DER への報酬のあり方について整理
2. 諸外国における対応状況 -③自家発自家消費の拡大による系統利用の減少( 3/6 )-
DER への報酬のあり方(米国 NARUC manual )
DER
への報酬方法の種類については、以下の4種類が整理されている。 Transactive Energy
はDER
の活用を促進すべく、Gridwise
アーキテクチャ会議(GWAC
)を中心として実装に向けた検討が進められている。出所)NARUC manual on distributed resources rate design and compensation DER Compensation Options , NARUC
ネットメータリング
Net Energy Metering
再生可能エネルギーの余剰電力を系統線に流して売電できるようにし、消費分から発電分を控除した「ネットの消費 量」で課金する仕組み
•
加州では価格を見直して継続運用している。•
電力需給の状況を問わず1kWh
が等価交換されるため、TOU
の導入等の対策が検討されるリソース価値による値付け
Value of Resource
(VOR)
DER
システムにより生じるコストと利益(発電量)を分離してそれぞれを定量化するための手法。• DER
の所在地や密度、他の(天然ガスの)価格、系統での再生可能エネルギーの価格、CO2
削減、汚染物 質削減等に応じて費用、利益を定量化サービス価値による値付け
Value of Service (VOS)
配電ユティリティに対して
DER
が提供できる追加的サービスを特定し、その価値を定量化する手法。•
値付けの対象とするサービスの例として、電圧サポート、ランピング、ローカルブラックスタートなど。マイクログリッドや 蓄電リソースから得られるサービスも対象となるトランザクティブエナジー
Transactive Energy
従来の計画ベースの電力需給制御システムではなく、「経済的な「価値」を主な管理パラメータとして用いて、電力イ ンフラにおける需要と供給をダイナミックに調整する管理手法」
• DER
はユティリティないしグリッドへの供給のみならず、直接的に他の需要家との契約・売電が可能となり、収益機 会が拡大Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.
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≪参考≫「スタンバイ/バックアップ料金」についての補足
スタンバイ・バックアップチャージについては、大規模工場の自家発電・ CHP の喪失に対する仕組みが大本である。分散型リソース への適用には手続き改善等の課題がある。
スタンバイチャージは、ユティリティのシステム信頼性確保を目的として、発電者が供給できなかった分の電力供給を埋め合わせた 量に応じて支払いがなされる。バックアップチャージについても、同じくユティリティの信頼性確保が目的であるが、あくまで計画的手 供給停止のみを対象にするサービスである。
現状、 DER を含め相当量の発電量については、その予備電源に係るスタンバイコストが発電者に対して請求されておらず、需要 家のコスト負担を増している。一つの DER が電力系統に起き得る重大な不足の事態に備えてコストを配分するようなことは生じて いない。
DER を系統に組み込む場合は、系統の信頼性確保を念頭に入れて料金設計をすべきで、 DER 投資はそれらのコスト分を考慮 したうえで判断されるべきである。
加えて、 PV の天候変動に伴う出力変動を埋め合わせる電源コスト等については、何らかの方法を持って発電者から徴収される べきである。
いくつかの南東部のユティリティはスタンバイチャージを導入ないし計画しており、需要家が DER に投資をすることに影響を与え ている可能性がある。たとえば、アラバマ州の“ the Alabama Power Company ” が導入している “Rate Rider RGB
Supplementary, Back-up or Maintenance Power schedule” は、太陽光発電の出力に応じて課金がなされる仕組みであ る。 Santee Cooper においても同様の規制が導入されている。
出所)NARUC manual on distributed resources rate design and compensation DER Compensation Options , NARUC
≪参考≫ Value of Service (VOS) について(1/4)
概念的には、下図に示すように、 DER がどの部分のサービスをカバーできるかにより価格付けを行う手法。
提供されるサービスに着目して価格付けを行うため、リソースの種類や技術などに関しては着目しない。
出所)NARUC manual on distributed resources rate design and compensation DER Compensation Options , NARUC
注
Resource Adequacyは、ISOがLSEに対し自社想定需要の115%相当の供給力確保義務を課す仕組みであり、契約容量に応じ支払いがなされる。
DERにより提供されるサービスの項目とその対象
ISO/RTO 向け 需要家向け
電力会社向け
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≪参考≫ Value of Service (VOS) について(2/4)
サービス価値支払いによる収益がコストを上回る例として、系統ないしエンドユーザに対する 1 次供給をした場合の価値支払いが 挙げられている。
種類 業務部門施設の蓄電池でのデマンド調整
(
カリフォルニア州、サンフランシスコ)
概要
•
蓄電池でのデマンド調整を行っているサンフランシスコの ホテルにおける実測データと、各種料金から計算。•
最大の収益機会はデマンドが500kW
を超えないように 調整することによるもの。• 20
年間におけるバッテリーの更新費用(7
年目、14
年 目の2
回)等も含めたコストと収益の現在価値を比較。収益の種類
① 購入電力量削減
②
ISO
サービスないし供給力確保義務(
Resource Adequacy)
③ 調整力市場(
Spinning Reserve, Regulation
)等その計算方法
① 小売料金単価×削減量
② アンシラリー市場の時間当たり決済額平均×放電量 、
RA
等の容量についてはSOC
に基づき把握③ ②と同じ
種類 ニューヨーク州での配電網増強遅延(
UPGRADE
DEFERRAL
)、(ニューヨーク州、ブルックリン、クイーンズ)概要
•
最大の収益機会はConEd
によるBQDM
プログラム:ブ ルックリン、クイーンズにおける配電網整備の代わりにビハ インドメーターで需要調整を行うことで費用が支払われ るもの。• BQDM
は計画・準備段階のものであり、substation
の 増強が2017-2019
年にかけて実施される収益の種類
①
UPGRADE DEFERRAL
による支払②
ISO
サービスないし供給力確保義務(
Resource Adequacy)
③ 調整力市場(
Regulation
)等その計算方法
① 需要調整量に応じて計算
② 市場価格×供給量
③ ②と同じ
出所) THE ECONOMICS OF BATTERY ENERGY STORAGE , RMI
注
Resource Adequacyは、ISOがLSEに対し自社想定需要の115%相当の供給力確保義務を課す仕組みであり、契約容量に応じ支払いがなされる。
業務部門施設の蓄電池でのデマンド調整 配電網増強遅延
≪参考≫ Value of Service (VOS) について(3/4)
需要家マネジメントによる収益の検討が進められている。
種類 集合住宅での需要マネジメント
(
アリゾナ州、フェニックス)
概要
•
アリゾナ州では屋根置きPV
の増加に伴い、同施設向け の新しいタリフ(Salt River Project
)を設定。基本は 的な料金設計の仕組みはTOU
であるが、蓄電池の設 置により取引単価が異なる。•
系統からの購入量はネットゼロと仮定収益の種類
①
Salt River Project
のTOU
、充電単価減による収益②
ISO/RTO
サービス*
ないし供給力確保義務(
Resource Adequacy), RA
* Regulation, Spinning Reserve
等その計算方法
① 小売料金単価差額×需要量
② アンシラリー市場の時間当たり決済額平均
*
×供給可 能量種類 逆潮流価格が低下したネットメータリング制度
(カリフォルニア州)
概要
•
最大の収益機会は蓄電池利用による屋根置きPV
の自 家消費。•
系統からの購入量はネットゼロと仮定•
ネットメータリング対象世帯における逆潮流価格は3.5 cents/kWh
と想定収益の種類
① 自家消費分× 小売電力単価
②
ISO/RTO
サービス*
ないし供給力確保義務(
Resource Adequacy), RA
* Regulation, Spinning Reserve
等その計算方法
① 小売料金単価×使用量
② 市場価格×供給可能量
③ ②と同じ
集合住宅での需要マネジメント 逆潮流価格が低下したネットメータリング制度
* アリゾナ州は発送分離等が実施されていないため、決済額はCAISOの値を使用
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.
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≪参考≫ Value of Service (VOS) について(4/4)
DER の価値評価( CA 州)
DER
導入拡大の効果と送配電系統の増強を定量評価した上で、DER
の導入効果を算定し、同効果に基づくDER
受入のための設備投資をオー ソライズするプランを作成する必要がある。
電力システムに連系するDERの地点別便益とコストを評価する。こ の評価はローカルな発電容量の削減、配電系統の増強に関わる 費用の回避と、信頼性の確保を両立し、最終的にその便益を受け る系統利用者の支払う料金により賄われる
費用対効果の高いDERを導入するための標準的な料金、契約、その他の仕組みの推奨
既存のCPUCが承認済みのプログラム、インセンティブ、料金などを 調整してDERをローカルで最大限に活用する
費用対効果の高いDERを電力システムに統合し、系統利用者の 便益をもたらすために必要とされる公共的な支出を明確化する
信頼性を確保する手段として、配電系統の技術及び運用に関連 したDERの受入に関わる障害を明確化するAB 327 Added PUC Code Section 769 より
出所)PGE資料より三菱総研作成