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貧困削減のためのパートナーシップ

ドキュメント内 貧困アセスメント作成調査報告書 (ページ 61-101)

3−1    パートナーシップの現状 

3−1−1 政府とドナーの連携(CGI 会議) 

従来、インドネシアに対する二国間援助および国際機関援助に関する協議の場として

ICGI

会合

(Inter-Governmental Group on Indonesia)が毎年オランダで開催されていたが、1991年に発生した 東ティモール事件におけるインドネシア政府の対応を非難するオランダからの援助を拒否したこ とにより、オランダは

ICGI

から脱退した。

ICGI

会合はオランダに代わって世銀が議長を務めるインドネシア支援国会議(Consultative Group

on Indonesia:

以下

CGI

会議)へと形を変えた。CGI会議は基本的に

ICGI

の流れを引き継ぐもの

であり、各年次の援助方針および援助約束額について方向づけが行われており、インドネシア政 府と援助供与国・機関のパートナーシップを強化することが目指されている72

2000

10

17

日、

18

日に東京で開催された第

10

CGI

会議には

30

を越えるドナーが参加し、

同国の経済回復に関する協議が行われた。CGI会議では、第一に

IMF

との同意書に沿った構造改 革の継続、第二に明確な貧困緩和の設定、第三に立法・司法改革、分権化、森林管理などを網羅 する包括的なガバナンスプログラムが重要課題として挙げられた。

構造改革の現状について、世銀のジャミール・カッスーム副総裁は、「インドネシア政府が

IMF

との同意書にしたがって改革プログラムを継続することの重要性が強調された」と述べた。構造 改革問題で特に関心を集めたのは、企業再編の速度と質であった。援助供与国・機関は、銀行再 建庁(IBRA)との企業再編合意の実効性は、プロセスの透明性、大規模な案件の監視手続きなど、

改革の成果を最大限にするために定めた一連の原則に沿って行われるかどうかにかかっていると 指摘した。インドネシア政府は

IBRA

主導の全企業再編を監視する原則に従って

IMF・世銀と協

力することに合意した。

貧困緩和に関する話し合いでは、BAPPENAS のジュナイデイ・ハディスマルト長官が、「貧困戦 略の調整は政府・非政府メンバーで作るタスクフォースが支える副大統領の責任となる。同時に、

中央・地方両レベルの政府・非政府の代表で構成する関係者フォーラム作りを予定している」と 述べた。CGI 会議では、貧困問題への配慮はあらゆる政策とプログラムに反映されるべきとの認 識が広く共有された。また、女性や子どもなど弱い立場に置かれやすい人々が特別なニーズを必 要としていることも認められた。経済機会の拡大、エンパワーメント、治安維持という根本問題 がこうした様々な対策をまとめる全体戦略の基礎となっている。

ガバナンスに関する議題上で、インドネシア政府は「ガバナンス改革のためのパートナーシップ」

の進展を明らかにした。特に強調されたのは、立法・司法改革、分権化と森林管理であった。ガ バナンス改革パートナーシップの共同議長であるエルナ・ウィトラーは、「ガバナンス改革は、そ れ自体が重要な目的であるだけでなく、経済回復、貧困撲滅、環境保護、民主化推進、インドネ

72 国際協力推進協会「インドネシア:開発途上国国別経済協力シリーズ(第6版)」、1995年。

シアの国家建設努力を後押しする手段でもある」と述べた。援助供与国・機関は、同国政府がス ハルト体制からの脆弱な制度とガバナンス・システムを引き受けながらも各方面で改革に着手し ていることを認めたが、その進展は遅く、当然ながら国際社会の関係者が期待するほどの早さで はない。援助供与国・機関は、政府が直面している数々の制約とこうした根の深い問題に取り組 む困難さに理解を示すと同時に、立法・司法改革、分権化と森林管理といった主要分野を中心に 現在の勢いを加速するための支援をしていきたいと表明した。

開発の優先課題、援助の有効性、公的債務と財政上の必要について、援助の活用と管理に市民グ ループが関わる、 参加型のアプローチ を取り入れることが本会議で奨励された。インドネシ ア政府は、今回の予算案の特徴を発表し、開発の優先課題を明らかにした。また、財政管理と調 達システムを整備して、政府の資金が本来の受益者に届くように援助の有効性を高める提案も示 し、分権化された制度の下で、計画と実施に関して柔軟性をもって臨む様、援助供与国・機関に 要請した。また、できる限り、無償、あるいは条件が緩やかな融資という形での資金援助も求め られた。援助供与国・機関は、同国政府の財政管理改革案を歓迎し、この取り組みを支援する技 術援助の提供を申し出た。少ない政府資金を最も優先順位の高いもの(特に貧困緩和と環境の持 続性)から振り分けることが重要であることも指摘された。

援助供与国・機関は、この

CGI

会議において、インドネシアの政府予算を支える約

48

億ドルの 支援を表明した(詳細は

3-2

を参照)。これに対して、リザル・ラムリ経済担当調整大臣は、プレ ッジ額は予算と開発プログラムを支えるのに十分な額であるが、その多くは、融資であり、既に 重荷となっている政府の債務を増加させる。そのため、融資に依存するのは、本当に必要な場合 と国内の資金と全手段を使い尽くした後に限るつもりである」と述べた。さらに、無償技術援助 およびインドネシアの非政府組織への援助として

5

3,000

万ドルの支援が約束された。

今会合には、市民グループから代表者数名が出席し、開発の優先課題と懸念について共同声明を 発表した。援助供与国・機関およびインドネシア政府は市民グループ代表の参加を歓迎した。援 助供与国・機関は、半年後に中間支援国会合をジャカルタで開催し、次回の支援国会合をやはり ジャカルタで

2001

10

月に開催する暫定的な予定に合意した73

3−1−2 貧困削減戦略ペーパーの策定 

インドネシアは、貧困問題を政府主導のもとで解決するための足がかりとしてインドネシア国独 自の貧困削減ペーパーの策定に着手した。

2000

8

月に、

BAPPENAS、世銀、 UN、ドナー、 NGO、

研究機関などが集まって貧困に係るセミナーが開催されたが、このセミナーは、インドネシア国 独自の貧困削減ペーパー策定のために貧困の専門家がそれぞれに提言づくりや意見交換を行った ものである。これらの結果をもとに、

BAPPENAS

2000

10

月に開催された

CGI

会議において、

貧困削減戦略ペーパーを集大成した貧困削減戦略(案)(

Poverty Reduction Strategy in Indonesia

) を発表した。同ペーパーでは、過去の貧困関連プログラムに関する教訓や今後の貧困政策がまと められており、今後は各ドナーも貧困削減戦略ペーパーに沿った支援が求められていくものと思 われる。

73 以上、World Bank, News Release No.091, 2000.

3−1−3 NGOs と政府、ドナーとの連携 

多くの援助国・機関は経済危機前から

NGO

と連携しているが74、特に経済危機後、行政機構の機 能が低下し、また、従来の行政を通じた援助における不公正、非効率への批判が高まる中で、援 助における

NGO

の重要性が高まった。しかし、NGOと政府の間には不信感や偏見などの心理的 な障壁が見られ、まだ十分な協力関係が形成されているとは言えない。

経済危機により、SSNプログラムの実施がコミュニティ・レベル、地方政府のレベルで行われた が、多くのプログラムの中で

NGO

がファシリテーターやモニタリングを行うことが期待された。

また、外国ドナーの支援を受けて

NGO

が経済危機の影響を受けた貧困層などに対する独自の救援 活動を実施している。特に、UNDP はインドネシア政府(BAPPENAS)と共に、コミュニティー 復興プログラム(Community Recovery Program: CRP)を

NGO

やコミュニティー組織などの市民 社会組織と連携して実施している。このプロジェクトは、

NGO

が貧困層を対象として計画する食 糧援助や基礎社会サービス提供、雇用創出や収入向上のプロジェクトに、UNDP が出資する信託 基金から資金援助を行うものである。プロジェクトの審査とモニタリングは、

NGO

のコンソーシ アムにより作られた

CRP

事務局が行っている。1998年

12

31

日現在で、1,208件のプロポーザ ルの申請があり、申請予算の総額は

1,684

億ルピアに達している。1,208件のうち、65%がジャワ 島の各州から申請されている。承認されたプロポーザルは

136

件で(総額

155

億ルピア)で、そ の内

79

件がジャワ島のプロジェクトであった。

JICA

1998

年度の補正予算により、社会的弱者支援対策の一つとして、NGOと連携して草の根 のレベルでのモデル事業を実施する開発福祉事業(Community Empowerment Project)をインドネ シアでも実施することとなった。これにより、5つの

NGO

が実施する保健医療、緊急救済、コミ ュニティー開発、給水などに関するモデル事業に対する支援を行う予定である75

3−2    ドナーによる取り組み  3−2−1 ODA 全体の傾向 

対インドネシア

2

国間

ODA

に関しては、日本は例年そのおおよそ

8

割を拠出しているが、これに 次いで、アメリカ、ドイツ、オーストラリア等が上位に位置付けられている。多国間では、世銀、

ADB

等が主要なドナーである。

経済危機以降、国際社会はインドネシアへの支援を拡大した。国際社会は、1998年の

CGI

会議に おいて、インドネシア

1998/99

会計年度に向けて、78.94 億

US

ドルの支援を表明した。98 年の

CGI

におけるプレッジ額は、前年のプレッジ額

53

US

ドルを大きく上回るものである。このう ち、世銀、ADBのプレッジ額はそれぞれ、27億

US

ドル(全体の

34%)

、22億

US

ドル(全体の

28%)であり、二国間では日本のプレッジ額が 15

US

ドル(全体の

19%)と最も大きい。この

ように、1998年の

CGI

プレッジレベルでは、世銀、ADB、日本の

3

ドナーで全体の

71%を供出

したこととなる。

74 USAID事業はその45%にNGOが参加している。

75 以上、JICA「インドネシア:国別援助研究会報告書(第三次)」19993月。

ドキュメント内 貧困アセスメント作成調査報告書 (ページ 61-101)

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