費の半額をジェトロが負担する。

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/g_book/gb076.html

③ ジャパンブランド育成支援事業

地域が一丸となって、地域の伝統的な技術や素材などの資源を活かした製品等の価値・

魅力を高め、「日本」を表現しつつ世界に通用する「JAPANブランド」を実現していこ うとする取組みを総合的に支援する。地域性が強い「乾麺」においては、海外市場への地 域ブランドの浸透が販売促進上極めて有効であり、地域ブランド確立のためのこうした制 度を積極的に活用したい。

・戦略策定支援:1件あたり500万円程度 定額補助

・ブランド確立支援:1件あたり3000万円程度 3分の2補助(補助上限額2000 万円)

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/g_book/gb162.html

(3)地方自治体による支援制度

地域農林水産物等輸出促進協議会が窓口となり各県が農林水産省、経産省及びジェト ロ等と行う支援事業・制度等の紹介を事業者に行い、各県の輸出担当窓口と具体的な事 業の立ち上げ等について相談を受け付けている。

県によっては県独自の助成制度が設けられている場合があるので、次に述べる青森県 と鳥取県の事例を参考にして各県の窓口に照会されたい。

青森県は「攻めの農林水産業」総合販売戦略プロジェクトとして同県の優位産業であ る農林水産業を伸ばし雇用を拡大するため新たな県産品の発掘と販売促進を進めてい る。その中には農林水産物輸出倍増事業(予算約15百万円)や県産の農水畜産物消費 宣伝事業(予算約75百万円)などがある。

http://www.pref.aomori.lg.jp/waku10/pdf/waku10-2-03.pdf

鳥取県は農 産 物 等 販 路 開 拓 支 援 事 業 を 行 っ て い る 。 農業法人等による農産 物の県外・国外への販路開拓・消費拡大のための新たな取り組みを支援している。補助 内容は農産物等販路開拓 消費者と生産者産地交流 鳥取県産農林水産物の輸出促進で ある。補助対象の事業者は農林漁業団体農業法人、農林漁業団体等で構成する任意組織 である。補助率は 1/2 (補助限度額あり) である。

http://www.tohoku.maff.go.jp/kihon/yusyutu/kyougikai/pdf/senryaku.pdf

(4)その他制度

① 貿易保険

貿易保険は「中小企業輸出代金保険」、「貿易一般保険」の2種類がある。いずれも日 本の企業が行う輸出、輸入、海外投資、あるいは海外融資といった対外取引に伴う危険 をカバーする保険であり、安定的な輸出事業継続を行うために活用を検討すべきもので ある。

例えば乾麺の事業者がある取引先との間で輸出契約を結んでも、代金が完済されるま では安心はできない。契約後に何らかの理由で仕向け国が輸入規制を始めたため、貨物 の船積みすらできなくなるケースをはじめ、貨物引渡後、取引先が資金繰りに困り、輸 出代金の回収が不能になるケースも考えられる。このような対外取引に潜む様々なリス ク(輸入規制、外貨送金規制、戦争、内乱などの非常リスク、また輸出相手のバイヤー の不払いなどの信用リスク)を軽減し日本の企業が安心して対外取引を行えるようにす るのが、貿易保険の役割である。

http://nexi.go.jp/insurance/ins/index_boueki_frame.html

z 中小企業輸出代金保険

中小企業輸出代金保険は中小企業の外国への輸出に伴う代金の回収不能による損失 をてん補する保険である。本保険の特徴は個別の輸出契約毎に保険引き受けが行われる、

船積後リスクによる損失のみを95%てん補すること等である。

http://nexi.go.jp/insurance/ins_panhu/index_12_frame.html

z 貿易一般保険(個別保険)

貿易一般保険は、以下の事由により輸出者や仲介貿易者等が受ける損失をてん補する ものである。

輸出契約・仲介貿易契約が成立した後、仕向国政府の輸入制限・禁止、戦争、革命、

内乱、テロなど(非常危険)あるいは船積までに輸出契約等の相手方の破産等又は相手 方が外国政府等である場合に一方的契約破棄など(信用危険)により、船積ができなく なったこと。(輸出不能)

非常危険の発生により、航路や到着港を変更することで、運賃や保険料などが超過し、

この超過額を負担することを余儀なくされたこと。(増加費用)

http://nexi.go.jp/insurance/ins/index_boueki_frame.html

輸出契約等が成立した後、船積を行ったが相手国政府の為替取引の制限・禁止あるい は戦争、革命、内乱、テロなど(非常危険)や相手方の破産又は3月以上の債務不履行

(信用危険)により、輸出した貨物又は販売した仲介貿易貨物について代金等の回収が できないこと、貸付金の回収ができないこと。(代金回収不能)

http://nexi.go.jp/insurance/ins/index_boueki_frame.html

問合せ先: 独立行政法人 日本貿易保険

〒101-8359

東京都千代田区西神田 3-8-1 千代田ファーストビル東館 3 階 Tel 03-3512-7650 (代表)

Fax 03-3512-7660 (代表)

(http://nexi.go.jp/)

2 融資制度

(1)政府系金融機関による融資制度

輸出業務関連で融資が必要な場合に中小事業者にとって有利な政府系金融機関によ る制度資金を利用できる場合がある。

金融機関によって用意されている資金・融資条件は様々であるが代表的なものと融資 条件等を記述しているホームページのアドレスを次に掲載している。

各金融機関の融資審査は、事前の準備が不足になりがちな中小事業者にとっては難し い側面があるので、金融機関への相談は余裕をもって行う必要がある。

平成 20 年 10 月に統合して(株)日本政策金融公庫となる国民生活金融公庫、農林 漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び国際協力銀行の4機関は統合の趣旨である民間金

関連したドキュメント