第3章 地域包括ケアシステムの深化と推進
第3節 認知症施策の推進
【現状と課題】
認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域でよい環境のもと 暮らし続けることができる社会の実現を目指すことは、地域包括ケアシステム構築の基本 的な考え方に通じるものです。
本市における高齢化率は、平成26 年10 月に26.2%、平成 29 年10 月には28.4%とな り、3年で 2.2%上昇しています。
高齢化の進行とともに、認知症の方はますます増えることが見込まれます。今後は、関 係職種の対応力向上に加え、ネットワーク強化、相談窓口の拡充等が求められています。
認知症について、正しく理解し、認知症の方とその家族を温かく見守る応援者として、
平成 18年度から「認知症サポーター養成講座」を開催し、平成 28 年度までの累計で、
22,684 人の認知症サポーターが養成され、福島県内の市町村では最多となっております。
平成 28年度からは認知症キャラバン・メイト養成講座を本市独自に開催するほか、認知症 の方と地域住民が交流や情報交換を図り、住民の認知症への正しい理解を広げる啓発活動、
相談できる場としての「認知症カフェ」を開催しています。
認知症の初期段階の方やその家族、地域住民が気軽に相談ができ、地域の医療機関との 連携強化を図るため、平成 28年度から「認知症地域支援推進員」を地域包括支援センター に配置し、早期発見、早期対応に取り組んでいます。
今後、認知症を発症した時から進行状況に合わせて、医療、福祉関係の社会資源情報が 提供できる「認知症ケアパス」の作成や徘徊(一人歩き)高齢者の早期発見に繋げる「認 知症高齢者QRコード活用見守り事業」の周知、認知症予防などに取り組む必要がありま す。
平成 25年度から専門医療機関であるあずま通りクリニックに委託し、「認知症初期集中 支援チーム」を設置しており、専門医とのスムーズな連携により、早期段階で介入し、受 診・診断・治療につなげることができたケースが多くあり、地域包括ケアにおける多職種 連携の核の 1つとなっています。
また、平成 26 年 10 月から福島市赤十字病院に「地域型認知症疾患医療センター」が、
平成 28年6月からは、あずま通りクリニックに「連携型認知症疾患医療センター」が開設 されました。本市並びに県北地区の認知症治療の中核を担う機関として、関係機関との役 割分担の明確化と連携強化を進めていく必要があります。
本市では、本計画策定に合わせ、今後の認知症施策の方向性として、「第2期福島市認知 症施策-福島市版オレンジプラン-(平成30~32 年度)」(表 3-3-1)を作成しました。2025 年(平成 37 年)の目指す姿を<認知症の人も周囲の人も、安心して、自分らしく暮らし続 けることができるまち>とし、実現へ向けての6つの課題ごとの方策について、地域住民 および医療、介護、福祉の関係団体や関係機関等と連携、協力しながら地域包括ケアシス テム構築の考え方に基づいて取り組みを進めていく必要があります。
<表 3-3-1>福島市認知症施策 ━福島市版オレンジプラン━ (平成 30~32 年度)概要 2025 年(平成 37 年)の目指す姿
認知症の人も周囲の人も、安心して、自分らしく暮らし続けることができるまち
5つの視点
1 誰もが認知症について偏見なく正しく理解している
2 認知症になっていない人も予防および早期発見のための手立てをとることができる
3 公助・共助のサービスに加え、地域住民やボランティア等による互助に基づくサービスを、
認知症のそれぞれの段階に応じて適切に途切れなく受けることができる
4 認知症の人の尊厳が保持され、地域の一員としてその人らしく暮らし続けることができる 5 認知症の人やその家族の思いを重視する
6つの課題
課題Ⅰ 認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進 課題Ⅱ 認知症を予防するための対策
課題Ⅲ 早期発見・早期診断・早期対応ができる体制づくり 課題Ⅳ 切れ目のない医療・介護サービス体制づくり 課題Ⅴ 地域での日常生活・家族支援の強化
課題Ⅵ 若年性認知症への対策
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-【施策の基本方向と体系】
認知症の人も周囲の人も、安心して、自分らしく暮らし続けることができるまちの実現 を目指します。
(1) 認知症施策の推進 ①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
②認知症を予防するための対策
③早期発見・早期診断・早期対応ができる体制づくり
④切れ目のない医療・介護サービス体制づくり
⑤地域での日常生活・家族支援の強化
⑥若年性認知症への対策
【施策・事業】
(1) 認知症施策の推進
① 認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
地区組織やさまざまな職域、小・中学校との協働による「認知症サポーター養成 講座」や「認知症学習会」等を開催します。また、関係団体と共催による認知症啓 発イベントの開催のほか、認知症ガイドブックを活用した正しい知識の普及に努め ます。
<表3-3-2> 認知症サポーター等養成事業 (単位:人)
区 分
実 績 目 標
平 成 28年度
平 成 30年度
平 成 31年度
平 成 32年度 認知症サポーター養成講座修了者数 22,684 26,000 28,000 30,000
認知症キャラバン・メイト修了者数 322 380 410 440
(うち活動メイト数) (250) (310) (340) (370)
② 認知症を予防するための対策
認知症予防をテーマとした教室の開催を行うなど、情報提供の取り組みに努めま す。
また、認知症を予防するためには、人との交流など社会参加が大切であるため、
「いきいきももりん体操」を活用した通いの場の取り組みなど、身近な場所での交 流・社会参加を促進します。
③ 早期発見・早期診断・早期対応ができる体制づくり
早い段階で本人や周囲が認知症に気づけるよう認知症に関する学習会や認知症サ ポーター養成講座などで啓発していくとともに、地域包括支援センターへの「認知 症地域支援推進員」の配置等により、気軽に相談できる場所や人材の確保、かかり つけ医を中心とした連携を構築します。
また、もの忘れ検診テスターの活用や専門医療機関との連携体制の構築のほか、
認知症初期集中支援チームや関係機関とのネットワークの強化等、早期診断・早期 対応の仕組みづくりを行います。
<表3-3-3> 認知症地域支援推進員事業 (単位:人)
区 分
実 績 目 標
平 成 28年度
平 成 30年度
平 成 31年度
平 成 32年度
認知症地域支援推進員数 6 22 22 22
④ 切れ目のない医療・介護サービス体制づくり
かかりつけ医、認知症サポート医、認知症専門医、認知症疾患医療センターが連 携し、切れ目なく認知症医療が受けられる医療体制の整備に取り組みます。
また、地域の実情に即した「認知症ケアパス」を作成し、さまざまな課題を抱え ていても、住み慣れた地域で本人の意思と尊厳が尊重されながら最期を迎えること ができるよう、医療と介護の連携強化及び地域の体制づくりを進めます。
介護・福祉職を対象とした認知症対応力向上のための研修会の開催のほか、「地域 ケア会議」等を通じて、医療や介護サービスの円滑な連携の推進を図ります。
⑤ 地域での日常生活・家族支援の強化
地域包括支援センターの地域への浸透を図るとともに、認知症地域支援推進員の 配置等により相談窓口としての機能の充実を図ります。
認知症の方や家族がどのような悩みをもち、どのような支援を望んでいるのか確 認する機会を設け、効果的な施策の展開に努めます。
認知症になっても住み慣れた地域で安心して生活し続けるために、徘徊模擬訓練 の実施、地域住民や企業による見守りネットワークの推進や警察時に保護された際 に 早 期 に 身 元 が 判 明 で き る よ う 認 知 症 高 齢 者 Q R コ ー ド 活 用 見 守 り 事 業 の 充 実 を 図ります。また、認知症になっても社会参加できるよう、町内会やサロン等、地域 コミュニティの活用のほか、認知症の方や家族が相談や情報交換したり、地域住民 と交流ができる場として「認知症カフェ」の周知と拡充を進めるとともに、認知症 サポーターやキャラバン・メイトが学んだ知識を活かして活躍できる地域の体制づ くりを推進します。
認知症が進行しても権利が脅かされないよう、地域へ向けての高齢者虐待防止や 権利擁護の啓発のほか、関係職種を対象とした研修会及び事例検討会等の開催、福 島市権利擁護センターや法律専門職との連携を推進します。
<表3-3-4> 福島市オレンジプラン推進事業 (単位:箇所)
区 分
実 績 目 標
平 成 28年度
平 成 30年度
平 成 31年度
平 成 32年度
認知症カフェ設置数 10 40 45 50
認知症高齢者徘徊模擬訓練実施数 4 6 8 10
⑥ 若年性認知症への対策
若年性認知症への理解を深めるため、企業等での認知症サポーター養成講座の拡
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