4.2.1 土壌試料の粒径分画
筑後,吉木,合志土壌を500 mL容トールビーカーに40 g取り,脱イオン水を添加し,1.0 mol L-1 NaOHを添加してpH9に調整した.15分間超音波処理して分散させた後,トールビーカー内の試料
を1.0 L容沈底びんに移した.沈底びんにゴム栓をし,上下反転させ十分に撹拌後静置し水温を測定
し,測定水温から粘土画分である2 µm粒子が20 cm沈降する時間を算出した.その時間だけ静置さ せた後,20 cmのより浅い部分の懸濁液をサイフォンで採取し2.0 L容ビーカーに移した.沈底びん に再度脱イオン水を添加して撹拌,静置後の懸濁液を採取するという操作を繰り返し,20 cm深さよ り浅い部分の懸濁がみられなくなるまで同様の操作を行った.
土壌試料の粘土の大部分を採取後,沈底びん内の試料を500 mL容トールビーカーに移し,脱イオ ン水を十分に添加し水温を測定した.ガラス棒で撹拌後,シルト画分である20 µm の粒子が10 cm 沈降するだけの時間静置し,10 cmの深さより浅い部分の懸濁液をサイフォンで採取し,2.0 L容ビ ーカーに移した.トールビーカーに再度脱イオン水を添加して撹拌,静置後の懸濁液を採取すると いう操作を繰り返し,10 cm深さより浅い部分の懸濁がみられなくなるまで同様の操作を行った.採 取した懸濁液は静置し,上澄みをできる限り除去した.沈底したシルトは蒸発皿に移し,ホットプ レート上で穏やかに加熱して水分を蒸発させた後,乾燥機内で12時間程度乾燥させた.
蒸発皿上に0.2 mmの粒径分析用標準ふるいをのせ,トールビーカー内の試料を洗浄ビンで脱イオ ン水を吹き付けながら標準ふるいに移した.標準ふるい内の試料には,さらに脱イオン水を吹き付 け,小さい画分をできるだけ通過させた.標準ふるい通過分は細砂,不通過分は粗砂である.それぞ れの画分を回収した蒸発皿は静置し,上澄みをできる限り除去し,ホットプレート上で穏やかに加 熱して水分を蒸発させた後,乾燥機内で12時間程度乾燥させた.
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単位土壌質量当たりの各画分の含有量を表 4.1に示す.筑後試料の粘土含量は22%,吉木試料は
4%であった.筑後試料は粗砂が少なく,シルト画分を 50%含んでいた.吉木試料は細砂と粗砂が
80%以上を占める土壌であった.合志試料についても同様の操作を行って粒径分画したが,過酸化 水素処理をせずに分散処理を行ったことから,土壌有機物の微細粒子の集合体を完全に破壊できな かった.合志試料のような黒ボク土は,微細粒子の集合体化が著しいことから,分画したシルト内 に集合体化した粘土画分が含まれる可能性が考えられるため粒径別試料の接触試験には用いなかっ た.
表 4.1 単位土壌質量当たりの各画分の含有量 粘土
(g kg-1)
シルト (g kg-1)
細砂 (g kg-1)
粗砂 (g kg-1) 筑後 220 500 200 80
吉木 40 130 280 550
4.2.2 土壌との接触試験
K吸着容量が0.1 mmol相当になるようにNH4-CmH(0.25 g)をパックしたメンブランフィルター 上に,供試土壌を1.0 g充填し,0.01 mol L-1 CaCl2溶液2.0 mLをそれぞれ添加した.開口部からの蒸 発を防ぐためパラフィルムをかぶせ,プラスチックホルダーを密閉可能なポリエチレン袋内に入れ て24時間から504時間まで接触させた.接触期間中は25℃の恒温室で静置した.
各回収時間に供試土壌を脱イオン水で洗浄して除去し,NH4-CmHをパックしたメンブランフィル ターを回収し,0.1 mol L-1硫酸酸性シュウ酸ナトリウムを30 mL添加して完全に溶解させた.溶解後 は適宜希釈し,原子吸光光度計を用いてK濃度を測定し,供試土壌から吸着材に溶出移行したK量 を算出した.
接触試験後,吉木試料から吸着材に溶出移行したK量を基に酸緩衝能試験を行った.2.0 gの吉木 試料と吸着材を1,344時間接触させた場合,約0.18 cmolc kg-1のKが吸着材に移行していた.これは,
吸着材に保持された0.18 cmolc kg-1のH+が土壌内に放出されたことになる.吉木試料2.5 gを85 mL 容ポリカーボネート遠心分離管に取り,0.01 mmol L-1のCaCl2溶液を6.25 mL添加した.各試料に 0.01 mol L-1のHCl溶液を0, 0.2, 0.4, 0.6, 0.8, 1.0 mL添加(これは,土壌から0, 0.08, 0.16, 0.24, 0.32,
0.40 cmolc kg-1のKが,吸着材内のH+と陽イオン交換した量に相当する)し,30分間往復振とうさ
せた.振とう後は,各サンプルのpHをガラス電極式H+濃度指示計(HORIBA F-51)を用いて測定 した.
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4.2.3 粒径別試料を用いた接触試験
K吸着容量が0.1 mmol相当になるようにNH4-CmH(0.25 g)をパックしたメンブランフィルター 上に,各供試土壌のシルト,細砂,粗砂を1.0 g充填し,0.01 mol L-1 CaCl2溶液2.0 mLをそれぞれ添 加した.開口部からの蒸発を防ぐためパラフィルムをかぶせ,プラスチックホルダーを密閉可能な ポリエチレン袋内に入れて 24 時間から 480時間接触させた.接触期間中は 25℃の恒温室で静置し た.
各回収時間に供試土壌を脱イオン水で洗浄して除去し,NH4-CmHをパックしたメンブランフィル ターを回収し,0.1 mol L-1硫酸酸性シュウ酸ナトリウムを30 mL添加して完全に溶解させた.溶解後 は適宜希釈し,原子吸光光度計を用いてK濃度を測定し,供試土壌から吸着材に溶出移行したK量 を算出した.
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