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複素数の乗法計算と合成の方法

ドキュメント内 2012 September 21, 2012, Rev.2.2 (ページ 43-47)

最後に合成方法を示す。

G(s) = K

s(1 +sT) = K

s × 1

1 +sT =G1(s)G2(s) (6.9) さてこの合成関数の全体の挙動を考える。

G(jω) = K

jω(1 +jωT) (6.10) 複素数の乗数計算において

|G(jω)| = |G1(jω)| × |G2(jω)| (6.11)

̸ G(jω) = ̸ G1(jω) +̸ G2(jω) (6.12) の関係を使う。

ωが小さいと1 +jωT 1となり,伝達関数は G(jω 0) K

(6.13)

と近似される。ゲインと位相は,

|G(jω 0)| ≈ K

|ω| = (6.14)

̸ G(jω→0)≈ −90 + 0 =90deg (6.15)

より,ゲインと位相が次のようになり,

|G(jω → ∞)| ≈ K

2|T = 0 (6.17)

̸ G(jω → ∞)| ≈ −90 + (90) =180deg (6.18) ω→ ∞で2重積分(∞で180degに漸近)に近似できる。

よって,ω → ∞の位相角は伝達関数の次数の差となる。

G(s) = K

s(1 +sT) (6.19)

では,次数差2次90×n(n=2)で180となる。

以上より,0≤ω ≤ ∞の概要がわかったので,合成関数が描画できる。

Im

Re 0

図 6.8: 合成

実験でデータをとるとベクトル線図が得られるが,実際はそれらを近 似することで制御対象の数式を得ることができる。

代表的なベクトル線図を図6.91に示す。また,この章ではベクトル線 図の記法を示したが,次章ではこれらの結果を用いた,ナイキストの安 定判別法を示す。

図 6.9: 代表的ベクトル線図(1)

7 回 ナイキストの安定判別

周波数ごとに周波数応答のゲイン・位相が決まり,周波数ごとにそれ をつなげることである関数の分析が可能となる。第6章では,ゲイン・位 相を記述する手法としてベクトル軌跡があり,伝達関数が与えられる場 合は周波数毎にプロットできることを示した。

制御系設計では閉ループは代表的で非常に有効な手法であり,安定に するには試行錯誤で調整しなければならなかった。そこで,ベクトル軌 跡を安定性の尺度に利用したナイキストの安定理論が1932年(昭和7年) に提案された。本章では,フィードバック制御系の安定性を判定できるナ イキストの安定判別法を示す。また,ナイキストの安定判別は系が安定 かどうかの判定だけではなく安定の度合いを示すため有用である。

7.1 開ループ伝達関数

伝達関数のゲイン・位相を一点に表現できるベクトル線図の書き方を 前章にて学んだ。このベクトル線図を使って,系の安定性を判定する方 法を考える。

いま,図7.1に閉ループ系の伝達関数を示す。

Y(s) = G1(s)G2(s)

1 +G1(s)G2(s)R(s) + G2(s)

1 +G1(s)G2(s)D(s) (7.1)

G

1

(s)

r + y

- G

2

(s)

d + +

図 7.1: ブロック図

図7.1において,G1(s)G2(s)はループを一巡した伝達関数の積で一巡 伝達関数あるいは開ループ伝達関数と呼ぶ。丁度,フィードバックルー

プを「カット」すると一巡で増える(または減る)値を示す。フィード バックで「負帰還」すると一定値に落ち着く(一巡で一未満に信号が減 る)と設計したフィードバック系が安定になる。

そこで,信号路を切った開ループG1(s)G2(s)を評価すれば,構成され るフィードバック系が安定かどうか判定できるので,その考え方を利用 したナイキストの方法を紹介する。

ドキュメント内 2012 September 21, 2012, Rev.2.2 (ページ 43-47)

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