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Angle 20 (°eg.) 図5‑7 異なる基板温度で作製した

nc‑GaN薄膜のXRDの測定結果

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図5‑8

異なる基板温度で作製した

nc‑GaN薄膜のSAXSの測定結果

アルミ箔上に約o.8pmの厚みのnc‑GaNを堆積させた試料のXRDの結果を図5‑7に示す。

200, 300 oc製膜の試料においては六方晶GaNのピークの鋭さは同程度であるが, 400

oC製膜の試料では幅広な

回折/1oターンになった.各試料の回折パターンからシエラーの式を用いて結晶粒子サイズを算出し

た. 200℃製膜試料では約21 nm, 300oC製膜試料では約27nmであった.一方, 400oCで製膜した 試料の結晶粒子サイズは約5nm程度で極端に小さくなっていることが分かった。回折強度は、作製温

度の増加に伴い若干ではあるが増加していることが確認された.特に, 400 。C製膜の試料では200 。C および300 oC製膜試料において非常に弱い強度であった(oo2)面の回折ピークも明確に観測された。

このことから,作製温度の増加によって結晶化しやすい,つまり結晶化度が向上すると考えられる。

図5‑7に示した同一試料でのSAXSの結果を図5‑8に示す。 sAXSにおいて基板温度の増加に伴い散 乱強度が低下するという顕著な結果が得られたo これは、基板温度が高いほど試料の均一性が向上す

ることを示しているものと考えられる。散乱強度が十分大きいh2< 10'2 Å以下の範囲において、ギニ エ法およびファンクシェン法より求めた散乱粒子サイズは200℃製膜試料では20‑31 nm, 300。C製 膜試料では15‑27nm, 400℃製膜試料では1ト47nmであった。 200oCおよび300oCで製膜した試料 の散乱粒子のサイズは,シエラーの式より得られた結晶サイズに対応しているため, sAXSで観測さ れた散乱は,結晶粒子による散乱である可能性がある。一方400oC製膜の試料では,散乱粒子のサイ

ズはシエラーの式より得られた結晶サイズに比べてかなり大きい。 XRD回折強度は若干ではあるが 400oC製膜試料が最も大きいため,もしこの小角散乱がGaN結晶粒子によるものであるとすれば、

SAXSの結果においてh2が大きな領域の散乱強度が増加し、その傾きも小さくなるはずである。しか し, h2の広い範囲にわたって散乱強度が減少している事実は,小角散乱によって観測される散乱は結 晶粒子によるものではなく,ポイドやアモファス構造の領域によるものと考えることが妥当と考えら れる。つまり, 400 oC製膜試料では配向の異なる比較的小さな結晶が非常に密に成長することによっ て,結晶化度を増加させている考えられる。

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Photon EtLergy (eV) 図5‑9

異なる基板温度で作製した

図5‑10

異なる基板温度で作製した nc‑GaN薄膜の暗電気伝導度の温度 nc‑GaN薄膜の吸収係数スペクトル

依存性

図5̲9および5‑10は,異なる基板温度でガラス基板上に膜厚約o.2トLm堆積させたnc‑GaN薄膜試料

のアレニウスプロットおよび吸収係数スペクトルを示している。電気伝導において,

300oCで製膜し た試料は、他に比べ高抵抗であることが確認された。また,吸収係数スペクトルにおいても, 300oC の試料は,局在準位が他の試料と比べ低いことが分かった.測定から得られた、 a1.5eV、 Eu. G..I.およ びEaについて表5‑1にまとめる。 300oCの試料は, 200oCおよび400oCに比べα1.5eVおよび㌔とも

に小さい。その結果, Eaも大きく, G....も低い.それに対し, 200oCの試料ではα1.5.VおよびEuとも に大きい。特にEuが大きいため, 300oCに比べ電気伝導は低抵抗化していた.その原因として、構造 の乱れによる浅い準位密度の増加が考えられる。一方400 oCの試料では, Euが最も小さいにも関わ

らず最も低抵抗であった。この傾向は,膜厚や投入電力に依存しない。実際に,

400oCで投入電力60 w,膜厚0.叫mのmを作製し測定行ったが,比抵抗が低くドレイン電流はゲート電圧によって制御

できなかった。その主原因として、結晶性の向上に伴う不純物のドーピング効率の増加が考えられ る。

ⅩRDおよびsAXSの結果において, 400 oCで製膜した試料は結晶化度および均一性が最も高いと考 えられる。 400oCでの製膜によって結晶性が良くなったことにより, 300oC以下の製膜ではドナー原

子として機能しなかった0やsiといった不純物が、ホスト原子のNやGaのサイトに置換することで

表5‑1基板温度の違いによるcEl.5eV、

Eu、 〜.t.およぴEaの変化

Ts(oC) α1.5eV(Cm'l) Eu(meV) ¢..I.(S/cm) Ea(eV)

200 220 490 5×10‑5 0.16

300 40 290 2.5x10‑8 0.31

400 200 280 1.5×10‑3 0.03

伝導電子密度を増加させている可能性がある。実際に図5‑11の吸収係数スペクトルにおいて, E。は小 さいにも関わらず, 1.8eV以下のエネルギー嶺域ではフリーキャリア吸収が観測されているo もし、

結晶性が向上し伝導電子密度が高くなったのであれば,ホール効果によってそれらを見積もることか できる可能性がある.それを確認するために,電子技術総合研究所・薄膜シリコン系太陽電池スーパ ーラボの協力を得て、ホール測定を行った。しかし,シート抵抗が測定限界(100f2・cm)より1桁以上高

く,またキャリアの散乱などによってホール効果からはpn判定ができなかった。現時点では, 400oC の試料における低抵抗化の原因を特定するまでには至っていない。しかし,上記の通り400oCで結晶

性が向上しているのであれば、不純物混入を極力防ぐことにより,より結晶性が高く高抵抗なnc‑GaN 薄膜が得られる可能性がある。

5‑4 nc‑GaN薄膜の水素化とアニール処理による構造および電気的・光学的性質の変化

アモルファスシリコンにおいて,水素化は局在準位を低減し価電子制御を可能にさせた画期的手法 である【4]。アモルファスシリコン中の水素は,未結合手(ダングリングボンド)を終端させることによ

り,バンドギャップ内の深い局在準位を低減する。本節では, nc‑GaNの水素化が局在準位を低減する のに有効な手段であるかの検討を行った。

nc‑GaN薄膜は, N2=5mTorr、 H2= 5mTo汀、 Ar= 190mTorr(全圧0.2Torr)の混合ガスを用いて,塞 板温度150oC,投入電力80Wにて製膜した。膜厚は約o.75 pmの試料を用いたoその試料の赤外(IR:

Infrared)透過率スペクトルを,図5111に示す。比較のため,破線で水素化していないnc‑GaN薄膜の結

果も示した。水素化したnc‑GaN (以降nc‑GaN:H)において1000、 2100および3200cm 1付近に吸収が観 測された.それらは, N‑Hbending、 Ga‑HstretchingおよびN‑H stretchingモードと考えられ, nc‑GaN薄 膜中に水素が混入されていることが確認できた。これらの試料の吸収係数スペクトルを図5‑12に示

す。 nc‑GaN:Ⅲの光学エネルギー ギャップE。4は水素化していない試 料に比べ小さく約2.75eVであった。

また、局在準位は水素化することに よって増加し, α1.5eV‑103cm'1, Eu

610meVであった.このように、水 素化はアモルファスシリコンにおい

ては局在準位を低減する有効な手法

であった【4】が, nc‑GaNにおいては 局在準位を大幅に増加させることが 分かった。これらの試料の暗電気伝 導の温度依存性の結果を図5‑13に示

した。 nc‑GaN:Hは,局在準位が深い 準位から浅い準位まで幅広く分布

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図5‑ll nc‑GaNおよぴnc‑GaN:Hの 赤外透過率スペクトル

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吸収係数スペクトル

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1000rr (K'1) 図5‑13 nc‑GaNおよびnc‑GaN:Hの

暗電気伝導度の温度依存性

し、

E.4が水素化していない試料より小さく,かつ低抵抗であった.

この水素化したnc‑GaN薄膜をアニールすることにより,水素の脱離に伴う膜質の変化を調べた。図

5‑14は赤外吸収から算出した,各赤外吸収モードの積分強度のアニール温度依存性を示している。図

中で黒丸で示されているGa‑Hstretcbingモードは, 400oCアニールの時点で若干減少しており、 700oC のアニールによって完全に消失した.一方N‑Hに関する吸収モードは, Ga‑Hに関する吸収モードに 比べより高温において減少し始め、 800oCで始めて完全に消失した。この試料の熱アニールした後の 吸収係数スペクトルの結果を図5‑15に示す。水素放出があまり活性でない400 oCまでは,吸収係数 スペクトルもさほど大きな変化はみられな

かった。しかし, 400oCより高温でのアニ ールによって水素の脱離が促進されると、

深い準位が大幅に減少した。図5‑16はこの 試料のESR測定の結果である。 4章で示し たように, nc‑GaN薄膜のESRセンターは幅 広なスペクトルで, g値が‑2.004であっ た。作製直後の試料(as‑deposited)では,明 確なESR信号は観測されなかった。しか

し, 400 oCおよび600 oCの熱アニールに よって幅の広いESR信号が検出された。こ の信号のg値も2.004でありESRスペクト ルも幅広であった。さらに800oCアニール を行うと図5‑16のようにそのESRセンター は消失した。ここで,図5‑17に、吸収係数

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Annealing temperature (oC) 図5‑14

赤外吸収測定から算出した

結合水素圭のアニール温度依存性

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