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15-7 軸受異常の有無の判別方法 運転中の軸受に異常があるかどうかを分解点

ドキュメント内 転がり軸受 総合カタログ (ページ 81-84)

検しないで判別あるいは予知することは、生産 性・経済性を高めるためにも重要である。

主な判別方法を次に示す。

1) 音を聞いて判別する方法

音を聞いて判別するには豊富な経験が必要な ため、軸受部から出る音とそうでない音とを判 別できるように十分訓練をする必要がある。

そのためできるだけ特定の人があたるのがよ い。

音はハウジングに補聴器又は聴音棒をあてる とよく聞える。

2) 運転中の温度により判別する方法 比較判定のため、運転状態があまり変化しな い場合に限って用いられる。このため温度は継 続的に記録しておく必要がある。

異常現象が起こると、温度は高くなるばかり でなく不規則になってくる。音響検査と併用す るのがよい。

3) 潤滑剤の状態により判別する方法 潤滑剤のサンプルを採取して汚損や異物、金 属粉の混入状況などによって判断する。

この方法は近寄って見ることができない軸受 とか大形の軸受の場合に有効である。

(A-6617)

A 152 A 153

区   分 損   傷   例 損  傷  状  態 原    因 対    策

¡フレーキング  (剥離)

 ( Flaking)

 フレーキングとは、材料の転がり疲れに よって、 軌道面や転動面の表層部が うろ こ状に はがれる 現象をいう。

 この現象が生じたときを、軸受の寿命に 達したものと判断している。 しかし、 早期 に生じた場合には、何らかの異常が考えら れるので、原因の究明と対策が必要である。

〔参考〕 ピッチング( Pitting) 

 材 料の転がり疲れにより生じる損傷には、

ピッチングと呼ぶものもある。 これは、 軌道 面に深さ 0.1 mm程度の微孔が生じる現象を いう。

早期に生じたフレーキング ・軸受内部すきまの過小

・潤滑剤の不適又は不足

・過大な荷重   ・さび

・適正な軸受内部すきまの選定

・潤滑方法、潤滑剤の見直し

ラ ジアル軸受で、軌道の片側に生 じたフレーキング

・異常なアキシアル荷重 ・自由側軸受の外輪とハウジングの はめあい を すきまばめ にす る

軌 道の円周方向対称位置に生じた フレーキング

・ハウジングの真円度不良 ・ハウジング穴の加工精度を修正   特に、二つ割りハウジングの   場合、精度の確保に注意を要   する

ラ ジアル玉軸受で、軌道に対して

斜めに生じたフレーキング ・取付け不良

・軸のたわみ

・軸やハウジングの精度不良

・芯出しを正確に修正

・軸受内部すきまを大きくする

・軸やハウジングの肩の直角度を 修正

こ ろ軸受で、軌道面や転動面の端 部の近くに生じたフレーキング 転 動体 の間 隔と 等しい ピッ チで 、 軌道に生じたフレーキング

・組込み時の大きな衝撃荷重

・円筒ころ軸受や円すい軸受の場合 の組込み傷

・運転休止時のさび

・組込み作業の改善

・長期間、運転休止する場合はさび 止め処理をしておく

™割れ、欠け  ( Cracking)

 ( Chipping)

外輪又は内輪の割れ ・過大なしめしろ

・軸やハウジングの隅の丸みが過大

・過大な衝撃荷重

・フレーキングや焼付きの進展

・適正な はめあい の選定

・軸やハウジングの隅の丸みを軸受 の面取寸法より小さくする

・荷重条件の見直し

転動体の割れ ・過大な衝撃荷重

・フレーキングの進展

・組込み作業、取扱いの改善

・荷重条件の見直し

つばの欠け ・組込み時のつばへの打撃

・軸方向の過大な衝撃荷重

・組込み作業の改善

・荷重条件の見直し

£圧こん、

 打こん  ( Brinelling)

 ( Nicks)

・圧こんとは、軸受の静止又は低速回転時に大きな荷 重が加 わり、軌道面と転動体の接触部分が塑性変形 してく ぼみを生じたものや異物をかみ込んで転がり 面に小さいくぼみが生じたものをいう。

・打こんとは、 軸受をハンマなどで叩いたとき、打撃 を直接受けた部分がへこんだものをいう。

      (圧こん)

軌道面、転動面に生じた圧こん ・異物のかみ込み ・軸受まわりの洗浄

・密封装置の改善 転 動体 の間 隔と 等しい ピッ チで 、

軌道に生じた圧こん

(ブリネル圧こん)

・組込み時の衝撃荷重

・静止時の過大荷重

・組込み作業の改善

・機械の取扱いの改善

軌道面、転動面に生じた打こん ・取扱い不良 ・組込み作業、取扱いの改善

(A-6961) (A-6476)

(A-6395)

16. 軸受の損傷例

      表 16-1(2) 軸受の損傷とその原因・対策

区   分 損   傷   例 損  傷  状  態 原    因 対    策

¢なし地、変色  ( Pear Skin)

 (Discoloration)

・なし地とは、多数の異物をかみ込んで生じた小さな 圧こんが全面に生じている現象をいい、転がり面が くもり、面の荒れを生じており、はなはだしい場合 には発熱のため変色していることもある。

・変色とは、油焼けによるもの、あるいは回転中に発 熱して表面が着色したものをいう。さび、腐食によ るものは一般に除外している。

軌道面、転動面に生じたなし地状 の圧こん

・多数の小さな異物のかみ込み ・軸受まわりの洗浄

・密封装置の改善

軌道面、 転動面、 つば面、 保持器 案内面に生じた変色

・軸受内部のすきまの過小

・潤滑剤の不適又は不足

・潤滑剤の老化又は変質

・適正な軸受内部すきまの選定

・潤滑方法、潤滑剤の見直し

∞すり傷、 

 かじり  ( Scratch)

 ( Scuffing)

・すり傷とは、滑り接触によって滑りの方向に生じた 表面の比較的浅い傷で、外観的に傷の内部に溶着を 起こしていないものをいう。

・かじりとは、 接触圧力が高く、 かなりの熱影響を受 けて表面が局部的に溶着しているものをいう。

一般に、すり傷の程度が著しいものが かじり である と考えてよい。

軌道面、転動面に生じたすり傷 ・初期の潤滑不足

・取扱い不良

・組込み時、軌道面・転動面に潤滑剤 を塗布しておく

・組込み作業の改善 つば面ところ端面に生じたかじり ・潤滑剤の不適又は不足

・取付け不良

・過大なアキシアル荷重

・潤滑方法、潤滑剤の見直し

・軸受の取付け位置の見直し

§スミアリング  ( Smearing)

 スミアリングとは、転がり面に部分的な微小焼付き を起こした部分が群がっている現象をいう。

 スミアリング は摩擦による高 い温度 によって表面 が局部的に溶ける程度にまでなっており、面がかなり 荒れているものが多い。

軌道面、転動面に生じたスミアリ ング

・潤滑剤の不適又は不足

・転動体の滑り

  転動体が正常な自転を行な   わず、軌道面との間で滑り   が生じたときに、潤滑油膜   が切れるため

・潤滑方法、潤滑剤の見直し

・適正な予圧の設定

¶さび、腐食  ( Rust)

 ( Corrosion)

・さび とは、金属表面上に化学作用で生じた酸化物、

水酸化物や炭酸塩などの皮膜をいう。

・腐食とは、酸やアルカリ溶液により表面が化学作用

(化合、電池構成 などの 電気化学作用)のため侵さ れ、酸化・溶解などを生じる現象である。

  潤滑剤中の添加剤に含まれる硫黄や塩素化合物 が、高温時に分解したとき生じやすい。

軸受表面の一部又は全面に生じた さび

・保管状態の不良

・空気中の水分の結露

・軸受保管の改善

・密封装置の改善

・長期間、運転休止する場合はさび 止め処理をしておく

転動体の間隔と等しいピッチで、

軌道に生じた さび、腐食

・水、腐食性物質の侵入 ・密封装置の改善

•電食  電食とは、回転中の軸受の内部に電流が通過した場

合に、転がり接触 部分の 非常に 薄い油膜を通し てス パークが発生し、表面が局部的に溶解したため、一見 するとピッチング状となるものである(これをピット という)。ピットの個所を拡大鏡で見ると 、噴火口の形 をしたくぼみが見られ、スパークの際に溶融したこと がわかる。

電食によって、転がり面が洗濯板状になることがある。

軌道面、転動面に生じたピッチン グ状又は洗濯板状の損傷  手のつめでひっかいてみて洗  濯板状に感じるものや、ピッ  チング状が目で見られる程度  のものは使用できない。

・電流の通過に伴って生じるスパー ク

・軸受に電流を通過させないような バイパスの設置

・軸受の絶縁

(A-6720)

(変 色) 

(A-6459)

(かじり) 

(A-6640)(A-7130)(A-6652)

Electric Pitting

ドキュメント内 転がり軸受 総合カタログ (ページ 81-84)

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