第 2 章 高周波電圧信号重畳による誘導機センサレスベクトル制御系で利用する
2.4 実験結果
2.4.2 負荷に対する磁気飽和位置の検討
本項では,前項の検討において確認した主磁束及び漏れ磁束飽和突極性の負荷に対する 飽和位置の変化について検討する。実験条件として,IMの回転軸を負荷機にて拘束した状 態でIM をトルク制御してトルク成分電流指令値を変化させることによって検討を行った。
Fig. 2.14に重畳周波数 500[Hz],重畳電圧レベル 70[V]において得られる主磁束飽和突極性
の負荷変化に対する結果を示し,Fig. 2.15に重畳周波数500[Hz],重畳電圧レベル5[V]にお いて得られる漏れ磁束飽和突極性の負荷変化に対する結果を示す。各図(a)は定格トルク に対して-100[%]から100[%]まで変化させた場合のインピーダンス特性及び飽和位置を示し
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Im pe da nc e [ohm ]
50[%]
100[%]
150[%]
(a) Impedance locus for main flux saturation
Im pe da nc e [ohm ]
50[%]
100[%]
150[%]
(b) Impedance locus for leakage flux saturation
Fig. 2.13. Impedance characteristics in various excited level for main and leakage flux saturation.
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Table 2.5. Full width at half maximum of impedance against excited level (unit: [deg]).
Fig. 2.13
Excited level [%] (a) (b)
50 96 135
60 95 120
70 92 100
80 90 97.5
90 90 94
100 89.5 92
110 89.5 91
120 83.5 90.8
130 83 90.4
140 77.5 90
150 74 90
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Im pe da nc e [ohm ]
(a) Impedance locus
S a tura ti on s a li e nc y pos it ion [de g ]
Torque [%]
(b) Change of saturated position
Fig. 2.14. Impedance characteristics and saturated position in various load condition for main flux saturation.
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Im pe da nc e [ohm ]
(a) Impedance locus
S a tura ti on s a li e nc y pos it ion [de g ]
Torque [%]
(b) Change of saturated position
Fig. 2.15. Impedance characteristics and saturated position in various load condition for leakage flux saturation.
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ており,各図(b)は飽和位置の変化のみを平面上において示している。Fig. 2.14 より,主 磁束飽和突極性の飽和位置は負荷に対して-36[deg]から 18[deg]の範囲において変化してい ることが分かる。これに対して,Fig. 2.15より漏れ磁束飽和突極性の飽和位置は負荷に対し て-72[deg]から72[deg]の範囲において変化していることが分かる。これより主磁束飽和突極 性の飽和位置の変化と比較して,漏れ磁束飽和突極性の飽和位置の変化の方が大きいこと が分かる。また,Fig. 2.14(b)より主磁束飽和突極性の飽和位置は無負荷を原点として第2 象限と第 4 象限上を変化し,その軌跡は点対称ではないことが分かる。これに対して,
Fig. 2.15(b)より漏れ磁束飽和突極性の飽和位置は第1象限と第 3象限上を変化し,その
軌跡は点対称であることが分かる。負荷に対する主磁束飽和突極性の飽和位置の変化に関 しては,文献(78)において報告されており,磁場解析及び実機実験による 100[%]定格ト ルクでのインピーダンス特性が示されている。その報告では,正の負荷に対して飽和位置 は負方向に変化することが示されており,本検討においても同様の結果が得られている。
これに対して,負荷に対する漏れ磁束飽和突極性の飽和位置の変化に関しては,本検討に より正負の負荷に対して飽和位置が同一方向に変化し,また,その変化は主磁束飽和突極 性よりも大きいことが分かった。
以上の結果より,負荷に対して漏れ磁束飽和突極性の飽和位置の変化が大きいことから,
負荷変化に対する補償用テーブルを予め準備する必要がある。補償用テーブルの測定点に 関しては,漏れ磁束飽和突極性の場合,飽和位置が負荷変化に対して無負荷を原点として 点対称に変化することから,第1象限のみ評価すれば良いと言える。