第二章 撥水処理材の性質
6. 表面結露
6.1. 目的
建物の壁などに表面結露が生じると、壁面や室内等をジメジメした湿気の多い環境にす るので、カビやダニを発生させる原因となることもあり、人体の健康に悪影響を与える。
本実験では、撥水処理材を住宅の壁に用いるための基礎資料として、撥水処理をした木 材の表面結露現象について検討した。
6.2. 実験
スギ(Cryptomeria japonica D.Don)の板目板(厚さ= 5 mm)を用いて、内側の寸法が
50×50×80(mm)の箱を作製して試験体とした。箱の内壁面にビニル袋を広げて入れ、
氷水と保冷剤を袋の中に入れて、室内(21.5±5 ℃、50.5±5 %RH)に置き、氷水の温度 を温度計で確認すると同時に外部表面の温度をデジタル放射温度計(YOKOGAWA製、530
-01型)で測定した(写真2.6.1)。
6.3. 結果と考察
試験体の内部に氷水を入れてから30分経過後に外側の表面を観察すると、撥水処理の有 無にかかわらず両方とも結露が無かった(写真2.6.2の1、2)。120分経過後では、両方と
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も表面結露が生じた(写真2.6.2の3、4)。撥水処理材(写真2.6.2の3)では、細かい水 滴が沢山付いていた。一方無処理材では、濡れて全体的に深い材色になり、撥水処理材の 表面より大きい点状の水滴が晩材部の付近に多く発生した(写真2.6.2の4)。また、水滴 が下縁部分に集中して流れ出しそうなほどであった(写真2.6.2の5)。
晩材部に水滴が多く発生したのは、晩材部の密度が大きいので熱伝導率が大きく、これ が冷橋として作用したことが影響したと考える。また、撥水剤を塗布した際には、早材部 は晩材部よりもよく浸透した。
このように、撥水処理の有無により試験体表面に発生する液体の水滴の形状や様子には 違いがあることが分かった。
また、図2.6.1から見ると、2時間後(120分後)実験体の温度が一番低くになった。撥
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水処理の有無に関わらず内側の温度が大体同じ程度で変化していたが、撥水処理材の外側 の温度が少し高くと見えている。これは、試験体表面に発生する液体の水滴の形状や様子 には違いによって、その表面の熱伝達率が変わったと考えている。
6.4. 結論
・ 撥水処理の有無は、表面結露による水滴の形状や様子に影響を与える。
・ 撥水処理材の表面には、表面結露による細かい水滴が沢山できて付着する。
・ 無処理材の表面には、表面結露による比較的大きな水滴ができて濡れる。
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24
0 0.25 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5
温度(°)
時間(h)
撥水処理材の外側 撥水処理材の内側 無処理材の外側 無処理材の内側
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