第 4 章 流体シミュレーションに関する検討
4.2 解析に用いた流動試験
第3章により得られた「充填不良を起こさない間隙充填モルタルの条件解明」
の成果を用いて流動解析を行った。その流動試験による実挙動とその解析結果 の整合性を考察したい。本項では、その流動試験の概要と結果について取りまと めたものである。
4.2.1使用材料
使用材料については 3.1 材料構成に関する検討で言及したものと同様のもの を用いたため、割愛する。
4.2.2モルタルの配合
モルタルの配合を表-4.1 に示す。第 3 章の検討より、充填性に優れた間隙充 填モルタルの条件として「増粘剤添加量 0.10%、SP 添加量 1.00%未満」、「降伏 値4Pa以上」の2つを満たす必要があることが分かった。そのため、上記の2条 件を満たす配合をそれぞれ粘性が大きいもの(No.1)、小さいもの(No.2)、中程度
のもの(No.3)の3水準を用意した。また、第3章の検討と実験条件を合わせるた
め、水セメント比(W/C)を0.4に、セメント質量に対する細骨材質量の割合を示 す細骨材セメント比(S/C)を0.8と一定にした。また、小粒径骨材と大粒径骨材を 8:2の割合で使用した。
表-4.1 モルタルの配合
<1.2㎜ 1.2㎜≦
No.1 0.5 0.05
No.2 0.7 0.05
No.3 0.7 0.10
0.05 W/C
単位量(kg/m3) 高性能AE
減水剤 (C×%)
増粘剤 (W×%)
0.4 388 969 621 156
消泡剤 (C×%)
W C S
(4.15)
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4.2.3試験方法
練混ぜ方法、粘度測定試験、二重円筒式間隙充填性試験については3.1材料構 成に関する検討で言及したため割愛する。粘度測定試験は降伏値が所定の値を 満たしていることの確認と、レオロジー定数が流動解析のパラメータの 1 つと なっているためである。二重円筒式間隙充填性試験は充填率が流動性に優れた
と言える89.6%を満たしているかの確認のために行った。
(1)密度測定試験
密度に関しては、1000ml 容器に間隙充填モルタルを充填させたときの重量よ り測定した。
(2)モデル型枠式間隙充填性試験
3.1材料構成に関する検討で用いたモデル型枠式間隙充填性試験では、流動解 析において、莫大な時間を費やしてしまうという問題点が生じた。本検討は基礎 的検討の取り掛かりであるため、モデル式型枠式間隙充填性試験装置の寸法を 小さく改良し、流動解析効率化を図った。装置を図-4.2に示す。改良前の装置は 試料を約3L必要としたが、本検討で用いる装置は、試料は1Lのみ使用する。
試験手順を以下に示す。流動解析に用いるというのが本試験の目的であるた め、測定したのは流動開始前の領域 1 の試料充填高さと到達時間である。流動 の様子はカメラで撮影した。
4. 領域1に試料(約1L)を投入する。この際に間隙部に試料が流れないようにす るため、間隙部を仕切り板で覆う。
5. 仕切り板を外し、試料の自重により間隙部に流動させる。領域2にモルタル が始めて流動するまでの時間を測定し、到達時間とした。
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4.2.4試験結果
本検討で得られた試験結果を表-4.2 に示す。粘度測定試験より得られた降伏 値を見ると、それぞれ4Pa以上を満たしている。そのため、「増粘剤添加量0.10%、
SP添加量1.00%未満」の配合条件で「降伏値4Pa以上」の試料を製作すること
が出来た。塑性粘度を見ると、粘性が大きいもの(No.1 1.886Pa・s)、小さいもの (No.2 0.820Pa・s)、中程度のもの(No.3 1.126Pa・s)の3水準に分けることが出来た といえる。また、二重円筒式間隙充填性試験の結果を見ても、充填率が全て89.6%
以上となっている。以上を鑑みて、本検討の試料は充填率の優れた間隙充填モル タルであると判断した。
3 105.0 3.98 5 100.0 2.14 3 107.0 2.77 5 104.0 1.84
3 97.0 3.99
5 102.0 1.95
98.1 97.4 284.5
256.0 279.0 277.0 2.31
間隙幅 (mm)
初期充填 高さ(mm) モデル式間隙充填性試験
到達時間 (s) 2.35
2.33
二重円筒式間隙充填性試験 理論充填
高さ(mm)
充填高さ (mm)
充填率 (%) 90.0 No.2
No.3
1.886 0.82
13.85 4.82 1.126 5.64 塑性粘度
(Pa・s)
降伏値 (Pa)
密度 (kg/m^2) No.1
表-4.2 試験結果
図-4.2 モデル型枠式間隙充填性試験装置
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