• 検索結果がありません。

ボード線図上の安定判別

ドキュメント内 2012 September 21, 2012, Rev.2.2 (ページ 70-75)

それぞれの要素のゲイン・位相を折れ線で近似し,最後に加算する。計 算のポイントは,定常状態での位相をチェックして図が正しいか検算でき る。この例題では,定常状態で分子1次で90deg,分母2次で180deg より定常状態で位相は90degとなる。また,ゲインは定常で次数の差

20[dB/dec]となる。

Re Im

߱

߱ Ͳ

߶

1/݃

図 9.10: ベクトル線図

[1]ゲイン余裕:位相が180[deg]の時,ゲインが1になるまでのゲイン [2]位相余裕:ゲイン 1 の時,位相が180[deg]となるまでの位相の余裕 が計測できる。

図9.11に安定の例,不安定の例を示す。図の場合,位相が180[deg]の

߱

߱

఩┦వ⿱<0 䝀䜲䞁వ⿱<0

0dB

-180

߱

఩┦వ⿱>0 ߱

䝀䜲䞁వ⿱>0

0dB

-180

Ᏻᐃ䛺ሙྜ ୙Ᏻᐃ䛺ሙྜ

図 9.11: ボード線図での安定性

時ゲインが1未満(0[dB]未満:矢印上向き)でゲイン1(0[dB])の時位

相が180[deg]未満(遅れていない:矢印上向き)の場合安定である。逆

G(s)の安定性は,位相とゲインで記述でき,

[1]180[deg]の時ゲインが1

[2]ゲイン1(0[dB])の時位相が180[deg]未満 であれば,系は安定と言えた。

簡単に解説すると,「−180[deg]の時ゲインが1以上」であると,フィー ドバックで信号が増幅されどんどん信号が大きくなる。あるいは,「ゲイ ン1(0[dB])の時に位相が180[deg]以上」ずれると,ループを一巡した 際に,その偏差r−yは明らかに360度で増幅され,制御系は発散するこ とがわかる。これらの安定度として,先に示したゲイン余裕,位相余裕 で数値化できる。

一般に対象とする系は,「データがとれる」のを仮定してるので「系は 安定である」と考えてよい。さらに,制御により振動を小さくしたり応 答を早くしたりするのが実用的な設計であろう。ここで扱う制御系は開 ループ(あるいは一巡伝達関数フィードバックループを切ったもの)であ るが,信号が増幅されているかあるいは遅れているかを分析し,フィー ドバック系をつなぐと安全に制御できることが「事前に」わかるのがこ の手法の特徴である。

10 回 制御系設計手法の基礎

この章から,具体的な制御系の設計を行う。制御系の設計において,「振 動がないようにゲインを調整したい」,「偏差なく追従したい」といった 具体的な要望がある。コントローラの設計においてまず明らかにすべき ことは,「どのような構造のコントローラで達成できるか」という点をま ず明らかにして,その後具体的な調整法について議論すればよい。

本章では,特に制御系設計の基礎として,定常状態の性能として制御 系の型を学び,定常偏差が最後にどれくらい残るかを計算する。次に,コ ントローラの極の配置について示し,フィードバックゲインを大きくす ると極がどの様に変化するかを調べる根軌跡法を示す。なお,エバンス による根軌跡法は1952 年に確立されている。

10.1 制御系の仕様

制御系の制御目的は,

[1]目標値に追従する

[2]外乱が入ったときには,その影響を打ち消し制御量を目標値に一致さ せる

ことである。さらに具体的な仕様としては,

[1]定常偏差をなくす [2]即応性を改善する [3]安定度を改善する

といったことが設計の際に注意すべきものであり,例えば図10.1は系の 配置によりどのような仕様が与えられるかを図示したものである。図に 示すように,極配置によりシステムは振動したり,振動しなかったりす

Im

Re OS䛺䛧䠖

᪩䛔

᣺ືᑠ

᣺ື኱

ᛂ⟅㐜䛔

᣺ື኱

ᛂ⟅᪩䛔

図 10.1: 極の位置

Time

ᩚᐃ᫬㛫

᭱኱⾜䛝㐣䛞㔞

❧䛱ୖ䛜䜚᫬㛫

᣺ᖜῶ⾶ẚ ᅛ᭷ゅ࿘Ἴᩘ

ᐃᖖ೫ᕪ

図 10.2: 系の設計指標

行き過ぎ量),整定時間,定常偏差などがある。ほかの包括的な数学的 指標として,応答波形を意図的に評価したものとして誤差面積の量の積 分量を評価する方法などもある。ここでは,例として2つの指標を示す。

[1]ISE(積分二乗誤差:integral of squared error) I =

0

e(t)2dt

(10.1)

[2]ITSE(積分時間二乗誤差:integral of time multiplied by squared error)

I =

0

te(t)2dt

(10.2)

例えば,ISEでは誤差が小さいほどよい評価となり,振動が少ない波形と なる。ITSEでは時間がさらに評価される。ほかにも積分絶対値誤差など もある。

ドキュメント内 2012 September 21, 2012, Rev.2.2 (ページ 70-75)

関連したドキュメント