日本の診断薬市場は、感染症検査が最も大きく、年間680億円、次いで免疫検査 と生化学検査がそれぞれ660億円となっています((一社)日本臨床検査薬協会統計 2014より)。
また、遺伝子検査が広まっており、ウイルス、ヒト遺伝子検査分野などへの意識が 世界的に高まっています。当社は、血清を用いてアレルギーの原因となる物質(アレ ルゲン)を測定する試薬や、肺炎、急性上気道感染症などの呼吸器疾患の診断に有 用な検査試薬などの製品ラインナップを有しています。今後はさらに、M&Aによる 新製品群の獲得や販売ルートの拡大を通じて、ライフサイエンス事業を将来の基盤 事業の一つに育てていきます。
遺伝子診断、再生医療事業への新規参入
患者のクオリティオブライフ (QOL) の向上に資するライフサイエンス事業の創出 をめざし、当社が得意な材料技術を駆使するとともに、オープン・イノベーションを通 じて新事業の展開を進めていきます。また、マーケティング部門と研究開発部門を一 体化させることにより、有望な事業分野や製品を的確に見極め、効率的な研究開発を 進めていきます。
遺伝子診断では、患者個々のニーズに対応できるよう、リキッドバイオプシー分野 における事業展開をめざし、がん治療効果の事前予測が可能なmRNA診断や、がん 再発可能性の診断が可能なCTC診断事業を推進していきます。また、再生医療事業 では産業用大量培養に向けた再生医療用細胞などの受託事業を開始します。
個人医療市場の拡大により、遺伝子診断の市場規模は、約7,300億円(2015年時 点)で、2018年まで年平均成長率が7%以上と高い潜在力を持っています(当社調 べ)。日立化成は、血漿や尿中に浮遊する細胞由来の小胞(エキソソーム)内の遺伝子 (mRNA)を分析する「ExoComplete」キットを開発
しました。本キットの特長は、超遠心分離不要で、エ キソソームの捕捉からmRNAの単離、cDNA合成 まで1キットで実施できることです。製薬会社や大 学での創薬支援などの研究用に使われています。
がん免疫療法
免疫力ががん増殖の力を上回るように、
免疫細胞を体外で増殖・強化し体内に戻 し、免疫の作用によりがんを攻撃する治 療法です。
米国PCT社
再生医療など製品の開発を行っている Caladrius Biosciences, Inc.の 子 会 社であり、再生医療用細胞の受託製造の 分野で米国最大手の一社です。
ExoComplete 96-Well Plate Kit このキットの写真には、下記の3つが含ま れています。
・Exosome Isolation Plates
・mRNA Capture Plates
・Reagents
がん免疫療法をはじめとする再生医療用細胞などの受託製造事業に参入
規制緩和およびiPS細胞の実用化などにより、再生医療の急速な立ち上がりが 期待され、周辺産業市場は、2050年には15兆円の世界市場が見込まれていま す。そのなかで、日立化成は米国PCT社へ出資し、技術提携をすることで、PCT 社の米国における再生医療用細胞の受託製造事業の経営に参画するほか、技術 およびノウハウの供与を受け、再生医療用細胞などの日本国内向けの受託製造 事業に2018年度をめどに参入します。自動生産管理システムなどで高い技術 力を有する日立グループの技術支援を受け、高品質・低コストな再生医療用細 胞などの受託製造をめざします。日立化成の特長At a GlanceOur Strategy │戦略│Our Initiatives │挑戦│
mRNA診断
mRNAとは人体を構成しているたんぱく 質の設計図となる遺伝子のこと。がん治 療の効果を事前に予測する技術です。
リキッドバイオプシー
患者の組織を採取する代わりに、血液など の体液から病気の診断をする技術です。
ExoComplete 96-Well Plate Kit
診断薬
人体に直接試薬を投与する体内診断薬と 血液や尿などに含まれている成分を調べ る体外診断薬の2種類に分類されます。日 立化成は、体外診断薬のみをラインナップ しており、研究開発を強化しています。
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2015 年度の取り組み
環境マネジメントの推進日立化成は、環境マネジメントに関して、「グループ環境・CSR会議」で環境問題に 伴う事業リスクや機会を含めて議論し、グローバルな方針を決定しています。また、
主要な生産拠点においてISO14001を取得しています。2013年度から2015年度 にかけて、環境行動計画の目標達成をめざして、グループ全体が一丸となって活動 してきました。最終年度となる2015年度はVOC大気排出量原単位改善と電子マ ニフェスト登録率が目標未達となりましたが、そのほかの主要な項目で目標を大き く上回る成果を出すことができました。事業活動に伴い発生するさまざまな環境負 荷についても、環境行動計画のもと、低減のために取り組みを継続しています。
また、日立化成では、環境活 動全体の自己評価を行い、継 続的なレベルアップに役立て るため、事業所またはグルー プ全体の年度ごとの活動目 標に対する達成度をグリーン ポイント(GP)で 客 観 的に分 析しています。2015年度の 結果は647GPとなり、目標の 640GPを 達 成しました。一 方、サプライチェーンや地球 温暖化防止など、目標に満た なかった項目もあるため、今 後も重点的に活動レベルの向 上を図ります。
サステナブルエンジニアリングの推進
日立化成は、サステナブルエンジニアリングを推進しており、基盤技術の複 合・融合を通じて、「高効率」「スマート」な製品を積極的に市場に投入し、お客さま のニーズに対応しながら、サプライチェーンの環境負荷低減に貢献しています。
2015年度は、自動車用「バックドアモジュール」の売上拡大により、6,720トンの CO2排出を抑制することができました。
2016 年度の計画
2016年度から2018年度の新しい環境行動計画として、「環境に高いレベルで 配慮した工場とオフィス」「次世代製品とサービスの提供」「環境経営の推進」の3 つのカテゴリーで12項目の行動計画を策定しています。2015年度までの結果 も踏まえ、さらなる改善を進めていきます。
環境経営の実践
Our Initiatives ─挑戦─
ESGマネジメント環境
環境経営の詳細は日立化成ウェブサ イト▶日立化成について▶CSR情報
▶環境報告よりご参照ください。環境 行動計画は環境報告▶環境マネジメ ントに掲載しています。
■ 環境投資額
(億円)
2011 2012 2013 2015 12.3
4.6 6.2
2014 6.1 5.0
(年度)
(年度)
■ 水資源投入量
(千㎡)
2011 2012 2013 2015 11,371
12,537
10,970
2014 10,672 9,711
(年度)
■ VOC排出量
(トン)
2011 2012 2013 2015 531 518 506
2014 577 519
2014年度実績:599GP 2015年度目標:640GP 2015年度実績:647GP 80
20 40 60 100 0
90 86
87 73 81 76
85
70
環境経営
製品事業戦略
サプライチェーン 資源循環
エコマインド
エコプロダクツ 地球温暖化
防止 ステークホルダー との環境協働
■ 「GREEN21-2015」の評価レーダーチャート
■ 温室効果ガス排出量/
温室効果ガス排出量生産高原単位
(千トン-CO2e) 生産高原単位(トン-CO2e/百万円)
2011 2012 2013 2015 446 474 495
2014 541 482 1.17 1.27 1.43 1.40 1.32
(年度)
■ エネルギー使用量
(熱量換算TJ)
2011 2012 2013 (年度)2015 9,481 9,043 8,630
2014 9,369 8,497
2015 年度の取り組み
日立化成は「安全と健康を守ることは全てに優先する」を基本理念とし、グローバ ルで安全衛生マネジメントシステム(OSH-MS)を導入・運用し、安全で快適な職 場づくりに取り組んでいます。製造事業所におけるOHSAS18001認証取得につ いては、国内ではすべて、海外では約40%で取得済みです。
2015年度は、従業員が自ら実践する安全行動を「私の安全宣言」として宣言し、
身近なリスクを全員が共有できる取り組みを開始しました。休業災害は国内連結 で2件、海外製造会社で23件発生しました。
2016 年度の計画
引き続き安全衛生マネジメントシステムを運用し、安全な職場づくりに取り組み ます。類似災害再発防止のために3カ国語で全拠点に情報配信する「事故・災害報 告書管理システム」や、海外の製造事業所への「安全マイスター」派遣などにより、
労働災害の発生を防止していきます。
2018年度終了時点での目標として、重篤災害ゼロ、労働災害度数率0.05以 下、労働災害強度率0.0005以下、作業環境第Ⅲ管理区分職場ゼロをめざして います。
2015 年度の取り組み
日立化成は「品質保証活動理念」に基づき、品質マネジメントシステム(QMS)
による各種プロセスの監視と改善活動を継続的に実施し、品質確保に努めていま す。また、お客さまに納入した製品の評価や、今後の用途展開などへの意向を調 査把握し、これを製品の品質向上対策に反映させています。2015年度は、細分 化するニーズや多様化する用途展開で明らかになった課題を、より正確に伝達で きるよう、様式の見直しや事業分野ごとの課題区分の規定を追加し、標準化しまし た。また、生産に携わる従業員への製造物責任啓発教育を行い、約2,300人が受 講しました。さらに、化学物質管理に必要な専門知識と最新の法規制動向を習得 するための各種社内研修を、合計11回開催し、延べ約400人が参加しました。
2016 年度の計画
重大な品質事故を発生させないために、品質事故の振り返り活動を確実に実行 していきます。2011年度に構築した化学物質管理システムを利用し、日本、韓国、
台湾などの法令に対応していますが、このシステムが使用できる拠点を拡大して いきます。
労働安全衛生の推進
品質マネジメントの強化
(社)
2011 2012
1 1
16 1
38
2013 2014 2015
■ 労働災害度数率/労働災害強度率
■ 化学物質管理システム構築済み 会社数
(翌年4月より利用開始)
※度数率は100万延実労働時間当たりの労働災害に よる死傷者数で、休業災害発生の頻度を表します。
※強度率は1,000 延実労働時間当たりの労働損失日 数で、災害の重さの程度を表します。
※国内連結
日立化成の特長At a GlanceOur Strategy │戦略│Our Initiatives │挑戦│
2011 2012 2013 2014 2015 0.15
0.009 0.011 0.003 0.001 0.005 0.25
度数率 0.34
0.09 0.10 強度率
安全マイスター
海外の製造事業所における安全レベル を国内水準に引き上げるため、同分野の 製造に携わっている者を安全マイスター として海外製造事業所に派遣し、安全指 導を行っています。
化学物質管理システム
化学物質の安全性情報と取り扱い情報 を一元的に管理するために当社が2011 年度に構築したシステムです。
労働安全衛生への取り組みの詳細は 日立化成ウェブサイト▶日立化成につ いて▶CSR情報▶社会性報告▶従業 員とともに▶労働安全衛生の推進より ご覧いただけます。
品質マネジメントの強化の詳細は日立 化成ウェブサイト▶日立化成について
▶CSR情報▶社会性報告▶お客さま・
お取引先とともに▶安全で使いやすい 製品の提供よりご覧いただけます。
(年度)
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