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 前章までの分析で得た街路空間の空間構成要素に関する設計手法の有効性を検証 するために、実在する敷地を対象とし、街路空間とそれに面する建物の低層部の一 部の設計提案を行った。敷地は東京都新宿区新宿三丁目の新宿通りの一区間で、計 画する街路空間の延長は約170m である。

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□ 計画敷地

 日本でも最大の商業地であり、様々な種類の店舗が混在する場所である。外国人 観光客も多く訪れるなど、歩行者の数は多いが、街路空間での滞留行為はほとんど 見られず、足早に歩く歩行者が多いのが現状である。また、違法や長時間の路上駐車、

歩道部分に自転車が駐輪され、歩道が狭くなっており、歩行者のための街路空間と は言えない状況である。

N 100m Site

東口広場

新宿モア 4 番街

新宿駅

図14 敷地俯瞰写真

□ コンセプト

 敷地となる街路空間の空間構成要素と街路に面する建物との関係を読み取り、歩 行者が歩き、滞留したくなる場所を設けることで、歩行者中心の街路空間を作り出 すことをコンセプトとする。また、隣接する新宿モア 4 番街との連続を図り、将来 的に歩行者中心の街路空間が面的に広がっていくことを目指す。

46 自動車と歩行者の占有面積割合

自動車と歩行者の占有面積

交通量の割合

□ 交通量調査

 計画敷地に対して適切な街路空間が配分されているかを確認するため、時間帯を 3度に分け、交通量調査を行った。現状の街路空間の55% が自動車のための空間、

45% が歩行者のための空間として占められている。調査の結果、自動車が24%、

自転車と歩行者で76% の交通量が確認できた。歩行者の数に比べて歩行者のため の空間が不足していることから、街路空間の再配分を行った。

55%

45%

24%

76%

□ 街路断面構成

 街路の総幅員はそのままとし、片側1車線と路上駐車帯の車道を西向き1車線に 減らし、自転車レーンを設け、5m ほどだった歩道の幅を約8m まで広げた。合わ せて、荷捌き用の路上駐車帯の数も半数に減らした。

車道

歩道 歩道

平面図 1/600

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50

ベンチ 簡易店舗 椅子+テーブル 商品ラック 看板

オブジェ 階段 壁面後退 オーニング・庇 樹木

空間構成要素(日本)

舗装

空間構成要素(海外)

ボラード

ベンチ

モニュメント ベンチ 簡易店舗 椅子+テーブル 商品ラック

オブジェ 階段 壁面後退 オーニング・庇

舗装

ボラード モニュメント

採用構成要素

直接的構成要素と間接的構成要素の関係から、「看板」+「ベンチ」+「樹木」の組み合わせを適 用した。

駐輪スタンドにベンチとしての機能を持たせることで、一時的な休憩に利用したり、来街者同 士のコミュニケーションのきっかけに繋がる。また、駐輪スタンドは、サインとしての役割も 持ち、歩行者がが、自分が今どの通りの周辺にいるのかを確認することができる。

ベンチとしても利用できる駐輪スタンドは、来街者へのささやかなサインとしても機能する。

ベンチ 簡易店舗 椅子+テーブル 商品ラック 看板

オブジェ 階段 壁面後退 オーニング・庇 樹木

空間構成要素(日本)

舗装

空間構成要素(海外)

ボラード

ベンチ

モニュメント ベンチ 簡易店舗 椅子+テーブル

階段 オブジェ

舗装

ボラード

ベンチ

モニュメント

採用構成要素

建築的構成要素と家具的構成要素の関係から、「壁面後退」+「商品ラック」の組み合わせに「看 板」を適用した。

1 階部分がセットバックし、2 層分の天井高の吹き抜けをもつ店舗の街路に面する壁をガラス へと変え、吹き抜け部分に格子状のラックを設ける。そばを通る歩行者は吊るされている商品 に視線がいき、一瞬立ち止まり中を見上げる。街路の反対側の歩行者からは、実物が吊るされ ている大きな看板のように見え、どんな店舗なのかすぐに判断ができ、歩行者がより入りやす い店舗となる。

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ベンチ 簡易店舗 椅子+テーブル 商品ラック 看板

オブジェ 階段 壁面後退 オーニング・庇 樹木

空間構成要素(日本)

舗装

空間構成要素(海外)

ボラード

ベンチ

モニュメント 椅子+テーブル

簡易店舗 商品ラック 看板

オブジェ 階段 壁面後退 オーニング・庇 ボラード

ベンチ

モニュメント

採用構成要素

建築的構成要素と家具的構成要素の関係から、「ベンチ」+「樹木」の組み合わせに、海外事例 分析より「舗装」を適用した。

新宿駅東口から通りに入ると、大きなスポーツウェアブランドの店舗とその前に広がるデッキ スペースが目に入る。ここでは、ヨガ教室などスポーツや健康と関連したイベントが行われる。

街路の舗装の素材を変えることで、通行するためだけの街路とは異なる場所を作り出すことが できる。

緑に囲まれたデッキスペースで、汗を流す。都会の真ん中ではできない体験が日常的に行われる。

ベンチ 簡易店舗 椅子+テーブル 商品ラック 看板

オブジェ 階段 壁面後退 オーニング・庇 樹木

空間構成要素(日本)

舗装

空間構成要素(海外)

ボラード

ベンチ

モニュメント 椅子+テーブル

簡易店舗 商品ラック 看板

オブジェ 階段 壁面後退 オーニング・庇 ボラード

ベンチ

モニュメント

採用構成要素

直接的構成要素と間接的構成要素の関係から、「ベンチ」+「樹木」の組み合わせに、海外事例 分析より「舗装」を適用した。

長い間営業している書店の煉瓦の外壁が街路の中程まで連続的に繋がる。地面から現れたよう な長いベンチは、緩やかに空間を囲い、信号待ちをしている、子供や老人も腰をかける。囲ま れた内部はどこゆっくりと時間が流れ、歩行者は木々の影で読書や会話をして時間を過ごす。

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ベンチ 簡易店舗 椅子+テーブル 商品ラック 看板

オブジェ 階段 壁面後退 オーニング・庇 樹木

空間構成要素(日本)

舗装

空間構成要素(海外)

ボラード

ベンチ

モニュメント 看板

商品ラック ベンチ

壁面後退

オブジェ 階段 オーニング・庇 樹木 ボラード

ベンチ

モニュメント

採用構成要素

直接的構成要素と間接的構成要素の関係から、「簡易店舗」+「椅子 + テーブル」の組み合わせに、

海外事例分析より「舗装」を適用した。

週末やイベントなどの歩行者天国時には、車道部分にもキッチンかーや椅子、テーブルが置か れ、多くの人で賑わう。荷捌き車のための路上駐車スペースと歩道とのレベル差を無くし、フ ラットに仕上げることで、駐車スペースと歩道部分を広場のように大きく利用することができ、

ストリートパフォーマンスや災害時にも利用できる。

自動車が通らない空間では、歩行者の活動が活き活きとしてくる。

ベンチ 簡易店舗 椅子+テーブル 商品ラック 看板

オブジェ 階段 壁面後退 オーニング・庇 樹木

空間構成要素(日本)

舗装

空間構成要素(海外)

ボラード

ベンチ

モニュメント 椅子+テーブル

簡易店舗 商品ラック

樹木 オーニング・庇 オブジェ

舗装

ボラード

ベンチ

モニュメント

採用構成要素

建築的構成要素と家具的構成要素の関係から、「階段」+「壁面後退」と「看板」+「ベンチ」の 組み合わせを適用した。

新宿通りには、店頭に大きなディスプレイをもつ店舗がいくつか見受けられる。歩道に現れた 段差をもつ構造物は、閉店後やイベントなどでの映画上映会の座席として利用される。上部で は、普段とは違う視点から人の流れを見渡すことができる。側面は、看板の機能を持ち、後部は、

ベンチとなっており、少しの信号待ちにも腰掛けることができる。

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