ウ 学習の見直しをする資料ができるため,自分の考えの変容の様子を自 分でとらえることができやすくなる。
エ 自分の考えを整理した記録が残るため、情報交換しやすくなる。
指導者の立場から‑
ア 活動中の個々の子どものノートを見ることによって、子どもの考えを とらえることができるため,個々や全体の子どもに対して手だてをしや すくなる。
イ 指導後に、全体の子どものノートを点検することによって、子どもの 理解やつまずきの様子,今後の活動の方向性(問題)などをとらえるこ
とができるため,次時からの指導計画の修正や立案に役立てることがで きる。
このように、書くという行為は単なる記録ではなく、観察・実験結果などが 外在化・固定化・対象化されるという意味において非常に重要な活動であると
いえる。そして,観察・実験結果などが外在化・固定化・対象化されることに よって思考の対象が明確化され、より適切な思考活動が行われると共に,効率 的なモニタリン グやコントロールを行うことが可能になると考える。また、指 導者にとっても子どもが何を理解し、何につまずいているのかを把握すること
ができるため,子どもの状態に即した授業の展開を考えることができる。
しかし,子どもは初めからこのような有効なノートを書くことはできないた め,適切な指導を行う必要がある。子どもの状況によってどのような指導を行 うのか判断する必要があるが,神田が示している以下の4点は基本的観点とし て大切であると考える。
1.ノートに記録することのよさ、大切さを教えたり,記録の仕方につい て約束したりする
2.授業後にノートを点検し評価してやる 3.ノートの記録の仕方のよさを紹介し合う
このような観点から,小学校の早い段階においてノートに記録することの利 点や大切さを実感させ,ノート‑の記録を習慣化させることは理科に限らずど の教科にとっても大切な事項である。また,観察・実験においてはノートやワ ークシートなどに記録を取り,結果をまとめて考察を行うという一連の過程は 児童生徒にとっては複雑な問題解決活動である。このため,日頃から明確な視 点にもとづいた指導を行う必要があるといえる。
このような観察記録やノートづくりの指導において菅井(2000)は,観察・
実験の視点を明確にするために「何を観察するのか」といった問題意識を持た せるとともに、「何をどのように記録するのか」という側面についても明確にし ておく必要があるとしている。また、支援のポイントとして「表現のったなさ、
不正確さ,あいまいさなどを的確に指摘してあげること」「表現のきれいさに惑 わされない。評価としてはどれだけ正確に事実を捉えそれをどこまで深く洞察 できているかを見極める」という2点を挙げている。