き、横山教授の「スマートグリッドの光と影」の講演と質疑応答が行われました。
その後場所を替え懇談会を行い、話もつきませんでしたが21時に解散いたしまし た。
EWE関係者、電力技術懇談会の方々及び学生に感謝いたします。
蠢.種市EWE活性化委員会委員長/電力技術懇談会々長の挨拶(要約)
かつてEWEの会長をしていた時 に、何とかEWEを活性化したいと いうことで、色々と仕掛けを考えて おりました。その後の下村会長が活 性化委員会、と言うOBのグループ を立ち上げまして、その委員長をし ております。
それからもう一つ産官学の電力関係の研究開発を活発化しようと言うことで早 稲田に電力技術懇談会を設け活動しております。それが協賛すると言う形で今日 の会合が持たれたわけです。
EWEの活性化という点からもこんなに大勢の方々がお集まりいただいたのは、
大変感激しているところであります。
講 演
演題を選ぶにあたりまして、昨今電力関係で一番話題になっているものは何 か、色々考えたのですが、やはりスマートグリッドが適当ではなかろうか。
ただ、是の内容や定義はそれぞれの国や地域によって違っており、進め方や考 え方もそれぞれの国や地域のバックグラウンドがあって、全くそれらは正確では ないのでありますが、環境の問題や資源制約の問題を考えると、やはり、地場に ある様々な能力を結集して何かをなすと言うことが将来の大きな方向として出ま して、その時の有力なツールがスマートグリッドであろうと思うわけであります。
かつては電力関係というか電気事業は自由化という波がありましてそのときは 大体が発電会社の方々が競争関係を作ってコストを下げるということを主眼にし ておりましが、今回のこれはもっと大きないわば第二の自由化ではないが自由化 に等しいものです。
なお本日お話になります横山先生は、この分野に於きまして、第一人者といっ ても過言ではありません。非常に丹念に現在の欧米の状況、或いは日本の持って いる特殊性等々をエネルギー問題から始めとして、説いておられまして、今の状 態、段階でスマートグリッドについての一番纏まった立派なお話が伺えるものと 期待しておるところであります
是非将来にわたってこのスマートグリッドと言う新しい波、それに興味を持っ てご参加いただけますことを希望し、開会のご挨拶に代えたいと思います。
蠡.横山教授の講演
本講演は次のような内容で行われました。
・低炭素社会実現のためのクリーンエネルギー技術
・再生可能エネルギー有効活用のための次世代電力供給システム ・次世代電力供給システムとしてのスマートグリッド
・スマートグリッド基幹技術スマートメータとAMI ・スマートグリッドにおける標準化と需要応答 ・日本型スマートグリッドの開発方向と国際技術
1.豊富な資料で分かりやすい解説
横山教授は豊富な資料を駆使して、データに基づき分かりやすく解説された。
資料を例示すると、次の様であ る。世界のエネルギー起源のCO
2
排 出量、電源別(原子力、石炭火力、…)発電コストの比較、電源ベスト ミックスによる対応、原子力発電へ の回帰に対する国際動向、低炭素化 実現への切り札、原子力発電の見通 し、太陽光発電、つづいて次世代電 力供給システムとしてのスマートグリッド、米国の事情、スマートグリッドの基 幹技術、電力系統をめぐる日本、米国、欧州の比較 等々。
2.スマートグリッドへの期待
新政権に移行し、ますます低炭素社会の実現が注目されるなか、クリーンエネ ルギー技術開発が緊急な課題となっている。省エネルギー、設備の効率化、原子 力発電、電力貯蔵技術と並んで、再生可能エネルギーが推進される背景のひとつ には、世界的な電気事業に関する規制緩和が挙げられる。すなわち、卸電力市場 への参入規制緩和や小規模発電の技術革新により分散型電源をコアとしたビジネ スモデルが構築されつつあること、また、競争的環境下での流通システムへの設 備投資の減少から懸念されている供給信頼度低下の自衛手段として、近い将来、
分散型電源や電力貯蔵装置を多くの需要家が所有することになると予想されるた めである。分散型電源は、建設期間が短く、需要地に近接して設置が可能であり 送電ネットワークへの負担が軽く、またクリーンで地球規模環境問題にも貢献す ることから、コージェネレーション、マイクロタービンや燃料電池などの新エネ ルギー利用技術、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー技術、SMES
注1
を含めた二次電池等の分散型電源の普及が期待されている。電気料金の低価 格化や多品質な電力供給など需要家の要望がさらに高まることが予想されてい る。このような場合、現在の配電システムでは、電力の制御や保護が非常に難し くなり、適切に対処することができない。従って、将来の電力システム、特に需 要家にもっとも近い配電システムには、さらなる高信頼性・高柔軟性が求められ ている。このようなことから、世界中で様々な新しい電力輸送・電力供給の形態が検討・実証され始めてきている。
以上、電気事業を取り巻く最近の話題、低炭素社会実現のためのクリーンエネ ルギー技術開発への取り組み、再生可能エネルギーの特徴及び次世代エネルギー ネットワークと期待されているスマートグリッドの利害得失について述べられ た。
3.スマートグリッドの光の部分
以上「2.スマートグリッドへの期待」で述べられているように、スマート グリッドには色々期待が込められており、これらの期待は欧米諸国の抱えている 様々の問題を解決することから端を発している。この期待が実現すれば、非常に 良いこと尽くめで素晴らしい社会になるであろう。
4.スマートグリッドの影の部分
欧米で提案されているスマートグリッドをそのまま日本に適用出来るであろう か。
日本は、そんなに積極的に取り入れる事にならないのではないか。
信頼度は世界一、広域運用・配電系の自動化も進んでいる。
ところがアメリカは、頻発する大停電、この30年間で10数回大停電が有り、過 去10年間で8回発生している。そう言う事でなんとか送電系統を直さなければい けないと言う事情で、しかも近代化が遅れている。設備も老朽化している。
欧州は、スーパーグリッドと言って、アフリカまで連携してループを作ろうと している。スマートグリッド的な考えで再生可能エネルギーが入りすぎて、しか も偏在している。老朽化した設備の問題もある。
5.日本のスマートグリッド
アメリカやヨーロッパと比べて日本はスマートグリッドに対する見方は違って くるだろう。
配電の自動化、これは欧米に比べかなり進んでおり、省エネビル等は大分前か らやっています。今更スマートグリッドだからと言ってやることもない。
デマンドレスポンスと言うのはなかなか入れにくいのですが、将来やる必要が
あり、手をつけていないから検証する必要がある。
分散電源、これは今、日本は一寸困っています。この解決のために、何かそう いう制御系を上手く動かせる事が出来るなら、それは可能性がある。
分散電源をどんどん入れて電力系統の補助サービス(アンシュアリーサービ ス)に使おうとしても、不安定電源を電力会社さんはアンシュアリーサービスと して使う事はありません。
日本でスマートグリッドとして残されるものは、困っている再生可能エネル ギーの大量導入とお客様に少しでも節約していただくことに尽きると思います。
日本の場合一番の課題はこれです。
・ スマートグリッド的な十分な情報を手に入れて、資産管理をし、良い運用 をすることが必要。
・ シミュレーターの開発。10年ほど前は分散電源系統連係と言うシミュレー ションでしたが、今回は単独系統でうまく運用出来るかのシミュレーター の開発。
・ 次世代エネルギー、これで各市町村にエコパークを作って子供達が遊びに 行き環境教育をする。
この三つです。この延長上にスマートグリッドが来ればと思います。
日本は良いマイクログリッドを作ってきたのですから、無電化地域とか、環境 途上国に展開していき、その後に、それで商売をしていただきたいと思います。
こう言うものを東南アジアにショーケースとして持って行って、その後展開し て拡張するようなビジネスモデルが出来ればと思います。参入する会社は、今迄 の電力を中心とした供給側産業の電力メーカーさんだけでありません。需要側産 業のハードウエアから、消費者周りの色々なメーカーさんが入っています。メー ターメーカー、家電メーカーもあります。ソフト会社、EMSマネジメントの会 社、IT産業等、産業中心が、供給側産業を中心に動いていたものが、需要側産 業を中心に動きだす事によって、新しいビジネスが生まれたり、産業構造が大き く変わる。そして不況と言われたIT産業が復活してくればと思います。
電力会社は別に、スマートグリッドを作ろうとして商売をしている訳ではな く、スマートグリッドは手段にすぎません。
本当の目的は、電力会社が電力を漓安定供給 滷少しでも安いものを提供 澆環