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作 を 表 す こ と が で き る が 、 < 恒 常 的 特 性 > に お い て は 定 指 示 的 な 空 間 を 示 す こ と は で き な い 、 と い う 違 い が あ る 。

(95)の よ う に 主 体 が「 私 」と い う 定 指 示 的 で あ り 、「 西 宮 北 口 駅 前 の 居 酒 屋 」 と い う 定 指 示 的 な 空 間 が 示 さ れ て い る 場 合 は < 反 復 動 作 > で あ る が 、(96)の よ う に 主 体 が 「 私 」 で 「 居 酒 屋 」 と い う 不 定 指 示 的 な 空 間 が 示 さ れ て い る 場 合 は

< 反 復 動 作 > と し て の 解 釈 も 、< 恒 常 的 特 性 > と し て の 解 釈 も 成 り 立 つ 。「 よ く 飲 ん で い る 」 と し た 場 合 は < 反 復 動 作 > と な る 。

一 方 、(97)の よ う に 主 体 が「 日 本 の サ ラ リ ー マ ン 」と い う 不 定 指 示 的 な 場 合 、 空 間 も ま た「 居 酒 屋 」と い う 不 定 指 示 的 な も の で あ る こ と が 求 め ら れ る 。(98)

の よ う に 「 西 宮 北 口 駅 前 の 居 酒 屋 」 と い う 定 指 示 的 な 空 間 が 示 さ れ た 場 合 、 違 和 感 が 生 じ る の で あ る 。

< 反 復 動 作 >

(95) 私 は 西 宮 北 口 駅 前 の 居 酒 屋 で よ く { 飲 む / 飲 ん で い る }。

< 反 復 動 作 > ま た は < 恒 常 的 特 性 >

(96) 私 は 居 酒 屋 で よ く 飲 む 。(「 よ く 飲 ん で い る 」 の 場 合 は < 反 復 動 作 > )

< 恒 常 的 特 性 >

(97) 日 本 の サ ラ リ ー マ ン は 居 酒 屋 で よ く 飲 む 。

(98) ? 日 本 の サ ラ リ ー マ ン は 西 宮 北 口 駅 前 の 居 酒 屋 で よ く 飲 む 。

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お り 、< 反 復 動 作 > を 表 す 。(101)に お け る「 携 帯 電 話 」と は「 私 の 携 帯 電 話 」 を 意 味 し て お り 、 定 指 示 的 で 特 定 さ れ た も の が 対 象 と し て 示 さ れ て い る が 、 こ の 場 合 も < 反 復 動 作 > を 表 す 。

< 反 復 動 作 >

(99)SMAPと TOKIOは 安 定 し て テ レ ビ で 見 ま す が 、 最 近 特 に 嵐 を よ く 見 ま す 。( = (35))

(100)た と え ば 資 源 枯 渇 で 言 え ば 、「 石 油 エ ネ ル ギ ー に 代 わ る 次 世 代 エ ネ ル ギ ー は 自 然 エ ネ ル ギ ー 」と い う 声 を よ く 聞 く 。( 均 衡 コ ー パ ス 『 逆 常 識 の 経 営 』)

(101)車 の 電 話 を は ず し て 携 帯 電 話 と し て 持 ち 歩 い て い る ん で す け ど 、私 そ れ を よ く 忘 れ る ん で す 。( 毎 日 1994 年 6 月 14 日 毎 日 新 聞 地 方 版 / 東 京 )

< 恒 常 的 特 性 > に お い て は 、 < 反 復 動 作 > よ り も 脱 具 象 化 が 進 む た め 、 対 象 が 複 数 で 不 定 指 示 的 な も の と な る 。(102)「 た ば こ 」、(103)「 物 」、(104)「 酒 」 は 複 数 で 不 定 指 示 的 な 「 た ば こ 」「 物 」「 酒 」 で あ る 。

< 恒 常 的 特 性 >

(102)週 刊 朝 日 編『 戦 後 値 段 史 年 表 』に よ れ ば 、当 時 も り そ ば が 50~60円 。 カ レ ー ラ イ ス 110 円 。週 刊 誌 40円 。コ ー ヒ ー60円 。マ ス オ が 大 好 き な マ ー ジ ャ ン の 遊 技 料 金 が 1人 1 時 間 50円 だ っ た 。マ ス オ は た ば こ も よ く 吸 う 。 そ れ を 考 え れ ば 、 お 昼 は も り そ ば が 精 い っ ぱ い だ 。( 朝 日 2005 年 10月 29日 朝 日 新 聞 朝 刊 )

(103)部 員 も さ ま ざ ま な 問 題 を 起 こ す 。毎 晩 、酒 を 飲 ん で は 騒 ぎ 、吐 く と い う の は 当 た り 前 。非 日 常 的 生 活 に よ る 解 放 感 か ら か 、と に か く 物 を よ く 壊 す 。( 毎 日 1994年 9月 9日 毎 日 新 聞 東 京 夕 刊 )

(104)今 、な じ み の 客 は み ん な 年 を 取 り 、か つ て の よ う に は 飲 め な く な っ た 。 若 い 人 は 酒 を あ ま り 飲 ま な い 。( 朝 日 2004年 4月 11日 朝 日 新 聞 朝 刊 ・ 多 摩 )

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(105) か ら (107) の 用 例 で は 複 数 の 不 定 指 示 的 な 対 象 が 示 さ れ て い る が 、

「 て い る 」 形 で 表 さ れ て い る た め 、 < 反 復 動 作 > で あ る 。

< 反 復 動 作 >

(105) 健 康 や 食 事 に は 特 段 、 気 を 使 っ て い な い と い い 、「 好 き 嫌 い が な く 、 お 菓 子 や 果 物 も よ く 食 べ て い る 」 そ う だ 。( 朝 日 2011 年 9 月 19 日 朝 日 新 聞 朝 刊 ・ 宮 崎 )

(106)多 く の 人 は 多 忙 な 日 常 生 活 の 中 で ス ト レ ス を 感 じ 、自 分 の 健 康 に 不 安 を 抱 い て い る 。自 分 も 例 外 で は な く 、ニ ン ジ ン ジ ュ ー ス を よ く 飲 ん で い る 。( 朝 日 1994年 12月20日 朝 日 新 聞 朝 刊 )

(107)最 近 の 話 題 に 水 を 向 け る と 、口 数 も 多 く べ ら べ ら し ゃ べ り 、各 種 の 新 聞 を よ く 読 ん で い る こ と や 、 田 舎 者 の 金 言 好 き な や り か た な が ら も 、 よ く 思 索 に ふ け る 傾 向 の あ る こ と を う か が わ せ た 。( 均 衡 コ ー パ ス

『 イ ン ス マ ス 年 代 記 』)

< 反 復 動 作 > に お い て も 、 < 恒 常 的 特 性 > に お い て も 、 複 数 で 不 定 指 示 的 な 対 象 が 表 さ れ る 。 た だ し 、 < 反 復 動 作 > は 同 一 の 定 指 示 的 な 対 象 に 対 す る 繰 り 返 し の 動 作 を 表 す こ と が で き る が 、 < 恒 常 的 特 性 > に お い て は 定 指 示 的 な 対 象 を 示 す こ と は で き な い 、 と い う 違 い が あ る 。

(108)に お い て 主 体 は 定 指 示 的 な「 私 」で あ り 、対 象 も 定 指 示 的 な「 自 宅 の 鍵 」で あ り 、こ の 場 合 は < 反 復 動 作 > で あ る 。(109)に お い て 主 体 は 定 指 示 的 な 「 私 」 で 、 対 象 は 不 定 指 示 的 な 「 鍵 」 だ が 、 < 反 復 動 作 > と し て の 解 釈 も 、

< 恒 常 的 特 性 > と し て の 解 釈 も 成 り 立 つ 。「 よ く 忘 れ て い る 」の 場 合 は < 反 復 動 作 > で あ る 。

一 方 、(110)に お い て 主 体 は 複 数 の 不 定 指 示 的 な「 老 人 」で あ り 、対 象 も 不 定 指 示 的 な「 鍵 」で あ る 。こ の 文 で は「 老 人 」の < 恒 常 的 特 性 > を 表 し て い る 。

(111)で は 主 体 は 不 定 指 示 的 な「 老 人 」で あ る が 、こ こ で い う「 自 宅 の 鍵 」と は 特 定 の 「 自 宅 の 鍵 」 を 表 す の で は な く 、 不 定 指 示 的 な 「 自 宅 の 鍵 」 で あ り 、 こ の 文 も ま た 「 老 人 」 の < 恒 常 的 特 性 > を 表 す も の で あ る 。(112) の よ う に 、

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主 体 が 不 定 指 示 的 な「 老 人 」で 、対 象 を 定 指 示 的 な「 鈴 木 家 の 鍵 」と し た 場 合 、 こ の 文 は 違 和 感 が 生 じ る の で あ る 。

< 反 復 動 作 >

(108) 私 は 自 宅 の 鍵 を よ く { 忘 れ る / 忘 れ て い る }。

< 反 復 動 作 > ま た は < 恒 常 的 特 性 >

(109) 私 は 鍵 を よ く 忘 れ る 。(「 よ く 忘 れ て い る 」 の 場 合 は < 反 復 動 作 > )

< 恒 常 的 特 性 >

(110) 老 人 は 鍵 を よ く 忘 れ る 。

(111)老 人 は 自 宅 の 鍵 を よ く 忘 れ る 。( こ の 場 合 、「 自 宅 の 鍵 」は 不 定 指 示 )

(112) ? 老 人 は 鈴 木 家 の 鍵 を よ く 忘 れ る 。

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