第 7 章 適用実験による評価
7.2 国際航空券予約システムのロバストネス分析の評価
7.2.3 評価結果
7.2. 国際航空券予約システムのロバストネス分析の評価 107
この円11についての比較結果表 7.6は,ゴールモデルとそれを変換したロバストネス図 について,処理手続の形態およびすべてのモデル要素の比較結果が同等であることを示し ている.他の要求ゴールに関する円1〜10のゴールモデルについても,円11と同様に,処 理手続の形態およびすべてのモデル要素について同等であることを確認できた.この結果,
ゴールモデルからロバストネス図へと洗練パターンによる情報が正常に継承されていると 判断した.
なお,今回の国際航空券予約システムの事例で要求ゴールの洗練に使用した洗練パター ンはマイルストーン駆動洗練パターンのみである.このマイルストーン駆動洗練パターン による評価結果を,他の洗練パターンに適用できるかどうかについて述べる.第5章で説 明しているゴールモデルから操作モデル(5.2節),操作モデルからロバストネス図(5.6 節)へのQVTによる変換規則を見ると,ほとんどが洗練パターンによらない変換規則と なっている.ただ,操作モデルからロバストネス図への変換規則において,ケース分解と 分割・統治の洗練パターンについては,一部のバウンダリオブジェクトのパターンが特殊 なものとなっている.しかし,米国ATMシステムのユースケースモデリングの評価に関
する7.1.3 節で議論した 例題の妥当性 の場合と同様に,この部分の特殊性もロバストネス
図へのQVT変換規則(図 5.11)にとって本質的なものではなく,本例題による評価で十 分であると考える.
とは言え,このふたつの洗練パターンについて,厳密に評価したい場合は別途実施する 必要がある.但し,この場合も,使用しているロバストネス図の変換テンプレート(図4.8 のロバストネス図の列)からある程度予測することは可能である.ケース分解洗練パター ンについては,最終結果のバウンダリオブジェクトに対し,それぞれのケースの結果のバ ウンダリオブジェクトが汎化/特化の関係になっている.これは,各ケースのサブゴール 実現が親ゴールの実現に相当することとシナリオ的に合致する.また,分割・統治洗練パ ターンについては,最終結果のバウンダリオブジェクトに対し,それぞれの分割の結果の バウンダリオブジェクトがコンポジションの関係になっている.これは,各分割のサブゴー ルそれぞれがすべて実現されることが親ゴールの実現に相当することとシナリオ的に合致 する.これらのことから,ケース分解洗練パターンと分割・統治洗練パターンについても,
ゴールモデルからロバストネス図に洗練パターンによる情報が継承されると期待できる.
7.2. 国際航空券予約システムのロバストネス分析の評価 109 本例題によるロバストネス図への変換に関する評価では,属人性の排除評価は実施して いない.今後の実施を検討する必要があるが,ロバストネス図への変換規則(図5.11)と イベントフロー図への変換規則(図 5.9)の類似性から,イベントフロー図への変換にお ける属人性の排除効果と同様に,ロバストネス図への変換についても属人性の排除効果が 見込まれると容易に期待できる.
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