日に長田地先の定置網の中に放流した。翌日、同
9
定置網中のイサキ人工種苗を
362
尾漁獲し、試験を 行った。イサキは元猿地先と同様の方法で漁獲し、長田漁港内にある小割生簀網(
3
m× m× m)へ3 3
移し、2006
年 月 日まで飼育して生残率の変化を10 3
大分県海水研事業報告平 成 18 年 度3
2
平 成17
年 度調べた。なお、供試魚については週
2
~ 回EP飼料3
を飽食給餌して飼育した。また、生簀内にメモリー 式水温計を設置し試験中の水温を測定した。5.イサキ標識試験
昨年度のイサキ0歳魚標識試験において、スパゲ ティータグ(タグ長
25mm
、うちチューブ長10mm
) よりも有効な標識であると示唆された腹鰭抜去標識 について、2005年11月29日に抜去した左腹鰭の再生 状況を2006年10月3日(抜去後308日)に確認した。なお、供試魚については先述の生残試験に使用し たイサキ人工種苗と同じものである。生残試験中を
3 3 3
除き、水産試験場の海面小割生簀網( m× m×
m)に収容し、週
2
~ 回EP飼料を飽食給餌して飼3
育した。事業の結果 1.TAC管理およびシステム運用
1)漁獲管理情報処理
システム、ファックス等により、大分県内の
TAC
主要漁協
22
支店から採捕報告があった。2006
年にお ける大分県のマアジTAC配分量は6,000
トンで、( )。
それに対してマアジは
3,204
トン採捕された 図1
マイワシは配分量(若干量)に対し、555
トン採捕 された(図2
)。サバ類(マサバ・ゴマサバ)は配分( ) 、 ( )。
量 若干量 に対し
2,041
トン採捕された 図3
図1 マアジの漁業種類別採捕数量(2006年)
1月 3月
5月 7月
9月 11月
まき網 釣り
さし網 底びき網
船びき網 その他 0
100 200 300 400
採捕数量(トン)
図2 マイワシの漁業種類別採捕数量(2006年)
図3 サバ類の漁業種類別採捕数量(2006年)
標本船 経営体における
2 2006
年 月から4 2007
年 月3
までの操業状況を整理して表1
に示した。また、同 標本船 経営体における2 2000
年度から2006
年度まで の乗船人数および操業日数(合計値)の推移を図4
に示した。いずれの標本船も営業形態は日中の船釣りを行っ ており、マアジを主に漁獲していた。 日
1 1
人当たり の漁獲尾数は昨年度とほぼ同等であった。乗船人数 および操業日数は、2001
年度以降ゆるやかな減少傾 向にあったが、2003
年度を境にして大きく減少して いた。1月 3月
5月 7月
9月 11月
まき網 釣り
さし網 底びき網
船びき網 その他
323
140
0 10 20 30
採捕数量(トン)
1月 3月
5月 7月
9月 11月
まき網 釣り
さし網 底びき網
船びき網 その他
507
0 100 200 300 400 500
採捕数量(トン)
大分県水試事業報告
4
3
表1 標本船の操業状況
図4 標本船2隻における乗船人数・操業日数の推移
2.TAE管理
サワラの漁獲量および市場調査による体長測定を 実施している佐賀関支店の資料を解析し、取りまと めた結果を水産振興課へ報告した。
3.標本船日誌調査
小型底びき網漁業を営む大分県漁業協同組合臼 杵、佐伯、米水津、上入津支店所属の計 経営体に
6
標本船日誌( 月~ 月)の記帳を依頼し、漁獲・操4 3
業実態等を把握した。4.イサキ生残試験 1)元猿地先
試験期間中の生残率の変化を図
5
に、試験終了時 における供試魚の体長組成を図6
に示した。漁獲か ら生簀収容までの間の斃死はみられなかった。漁獲 の翌日にスレのあった1
個体が斃死した。それ以外 は、期間中の斃死はみられなかった。 日後の試験15
終了時の生残率は99.6
%であった。なお、試験期間 中の水温は ~20 23
℃の範囲内で推移した。2)長田地先
試験期間中の生残率の変化を図
7
に、試験終了時 における供試魚の体長組成を図8
に示した。漁獲か ら生簀収容までの間の斃死はみられなかった。試験 開始 時間後に 尾が斃死した。翌日に 尾、 日目に2 9 2 3
尾斃死した以外は、期間中の斃死はみられず 日1 34
後の試験終了時の生残率は
96.7
%であった。なお、試験期間中の水温は ~
23 26
℃の範囲内で推移した。0 500 1000 1500 2000 2500 3000
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 年度
延べ人数
0 50 100 150 200 250 300 350
延べ日数
乗船人数 操業日数
標本船A 標本船B
操業日数(日) 65 47
乗船人数(人) 513 349
漁獲尾数(尾) 12,076 9,880
1日1人当たりの漁獲
尾数(尾/人・日) 23.5 28.3
これらの結果から、定置網に入網した小型イサキ を、たも網等で漁獲する行為が生残に与える影響は 小さく、漁獲後に再放流することは資源管理方策と して有効であると示唆された。しかしながら、キビ ナゴやカタクチイワシ等、小型の有用魚種が多数混 獲される定置網の漁獲物の中からイサキ幼魚を選別 し、放流することは定置網漁業者にとって非常に煩 雑な作業である。イサキ幼魚が成長し、大型魚とな った際に主に漁獲するのが一本釣り漁業である実態 を考えると、定置網漁業者による無償での再放流の 実施は難しいと考えられる。各漁業種間の協議のも と、双方にメリットがあるような放流制度を立ち上 げなければ、再放流による資源管理は実現しないと 思われる。
図5 イサキの生残率の変化(元猿地先)
図6 供試魚の尾叉長組成(元猿地先)
図7 イサキの生残率の変化(長田地先)
0 2 4 6 8 10
6/22 6/27 7/2 7/7
月日
斃死魚尾数(尾)
95%
96%
97%
98%
99%
100%
へい死魚尾数 生残率
0 2 4 6 8 10
8/29 9/3 9/8 9/13 9/18 9/23 9/28 10/3 月日
斃死魚尾数(尾)
95%
96%
97%
98%
99%
100%
へい死魚尾数 生残率
N = 242
0 10 20 30 40 50
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 尾叉長(㎝)
個体 数〔 尾〕
大分県海水研事業報告平 成 18 年 度
4
図8 供試魚の尾叉長組成(長田地先)
5.イサキ標識試験
腹鰭抜去後
308
日目における腹鰭の再生状況を確102 25 1/4
認したところ、 尾中 尾において元の状態の 以上の長さに再生しており、その割合は
24.5
%であN = 350
0 10 20 30 40 50 60
7 8 9 10 11 12 13 14 15
尾叉長(㎝)
個体 数〔 尾〕
った。抜去時に胸鰭の基部を残してしまうと再生す る傾向がみられた。抜去後 日目の時点における再
92
生割合(13.5
%)よりも増えており、今後の経過観 察が必要であるが、現段階ではタグ標識よりも有効 な方法であると考えられる。今後の課題
これまでのところ、定置網に入網した小型イサキ の再放流による本県海域のイサキ資源への添加効果 については、脱落率の大きいタグ標識の使用、およ び標識放流個体数が不十分なためか、再捕個体数が 少なく十分な知見が得られていない。今後は、腹鰭 抜去標識を行った人工種苗を大量に放流するなどし て、放流効果を検討する必要があると考えられる。
平 成
17
年 度 大分県水試事業報告8 9
戦略魚種タチウオ資源回復計画策定事業
(交付金)
真田康広・山田英俊
事業の目的
タチウオは本県水産業における重要魚種であり、
本種に依存している漁業種類はひき縄釣、はえ縄、
底びき網、刺網、定置網等と広範で、生産高は全国 年の トンを 屈指である。しかし、漁獲量は
1984 7,316
ピークに1996
年までは4,500
トン前後で推移していた のが、1997
年以降は1,600
~2,900
トンにまで減少して いる。そのため、タチウオの資源を高い水準で維持 し利用していくことを目的に、タチウオ資源回復計 画を策定することになった。調査は漁業実態、資源状態の把握のための漁業生 物調査のほか、資源水準を判断する指標を得ること をねらいとして、計量魚群探知機を用いた資源調査 今年度は、まずタチウオ の導入について検討する。
に関する知見の収集・整理を進めるとともに、代表 的な漁業種類において操業実態の把握および操業に 役立てる資料を得るために、水試と浅海研究所とで
、 ( )
分担し それぞれひき縄釣漁業 タチウオこぎ釣り と小型底びき網漁業(タチウオこぎ網)に関する調
豊予海峡周辺域におけるタチウ 査を行った。また、
なお、小型底びき オ越冬漁場の予備調査を行った。
網漁業に関する調査については、浅海研究所の報告 に記載している。
事業の方法 1.標本船日誌調査
タチウオ漁業の操業実態を把握するため、水試お よび浅海研究所毎に標本船(ひき縄釣、はえ縄、底 びき網等)について、操業位置や漁獲量の記帳報告 を依頼し、年間を通して操業状況の追跡を行った。
2.サンプル調査
成長および成熟等に関する知見を得るため、
2006
年 月から5 2007
年 月の間に伊予灘・豊後水道で漁獲3
されたタチウオを定期的に購入または試験操業によ って採集し、精密測定を行った。測定項目は外部形 態(全長、肛門前長,体高、頭長、眼径 、雌雄、)生殖腺重量とした。年令形質として頭部から耳石を 摘出採取し年令査定試料とするとともに、雌生殖腺 の一部を %ホルマリン固定し分析試料とした。
10
3.水揚げ量調査
タチウオは以前より県外市場へまとめて出荷され る頻度が高かったことなどから、流通形態が他の魚 種に比べて確立されており、魚体サイズ別に銘柄分 けされ( キロ当たりの尾数 、集荷または出荷され
5
) ている。そのため漁協各支店や仲買(もしくは運搬 業者)には銘柄別の取扱伝票や市場出荷伝票等の資 料が比較的良好な状態で残されている場合が多い。そこで漁業種類別に漁獲量、漁獲隻数の変動を把 握するため、タチウオ主要水揚げ支店毎に銘柄別取 扱伝票もしくは市場出荷伝票からの集計を行った。
4.タチウオ試験操業
資源管理を効率的に進める手法の一つとして、ひ き縄釣りにおいて釣獲されるタチウオの魚体サイズ を選択的に釣り分ける手法について検討した。
年に豊後水道の保戸島と無垢島の沖におい
2006
て、タチウオひき縄釣りの仕掛けを用いて以下の試 験操業を行った。漁獲したタチウオについては肛門 前長と体重を測定した。
:餌にマイワシ 付 1)釣り針の大きさによる比較 ( け餌)と擬似餌を用い、それぞれについて大きさの 異なる 種類の針を使用して 月
2 10 4
日と 月10 10
日に実 施した。、 2)餌の種類による比較:針の大きさを統一して 餌にマイワシ、イカナゴ、マアジの 種類を使用し
3
て 月10 18
日、 月11 14
日、 月12 1
日に実施した。5.調査船調査
伊予灘、豊後水道でのタチウオ漁は周年に亘る。
漁場は伊予灘から豊後水道北部にかけて広く形成さ れるが、 、 月になると豊予海峡周辺に縮小する傾
2 3
向がみられる。伊予灘西部では、タチウオは冬季の 越冬を豊予海峡周辺で行ったのち、水温の上昇とと もに北上して分布域を広げることが報告されてい る。そこで、タチウオが集群しやすい冬季の魚群分 平成 年度18
平 成 18 年 度