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第 2 章 高周波電圧信号重畳による誘導機センサレスベクトル制御系で利用する

2.4 実験結果

2.4.3 回転子スロットに対する検討

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ており,各図(b)は飽和位置の変化のみを平面上において示している。Fig. 2.14 より,主 磁束飽和突極性の飽和位置は負荷に対して-36[deg]から 18[deg]の範囲において変化してい ることが分かる。これに対して,Fig. 2.15より漏れ磁束飽和突極性の飽和位置は負荷に対し て-72[deg]から72[deg]の範囲において変化していることが分かる。これより主磁束飽和突極 性の飽和位置の変化と比較して,漏れ磁束飽和突極性の飽和位置の変化の方が大きいこと が分かる。また,Fig. 2.14(b)より主磁束飽和突極性の飽和位置は無負荷を原点として第2 象限と第 4 象限上を変化し,その軌跡は点対称ではないことが分かる。これに対して,

Fig. 2.15(b)より漏れ磁束飽和突極性の飽和位置は第1象限と第 3象限上を変化し,その

軌跡は点対称であることが分かる。負荷に対する主磁束飽和突極性の飽和位置の変化に関 しては,文献(78)において報告されており,磁場解析及び実機実験による 100[%]定格ト ルクでのインピーダンス特性が示されている。その報告では,正の負荷に対して飽和位置 は負方向に変化することが示されており,本検討においても同様の結果が得られている。

これに対して,負荷に対する漏れ磁束飽和突極性の飽和位置の変化に関しては,本検討に より正負の負荷に対して飽和位置が同一方向に変化し,また,その変化は主磁束飽和突極 性よりも大きいことが分かった。

以上の結果より,負荷に対して漏れ磁束飽和突極性の飽和位置の変化が大きいことから,

負荷変化に対する補償用テーブルを予め準備する必要がある。補償用テーブルの測定点に 関しては,漏れ磁束飽和突極性の場合,飽和位置が負荷変化に対して無負荷を原点として 点対称に変化することから,第1象限のみ評価すれば良いと言える。

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Impedance [ohm]

25 26 27 28 29 30 31

26 27 28 29 30 31

Fig. 2.16. Impedance locus on rotor angle for high frequency component (Injected signal level: 500[Hz], 90[V]).

1 [V]

5 [V]

10[V]

15[V]

20[V]

25[V]

30[V]

35[V]

40[V]

45[V]

50[V]

55[V]

60[V]

65[V]

70[V]

75[V]

80[V]

1

Vhf

Impedance [ohm]

Impedance [ohm]

Impedance [ohm]

(a) Injected frequency: 100[Hz]

(b) Injected frequency: 300[Hz]

(c) Injected frequency: 500[Hz]

Fig. 2.17. Impedance characteristics on rotor angle in various injected voltage level at each injected frequency.

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 

Frequency Hz

0.186 [A]

500 [Hz]

 

Time sec FFT

 

1

A

hfd

i  

1

A

hfd

i

Frequency Hz  

1.812 [A]

500 [Hz]

0.3395 [A]

1000 [Hz]

 

Time sec FFT

 

1

A

hfd

i  

1

A

hfd

i

(a) Voltage level: 5[V] (b) Voltage level: 70[V]

Fig. 2.18. Result of FFT analysis at frequency: 500 [Hz].

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は小さいことが分かる。Fig. 2.17(b)は重畳周波数300[Hz]において,重畳電圧レベルを1[V]

から50[V]まで変化させた場合の結果を示しており,重畳電圧レベルが高い場合はインピー

ダンスの変化は小さいが,重畳電圧レベルが低い場合,その変化が大きいことが分かる。

さらに,Fig. 2.17(c)は重畳周波数500[Hz]において,重畳電圧レベルを1[V]から80[V]ま

で変化させた場合の結果を示しており,重畳電圧レベルが高い場合は同図(b)と同様にイ ンピーダンスの変化は小さいが,重畳電圧レベルが低い場合は同図(a)及び(b)に比して,

その変化が大きいことが分かる。

次に Fig. 2.17 において重畳電圧レベルの大小によって回転子スロットによるインピーダ

ンスの変化の割合が異なる原因を考察するために,Fig. 2.18に重畳周波数500[Hz]で重畳電

圧レベル 5[V]及び 70[V]の信号を重畳した場合における各高周波電流に対する FFT 解析結

果を示す。ここで,各図の高周波電流波形も併せて示している。Fig. 2.18(a)より,重畳 電圧レベルが低い場合は,重畳周波数成分のみを含んでいることが分かる。これに対して,

Fig. 2.18(b)より重畳電圧レベルが高い場合は高周波電流が歪み,その周波数成分として

重畳周波数以外に 2 次の高調波を含んでいることが分かる。これより高周波磁束も歪んで いることが予想され,これに起因して重畳電圧レベルが高い場合は,回転子スロットに対 する変化に加え他の高調波成分の影響を受け,結果として回転子スロットの変化のみを観 測できていないことが考えられる。

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